DX推進支援のSTANDARD、スパークス未来創生ファンドから資金調達を実施
大手企業を中心に650社以上のデジタルトランスフォーメーションの推進と内製化を支援する株式会社STANDARDは、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が運営する「未来創生3号ファンド」を引受先とした第三者割当増資を実施し、約5億円の資金調達を完了させた。これにより、過去の融資を含めた同社の累計資金調達額は約10億円となる。
直近の事業状況
同社は「ヒト起点のデジタル変革をSTANDARDにする」をミッションに掲げ、プライム上場企業を中心として650社以上のDX推進を支援してきた。特に、DX人材育成事業を中心とした内製化支援にこだわり、DX推進のすべてを同社内で完結させてしまうのではなく、顧客企業内の社員を育て、プロジェクトに巻き込み、ひとりひとりが自律的にDXを推進できる組織に生まれ変わるまで伴走支援をするスタンスが特徴的だ。また、このDX内製化をゴールとした伴走支援は、同社が提唱する「大企業がDX推進でぶつかる3つの壁」の考え方をもとに進められている。これは、アイデアの壁・投資判断の壁・技術開発の壁を順に突破していくことで、硬直化した、いわゆる「大企業的」な組織風土からでも、大きな変革を遂げられるというものだという。
2022年10月末時点では、全社的なDX人材育成と施策のアイデア創出を支援し、即戦力DX人材を育成する「DXリテラシー講座」の累計受講者は業界最多(※1)の10万人を突破した。また、同社でも新規事業としてAIやIoT等を活用したSaaS型のサービスを4つ立ち上げて売却および事業移管を行うとともに、技術面では若手エンジニアの自由闊達なコミュニケーションやディスカッションを促進するイノベーション拠点「R&Dラボ」の新設等、新規事業創出と技術力強化を推し進めてきたという。
(※1)同社調べ、2022年10月末時点のデスクリサーチ、「即戦力DX人材育成e-ラーニング累計受講者数」として
資金使途と今後の展開
今回調達した資金は、主にSaaS型プロダクトを主軸とした新規事業の創出、既存事業拡大に向けたマーケティング活動、全社的な新規採用と人材育成に充てられる。同社は、創業5年の間で幅広い業種業界650社以上のDX推進を支援する中で、「DXリテラシー講座」を通して現場から吸い上げた課題を基にしたDX施策アイデアと解像度の高い知見を蓄積するとともに、AIをはじめとした先端テクノロジーの社会実装を推進してきた。第二創業期として、今後重点投資していく「SaaS型プロダクトを主軸とした新規事業の創出」とは、これらの知見を集約させ、創業時より磨き上げてきた先端技術をコアとするソリューションを開発していくことで、より多くの顧客企業の課題解決を目指すというものだ。同社は、この新規事業創出によって多くのDX推進支援事業者が抱える「労働集約型になりやすい」という経営課題を脱却し、より高い売上高成長率を実現させるとともに、個社の事業活動の垣根を越えた業界横断での社会的課題の解決や共創基盤によるイノベーション創出にコミットしていくという。
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