
次世代AI検索・エージェントプラットフォーム「Felo(フェロ)」を開発するFelo、シリーズAで15億円を調達
次世代AI検索・エージェントプラットフォーム「Felo(フェロ)」を開発するFelo株式会社は、シリーズAラウンドにて、海外機関投資家を中心に約15億円(1,000万米ドル)の資金調達を実施した。出資に参加したのは、インド・東南アジアで多数のユニコーン企業を輩出する「Peak XV Partners」、および韓国の大手金融グループ「Mirae Asset」のVC部門。2024年7月設立の同社にとって、初の大型資金調達となる。
調達資金は、エンタープライズ向けAI検索エージェントの開発加速、日本および韓国・台湾市場への本格展開、AI人材採用の強化、UI/UXの改善などに充てられる見込みだ。
非英語圏に最適化 知識の格差を超える「多言語AI検索」
Feloが解決しようとしているのは、生成AIの進化と同時に深刻化する「言語格差」の問題だ。世界のAIモデルの学習データの約9割が英語で構成されるなか、日本語や韓国語、中国語などの情報は十分に活用されていない。Feloは「Search the world in your own language.」をミッションに掲げ、日本語・アジア言語に強い多言語AI検索エンジン「Felo Search」を開発。2024年のローンチ以降、120万以上のユーザーを獲得し、1日30万件以上の検索が行われている。
2025年5月には、AIエージェントによる分析・レポート生成機能を備えた「Felo Enterprise」もローンチ。大手通信キャリアやメディア企業との提携も進んでおり、実務に活用可能なAIとして企業導入が拡大中だ。
「検索3.0」で業務改革を支援 知を成果に変えるAI
Feloが掲げるのは、「検索」の再定義だ。同社は、従来のキーワード検索を「検索1.0」、AI検索を「検索2.0」、そしてAIによるレポートや資料の生成までを含む「検索3.0」と位置づける。Felo Enterpriseでは、プレゼン資料や図解、マインドマップなどを数分で自動生成し、ビジネスの現場で即活用できるアウトプットを提供。情報を「探す」だけでなく、「整理し、考え、伝える」支援を行うことで、知的生産性を飛躍的に高める。
先端技術の結集 安心・安全な日本発AI基盤
Feloの強みは、日本語に最適化されたセマンティック検索技術にある。複数のLLM(大規模言語モデル)とRAG(検索拡張生成)を組み合わせることで、ユーザーの意図に応じた情報収集と出力が可能。加えて、日本国内のAWSサーバーを利用し、ユーザーデータをAI学習に一切使わない設計により、企業のセキュリティ要件にも応える。
さらに、横断検索・自動要約・翻訳などの機能を備えたAI製品群「Felo瞬訳」や「Glarity」も展開し、統合的な業務AI環境の構築を目指している。
グローバル投資家も注目、日本発ユニコーンへの期待
今回の資金調達を主導したPeak XV Partnersは、旧セコイア・キャピタル・インディア&東南アジアとして知られ、これまで400社以上のスタートアップに投資。Mirae Assetは韓国最大級のベンチャー投資機関として、グローバルなディスラプターの育成を支援してきた。
Feloは今後も、多言語AI検索によって「情報の民主化」を推進し、検索行動そのものを価値創造の起点へと進化させることを目指す。日本から世界を変えるAIユニコーンとして、さらなる飛躍が期待される。
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(TOMORUBA編集部)