【7/27 Microsoft Open Innovation Base~イノベーションリーダ同士の学びと機会発掘の場~】 トークセッションで語られる“大企業でオープンイノベーションが停滞する3つの課題”とは?
新たな価値の創出と社会課題の解決を目指す人々が集うビジネス創造拠点として、東京ミッドタウン日比谷6階に開設されたBASE Q。同施設では、日本の大企業に対し、ベンチャー企業等と連携したビジネス創造活動を支援する「イノベーション・ビルディングプログラム」の提供をスタートさせている。
このBASE Qという場やプログラムを活用し、7月27日にMicrosoftが開催するのが「Microsoft Open Innovation Base ~イノベーションリーダ同士の学びと機会発掘の場~」というイベントだ。対象となるのは、オープンイノベーションによるビジネス創造を推進する大企業イントレプレナーや新規ビジネス企画に携わる部門、スタートアップ企業の経営者・メンバーとなっている。
同イベントには多くの第一人者が登壇し、オープンイノベーション成功のポイント、大企業とスタートアップのコラボレーションに欠かせないコラボレーション基盤の利活用が紹介するなど、Microsoftならではの豊富なコンテンツを用意。オープンイノベーションに取り組む上で、大きな知見を得られる場となるはずだ。
現在、日本の大企業の中ではイノベーションが生み出しにくく、もがいているイントレプレナーたちは孤独なことも多い。――同イベントが開催される背景には、こうしたイントレプレナーに向けて「コミュニティ作り」を意識してもらうための機会を発掘してもらおうという思いがある。
では、なぜ大企業ではイノベーションが生まれにくいのか。――その壁や課題とは何なのか。そして、乗り越えるためのポイントとは。イベント開催に先立ち、登壇者の一人であり、BASE Q 運営責任者でもある光村圭一郎氏と、本イベントを企画した日本マイクロソフト・輪島文氏に、直前インタビューを実施した。
【写真左】 三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部 事業グループ 主事 光村圭一郎氏
出版社勤務を経て2007年三井不動産入社。オフィスビルの開発、プロパティマネジメントの経験を経て、新規事業開発に携わる。2014年に企業人・起業家・クリエイターのコラボ拠点「Clipニホンバシ」を立上げるともに、オープンイノベーションに関する活動に意欲的に手がけ、アクセラレータープログラムのメンター等を経験。東京ミッドタウン日比谷に「BASE Q」を開設し、大企業のイノベーションを支援する活動を手がけている。
【写真右】 日本マイクロソフト Microsoft 365 ビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 輪島文氏
国内大手通信キャリアにてコンサルティングに携わり、2008年、日本マイクロソフトに入社する。Windowsの法人向けマーケティングを経験した後、2011年よりOfficeのマーケティングを担当。現在は、働き方改革を支えるICT活用の推進や、Office 365 マーケティング戦略策定を担当している。
大企業のオープンイノベーションが停滞する、3つの課題
――まず光村さんが、ビジネス創造拠点であるBASE Qや「イノベーション・ビルディングプログラム」の提供をスタートした理由・背景についてお聞かせください。
光村氏 : 最初にお話ししておきたいのは、「日本経済においては、従来型の大手企業が今なお存在感を持っている」という現実です。アメリカのようにGAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)のようなメガベンチャーが、既存の大企業と入れ替わるようなことは、日本ではまだ起きていません。しかし現在、世界の経済・社会は大変革期に突入しています。日本の大企業的な組織や文化では、この変化に対応することは難しい。――でも、変えていかなければ、大手企業の没落と並行して日本という国も沈んでしまう。そうした中で、私はオープンイノベーションという手法に大きな可能性を感じ、ここBASE Qという拠点の開設や「イノベーション・ビルディングプログラム」の提供を始めました。
輪島氏 : しかし、そのオープンイノベーションが、日本の大企業ではなかなかうまく進んでいないように思えます。
光村氏 : そうですね。その理由の一つが、「大企業は既存事業が上手くいくために組織を構築してきた」という点にあると思います。既存事業には、人材も制度もすべて整っている。足元の業績も好調です。そのため、オープンイノベーションや新規事業のために制度を変えたり、リソースを割いたりする必要性を感じていない、ということです。
輪島氏 : 確かに、大企業の既存事業には、人・モノ・カネといった潤沢なリソースがあります。
光村氏 : もちろん、オープンイノベーションや新規事業の必要性を感じ、挑戦している大企業も少なからずあります。それらに携わっている方たちは総じて優秀で、情報もしっかりと頭の中に入っている。けれど、情報過多になってしまい、身動きがとれなくなっているように見えます。新規事業とはある意味、やる必要があることとないことを選別する活動でもある。枝葉の情報を切り捨てて、一本きちんとした道筋を立てれば、正しく動けるようになるはずなのです。
――BASE Qの「イノベーション・ビルディングプログラム」では、日本の大企業はイノベーションに取り組むにあたって「組織/制度」「人材」「コミュニティ」という3つの課題に直面していると提言されていますね。
光村氏 : はい。以下の図の通りですが、「組織/制度」「人材」「コミュニティ」という既存事業であれば当たり前にあるものが、オープンイノベーションや新規事業部署には揃っていません。
<イノベーションにまつわる3つの課題> ※BASE Qイノベーション・ビルディングプログラム資料より抜粋
輪島氏 : たしかに。この図に示されている内容は、とても納得感がありますね。
個の覚醒が、組織を変革する
光村氏 : オープンイノベーションや新規事業が上手く軌道に乗っていない大企業は、端的に言えば上記の3つが揃っていない。しかし、それを放置したまま、とりあえず着手してみるという大企業が少なくありません。
輪島氏 : そうした大企業を変革させるためには、何が必要になるのでしょう?
光村氏 : 大企業を変えるためには、私は「事業」「人材」「組織」の3つのあり方を変える必要があると思っています。新たなビジネスを興し、事業の中身を入れ替える。組織風土や制度を変える。社員一人ひとりの価値を高めていく必要もあります。これらを同時多発的に実施し、自社のカルチャーにしていくことが求められますね。
輪島氏 : なるほど。
光村氏 : 何より重要なのが、新たな事業をつくることを、愚直に進めていくこだと思います。そこからは、一定数の成功もあれば、失敗もあるでしょう。そういった経験を通じて、働いている個人が覚醒していくのです。個の覚醒が、ひいては組織も変わっていきます。
オープンイノベーションを加速させる、ツールの重要性
――オープンイノベーションを加速させるために、BASE Qでは、Microsoft Teams(※)の利活用を推進されているとお伺いしました。
※Microsoft 365のアプリに組み込まれているチャットツール。「ファイル管理」「メモの共有」「会議のスケジュール管理」などのさまざまな作業にも対応している。
光村氏 : 私たちがなぜMicrosoft Teamsを使用しているかというと、大企業のビジネスパーソンがインタラクティブなコミュニケーションをするときに、最適なツールだと考えたからです。「お世話になっております」から始まるメールコミュニケーションではなく、チャットでスピーディーにコンタクトができる。さらに、Microsoft Officeの各アプリケーションやスケジュール管理ツールなども連携できるため、情報の統合性がとても高い。
――従来のメール文化よりもスピーディー且つ発展性が高く、オープンイノベーションや新規事業に携わるイントレプレナーにも最適なツールということですね。Microsoft Teamsは現在、どのような企業が使用されているのでしょうか?
輪島氏 : Microsoft Teamsは、Microsoft 365に組み込まれているツールです。実は、大企業の約80%はライセンスを持っています。多くの企業が、ビジネスをよりスピーディーに、様々な組織と連携しながら仕事を進める必要に迫られている中、業種を問わず「変化すること」に対してポジティブな大企業が、利活用するケースが急速に増えています。事実、Microsoft Teamsを利用することで、コミュニケーションの頻度が上がり、惰性的な会議の時間を削減。お客様の訪問時間が55%も増えたという事例も出てきています。
――なるほど。
輪島氏 : Microsoft Teamsを導入することで、企業と企業の壁を超えて、密にコミュニケーションを行い、プロジェクトを進めるために必要な資料作成やタスク管理などの様々な作業を一緒に行うことができます。さらに、光村さんが課題として掲げている「コミュニティ」に対しての打ち手にもなります。また大企業にとって気になるセキュリティや管理も、各社のセキュリティポリシーに合わせてきめ細やかな権限管理をしていただくことができますので、企業外のユーザーがいても安心してご利用いただけます。ぜひ、利活用してほしいですね。
▲Microsoft Teams 画面
※ ※ ※ ※ ※ ※
7月27日に開催される「イノベーションリーダ同士の学びと機会発掘の場」では、Microsoft Teamsも紹介され、セッションに対するQAはTeamsで行われる。さらに、対談の中でも言及された、大企業のオープンイノベーション・新規事業の成功させるためのヒントもプレゼンテーションされる予定だ。イベントの概要は下記の通り。興味を持たれた方は、ぜひ、参加を検討してほしい。
※イベント詳細・参加申し込みはこちらから
→ https://eiicon.net/about/ms-openinnovationbase/
■イベント名/Microsoft Open Innovation Base ~イノベーションリーダ同士の学びと機会発掘の場~
■開催日時/2018年7月27日(金)13:30~17:30 (受付開始 13:00)
■開催場所/東京ミッドタウン日比谷 6F BASE Q HALL 1+2 https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/jp/baseq/access/
■イベント内容/オープンイノベーション成功のポイント、大企業とスタートアップのコラボレーションに欠かせないコラボレーション基盤の利活用、よりイノベーティブなビジネスを実現するマイクロソフトテクノロジーについて、第一人者が紹介。専門家と直接QAができるAsk the Expert や企業間のビジネス機会発掘のきっかけとなる懇親会も予定しています。なお、本イベントでは、イベント中のQAをMicrosoft Teamsのチャットでも受け付けます。Teamsは会場内で期間限定のアカウントを無償でご提供いたします。