NTTデータ経営研究所×徳島県内の病院ほか | 4K高精細映像・医療画像の伝送による院内ICU等の遠隔モニタリングおよび救急医療連携の高度化の実証実験を実施
株式会社NTTデータ経営研究所、NECネッツエスアイ株式会社、ケーブルテレビ徳島株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社アルム、フクダ電子四国販売株式会社、徳島県、徳島大学病院、徳島県立中央病院、徳島赤十字病院、徳島県立海部病院は、総務省「令和4年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」において、コンソーシアム(以下 本コンソーシアム)を設立し、院内ICU等の遠隔モニタリングおよび救急医療連携の高度化の実証実験を実施する。
本実証実験では、ローカル5Gや4Kカメラを使用し、ICUやコロナ病棟を模した環境での遠隔モニタリングの実証に加え、救急搬送時の救急車内から搬送先病院および2次救急病院と3次救急病院間における医療情報連携の高度化の実証を行う。
背景と課題
新型コロナウイルス感染症の拡大以降、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れる病院では、ICU等の隔離病棟への入退出の際に、感染防護具の着脱が必要となっており、感染対策による業務上の負荷が高まっている。このことから、隔離病棟の外部から、遠隔で入院患者の容態やバイタルを確認するための遠隔モニタリングへのニーズが高まっている。
また、救急搬送については、2019年まで全国的に一貫して増加傾向にあり、救急医療体制の逼迫が課題となっていた。中でも徳島県では、全国と比較して3次救急病院への救急搬送が集中しており、3次救急病院での受け入れが困難となるケースがあった。
そこで、2次救急病院での処置の適正化と3次救急病院へ搬送する患者の適正化、さらに患者搬送後の処置の迅速化のために、救急患者のバイタルや映像を搬送先病院と連携することで、3次救急病院への搬送集中の緩和および将来的な救命率の向上が求められている。
加えて、一般的に近接する建物においては、各々の建物内で利用される通信機器同士の電波干渉の懸念があり、医療機関においても電波干渉への対策とICTの利活用による医療の質向上を両立する取り組みが求められている。
実証実験の概要
コロナ禍によるICU等隔離病棟での業務負担軽減、救急搬送先病院の一極集中および救急搬送先の適正化や院内における医用テレメータの電波干渉といった課題の解消に向け、本コンソーシアムでは、ローカル5Gおよび高精細カメラ等を用いたソリューションを構築し検証を行う。実証時期は、2023年1月~2023年2月。
<実証内容>
(1)ローカル5Gを活用した入院患者の遠隔モニタリング:ICUとナースステーションの間で、4Kカメラ映像やベッドサイドモニタのデータをローカル5Gにより無線伝送し、ICUの遠隔モニタリングとローカル5Gの電波干渉対策を検証
(2)4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる救急搬送中の患者情報連携:救急車と搬送先病院間のキャリア5Gおよびローカル5Gによる無線接続を行い、搬送中患者の4Kカメラ映像を用いた医療高度化を検証
(3)4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる2次救急病院と3次救急病院間の患者情報連携:2次救急病院と3次救急病院間をローカル5Gにより無線接続し、患者の4Kカメラ映像やバイタルデータの伝送による医療高度化を検証
<各実証の概要>
▼実証1の概要図
▼実証2の概要図
▼実証3の概要図
体制と役割
■株式会社NTTデータ経営研究所/本コンソーシアム代表。実証モデルの社会実装・普及展開の検討。
■NECネッツエスアイ株式会社/ローカル5Gの環境構築と技術検証。遠隔モニタリングに関する効果検証と機能検証。
■ケーブルテレビ徳島株式会社/ローカル5Gシステムの機器接続・運用支援。DAS(分散アンテナシステム)拡張サービスの提供。
■NTTコミュニケーションズ株式会社/救急搬送中や施設転送時の医療の高度化の実証実験の効果検証と機能検証。キャリア5G – ローカル5Gの連携。4K映像伝送サービスの提供。
■株式会社アルム/救急搬送中や施設転送時における医療高度化に向けた実証実験の効果検証と機能検証。医療関係者間コミュニケーションアプリの提供。
■フクダ電子四国販売株式会社/ベッドサイドモニタの提供。病院内の電波干渉の評価。
■徳島県/ローカル5G基地局の構築。実証フィールド(病院、救急車)の提供。
■徳島大学病院/医療現場視点での有効性評価。実証フィールドの提供。
■徳島県立中央病院/医療現場視点での有効性評価。実証フィールドの提供。
■徳島赤十字病院/医療現場視点での有効性評価。実証フィールドの提供。
■徳島県立海部病院/医療現場視点での有効性評価。実証フィールドの提供。
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