SkyDriveほか複数社 | 官民学連携で、大阪スーパーシティの実現に向け「空飛ぶクルマ」の大阪ベイエリア航路実現性の調査を開始
「空飛ぶクルマ」(※1)および「物流ドローン」を開発する株式会社SkyDriveは、2025年の大阪・関西万博開催を見据えた日本初の「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けて、朝日航洋株式会社、大阪公立大学、株式会社大林組、関西電力株式会社、近鉄グループホールディングス株式会社、グロービング株式会社(代表企業)、大日本印刷株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、日本工営株式会社、三菱電機株式会社 を実施主体とし、大阪府、大阪市の協力のもと、大阪ベイエリアにおける離発着ポートや飛行経路の実現性を検証することを発表した。なお、本事業は内閣府の「先端的サービスの開発・構築等に関する調査事業」に採択されている。
本事業開始の背景
政府は、「地域振興」と「国際競争力向上」を目的に、経済特区「国家戦略特別区域(以下「国家戦略特区」)」を規定し、規制改革を推進している。本取り組みの一つとして、2030年頃に実現される未来社会を先行実現するエリア「スーパーシティ型国家戦略特区」が制定され、本特区に大阪府・市が指定された。大阪市は、スーパーシティ構想の一つとして「最適移動社会の実現」を掲げ、2025年の関西・大阪万博を見据えた「空飛ぶクルマ」の社会実装を目指している。
SkyDriveは、「100 年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに、「日常の移動 に空を活用する」未来を実現するべく、「空飛ぶクルマ」と 30kg 以上の重量物を運搬で きる「物流ドローン」を開発している。
2019年に日本で初めて「空飛ぶクルマ」の有人飛行に成功し、2025年の関西・大阪万博開催時に、大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指し、現在、2人乗り機体「SkyDrive式SD-05型機」(「SD-05」)を開発している。
サービス実現のために、2021年9月には大阪府、大阪市と「空飛ぶクルマ」の実現に向けた連携協定を締結し、2021年10月には株式会社大林組、関西電力株式会社、近鉄グループホールディングス株式会社、東京海上日動火災保険株式会社と共同で、地域住民の理解促進と社会受容性を高めるための「大阪ベイエリアにおける、空飛ぶクルマによるエアタクシー事業性調査」を実施してきた。
今後、さらに一歩踏み込んだ取り組みとして、官民学連携にて、離発着ポートの設置や飛行経路の実現を検証し、「空飛ぶクルマ」の社会実装の実現に向けて事業を推進していく考えだ。
調査事業概要
1. 事業名称
空飛ぶクルマの大阪ベイエリア航路実現性の調査事業
2.実証場所
大阪府大阪市(夢洲周辺及び大阪ベイエリア)
3.事業内容
①大阪ベイエリアの「空飛ぶクルマ」の離発着ポート候補地と考えている大阪港周辺や桜島周辺の風況・地盤等の調査実施と実現性の検証。
②大阪・関西万博会場(夢洲)周辺の「空飛ぶクルマ」の想定飛行経路における 風況・気象データ等を取得・分析と実現性の検証。
4.関連する規制改革事項
①「空飛ぶクルマ」の離発着ポートの設置に向けた制度整備(航空法第79条、河川法第24条・第26条・第27条、港湾法第37条など)
② 「空飛ぶクルマ」の機体や運航の安全基準に関する制度整備(航空法第11条・第62条・第63条、施行規則第180条など)
5.社会実装に向けたスケジュール
2022年度
・本調査事業を通じた航路実現性の検証・評価
2023~2024年度
・高密度・高頻度運航に耐え得る離発着ポートの設置
・安定運航を支える後方支援体制・拠点の検討・整備
・事業立ち上げ・拡大を情報面から支援するインフラ・データ基盤の検討・整備
・初期投資・事業負担を軽減する資金調達スキームの検討・構築
・デモフライト
2025年度
・大阪・関西万博における空飛ぶクルマの飛行実現
2026年度~
・「空飛ぶクルマ」の商用運航の拡大
共同実施体制
本事業は下記の通り、官民学で役割分担のうえ実施する。
・グロービング株式会社 :調査実行代表企業/全体統括
・株式会社SkyDrive :調査実行/事業全体サポート
・朝日航洋株式会社 :調査実行/航路調査(主幹)
・株式会社大林組 :調査実行/ポート調査支援等
・大阪公立大学 :調査実行/全体調査支援、電波測定
・関西電力株式会社 :調査実行/充電インフラ検討
・近鉄グループホールディングス株式会社:調査実行/ポート調査(主幹)
・大日本印刷株式会社 :調査実行/広報PR
・東京海上日動火災保険株式会社 :調査実行/リスクアセスメント
・日本工営株式会社 :調査実行/ポート調査(概略設計等)
・三菱電機株式会社 :調査実行/風況調査
・大阪府 :協力
・大阪市
※1 空飛ぶクルマとは:明確な定義はないが、「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」が一つのイメージ。諸外国では、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)や UAM(Urban Air Mobility)とも呼ばれ、新たなモビリティとして世界各国で機体開発の取組がなされている。モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでおり、日本においても 2018 年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、2030 年代の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されている。
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