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【イベントレポート】eiiconとSEEDATAの初の協業イベント。新事業を生み出すアイデアの考え方をレクチャー!

【イベントレポート】eiiconとSEEDATAの初の協業イベント。新事業を生み出すアイデアの考え方をレクチャー!

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オープンイノベーションプラットフォームeiiconと博報堂DYグループのSEEDATAは、東京・大手町のコワーキングスペース「SPACES」で、共同イベント「新規事業案を生み出すワークショップ」を開催した。

eiiconはビジネスパートナーの発掘を得意とし、SEEDATAは進出する事業領域の決定と具体的事業の実行支援を得意とする。――それぞれの得意分野を持ち寄り、より強力にオープンイノベーションや新規事業参入をバックアップすることを目的として、2018年3月にeiiconとSEEDATAが提携。これを受けて、本イベントは実施された。

※関連記事/【対談】博報堂DYグループのSEEDATAとeiiconが提携。大企業のイントレプレナーたちの協業でイノベーション支援の幅が拡大する。 https://eiicon.net/articles/417

ワークショップを行う上で活用されたのは、「オープンイノベーションCASE MAP」だ。これは、eiiconが独自に収集した1000以上の国内オープンイノベーション事例を分析し、業種、ビジネス領域の観点から分類したもの。さまざまなオープンイノベーションを可視化し、どのような提携目的、提携種別、提携内容でイノベーションが起こったのかを解説するツールとなっている。

本イベントではCASE MAPを用いながら、現業に戻った時にも使える「アイデアの考え方」が紹介された。その具体的な手法として「技術視点、市場視点、生活者視点を持つことが重要」などと伝えられ、参加者は熱心に耳を傾けると共に、自ら「新発想」の創出に挑戦した。

イベントに先立ち、SPACESを提供する日本リージャスの担当者が挨拶。eiicon founder中村亜由子氏、イベントの講師を務めるSEEDATAの取締役COO藤井陽平氏がそれぞれ自社、事業の紹介を行った。引き続き、藤井氏からCASE MAPの活用方法などがレクチャーされた。

▲eiicon founder 中村亜由子 

▲株式会社SEEDATA 取締役COO 藤井陽平氏  

学生時代にデザインリサーチを学び、博報堂ブランド・イノベーションデザイン局へ参画。嗜好品、観光、化粧品などの分野で、生活者リサーチを基軸にした商品開発、ブランディングに従事。現在は先進的ユーザーリサーチを活用した商品開発・未来洞察を専門としている。

※株式会社SEEDATAについて

2015年に博報堂DYグループ内に設立され、300を超えるプロジェクトでオリジナルの知見とネットワークを企業に展開。 “先進的な生活者群(=トライブ)の行動や発言に、隠された心理や価値観を発見することで、5年先の生活者ニーズを明らかにすること”を、ミッションに掲げる。主に「インテリジェンス事業」と「インキュベーション事業」の2つのアプローチで、クライアント企業のイノベーション支援を手がけている。

提携の背景を見ることで、ビジネスチャンスの確信を得る

藤井氏はCASE MAPについて「これだけの資料が閲覧できるのは価値が高い」と強調した。その上で、具体的な活用方法として、提携の背景を考えてみることと解説。そうすることで、ユーザーニーズが浮かび上がり、ビジネスチャンスを見つけることができるという。アイデアで大事なことは「確信型の発想をすること」であり、発想を事業化させるには、少ないサンプルでもいいので、「これでいける」と確信を得ることだと伝えた。

一方で、確実にニーズがあると市場調査し「確証」を得るのは、数値でロジックを組み立て社内に通すための必要な過程と述べ、確信と確証の違いを明らかにした。

一見、無関係と思える領域について考えてみる

また、藤井氏は「枠外発想」と「思考実験」の重要性も伝えた。「一見、無関係と思える領域にまで思考を広げることが大切」と強調。合わせて、事例を活用しながらさまざまに思考してみることが、着想を得るのに欠かせないと解説した。

具体的な方法として、CASE MAPから「AIを活用したロボ故障予測」の提携事例を取り上げた。提携の背景などを読み解き、「未然に防いでくれる技術を持っているとすると何ができるか」「未然予測で叶えられるユーザーニーズは」という「問い」に昇華。引き続き、メンタルヘルスや家電など、直接的には関係ないと思われる業界のことも視野に入れ、商品やサービスを熟考していく。

casemap×SEEDATAの発想例を紹介

上記の提携事例について、藤井氏は、SEEDATAでの発想例を紹介。同社では「老いを魅力と捉える人たち」というトライブにはどのような商品、サービスが成り立つかを思考。「老いを防ぐためには、やすらぎではなく、負荷が必要と考えている」というリサーチ結果をもとに、未来予測技術と掛け合わせ「負荷を一定時間かけていないとアラートを鳴らすウェアラブルデバイス」を着想した。

この後、参加者たちは、CASE MAPを利用しながら、実際に自らの発想を広げた。中には、短い時間の中で複数の着想を得る参加者もおり、早速、藤井氏のレクチャーが実になる場面も多く見られた。

取材後記

アイデアというと、どちらかと言えば、「思いつくもの」ととらえられていることが多い。確かに思いつきには違いないが、事業化を目指すアイデアとなると、単なる思いつき以上のものが必要だろう。では、思いつき以上の発想はどのように得るのか。――その問いに対する回答が、藤井氏のレクチャーだったと思う。

藤井氏は、ブレインストーミングの仕方をレクチャーしたのだが、数あるブレインストーミングの中で、これほど明確にビジネスと結び付けられると感じられたものはそう多くない。特に「技術視点、市場視点、生活者視点」という切り口は、非常に有用だと感じた。この着想法とeiiconのCASE MAP、SEEDATAのリサーチがあれば、市場を切り開いていける新たな事業も生まれるのではないか。少しでも興味を持ったのなら、ぜひ問い合わせなどしていただきたい。

※eiicon×SEEDATA「生活者リサーチデータを活用したイノベーション支援」の詳細・問い合わせ先は次のURLからご確認ください。 https://eiicon.net/about/eiicon-seedata/

(構成:眞田幸剛、取材・文:中谷藤士、撮影:加藤武俊)

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