6億3500万ドル調達の新ユニコーン企業Babylon、日本ではこうした成功は生まれない
2019年8月に6億3500万ドルを調達したロンドンのスタートアップ企業Babylon。
この企業はヘルスケア領域のアプリサービスで、AIを利用したチャットボットサービスで日時指定で医師と直接相談もできるという。
仕組み的には、弊社のチャット占いアプリサービスと似ている。弊社も世界占いプラットフォームとしての構想を計画し、ちょうど同時期に国内で資金調達を進めたが、結果は・・・という状況。
フィンテックやブロックチェーンといった技術への投資に関しては、名のある技術者を抱えた会社であれば投資対象になったとしても、弊社のような無名の企業がそれを利用したサービス展開を進めるという画を描いても、なかなか受け入れられない現状がある。
Babylonでは、AIを利用したチャットボットでヘルスケア相談だが、占いでは同じようなものはダメだというのが私の意見で、YahooやLine占いのような課金コンテンツをチャット占いに付加したサービスがうまくいっていないことからも、リアルで相談ができるなら、それがベストではないかというのが私の考えである。
占いは言語の問題さえクリアすれば世界で利用できるサービスで、その言語問題を解消する技術はすでに得ている。そこでピッチに参戦したのだが、占いというテーマが受け入れられなかったというか、投資側の理解を得るのが難しかったのだろう。ひと言でいえば、ピッチで伝える力がなかった私の責任だ。
世界展開では報酬の支払いで海外送金の問題があるため、フィンテック関連のTransferWise社のような送金システムの利用やそれと似たものを自前で開発する必要がある。
つまり弊社の世界占いプラットフォームの完成形はBabylonとTransferWiseを足したようなシステムになるのだが、裏側を支える技術にフォーカスを充てずに、"占い"だという話を前面に立ててしまったので、うまくいかなかったのだろう。
弊社ではBabylonのような医療へのシステム転用ということも検討したが、医者への支払いを考えると、占いの方が支払コストが大きく削減できるため、弊社では占いで進めた。
Babylonの今後の問題はおそらくソフト面の対策、実際の医師との相談部分でさまざまな問題が出てくるのではないかと思う。ハード面に頼り過ぎてるように感じ、今後は医療機関への橋渡し、連携部分での課題が出てくるだろう。
弊社の世界占いプラットフォーム化が成功した際には、おそらく競合はこのBabylonになるのではないかと考える。医療と占いという展開している領域は違えど、仕組み自体は似ている部分が多い。弊社は単にアプリだけでの展開というプラットフォームではなく、リアル店舗も踏まえたプラットフォームであり、ここがBabylonでは対応できない部分になると考えている。
日本では、なかなか受けない弊社のビジネスモデルであるが、Babylonのニュースを耳にして海外投資家の方がこういう領域の話は興味を抱くのではないかと感じる。
弊社計画では、570万人で毎月$723Mという数字を示したが、Babylonの430万人ユーザーという情報を見る限りでは、十分達成できる数字だと改めて思う。世界で展開すれば、これくらいの数はそれほど難しい話ではなく、6億ドルの調達した会社なら一瞬で獲得できる。
資金調達ができない企業が、自前資金だけでそれをやってのけたら、ある意味注目を集めると思うし、神風を吹いたようなインパクトを与えることになるだろう。占いサービス企業としては、「ジャパニーズKAMIKAZE!」という記事が海外紙に掲載されるように実現させていきたい。資金よりもパートナーを求む!日本では2018年に大手新聞の社会面に40年以上ぶりと言われる占い記事で掲載された企業、それが弊社なのだから。眉唾ものの話に聞こえるだろうが、やってる実績をみれば可能性を感じるはずだ。
鯉沼寿慈Mari-Ciel株式会社
チャット占いアプリ市場のパイオニア。占いにおける新事業の創出を行っており、アプリ向け占いサービスとリアル店舗を展開し、国内で唯一ネットとリアルで占い事業を成立させています。チャット占いでは、提携先企業の裏切りに遭い、創業2年目で1億円以上の売上げを失う窮地に立つが、そこから復活させ、新たなアプリサービスの創出、占い店舗をコピス吉祥寺、アトレ秋葉原に次々に展開。
Mari-Ciel株式会社
代表取締役社長