東大・松尾研発スタートアップのOllo、シリーズAラウンドで総額約2億円を資金調達
カメラひとつと小さなエッジデバイスのみで工場の現場作業を高精度に解析する画像認識ソフトウェア「Ollo Factory」を展開する株式会社Olloは、株式会社先端技術共創機構(ATAC)、株式会社Deep30、株式会社ディープコア(DEEPCORE)を引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドで約2億円の資金調達を実施した。
Olloの事業
Olloは工場の現場作業を高精度に解析する画像認識ソフトウェア「Ollo Factory」を展開している。
Ollo Factoryは、独自のOne-Shot学習技術により、通常分析の精度を上げるために必要とされる「大量の学習サンプル」を必要とせず、1サイクルの標準作業を撮影し、要素作業の切れ目をツール上で入力すると、24時間、365日の作業をすべて同じ基準で自動的に計測する。
登録した標準作業の映像と実際の作業の映像の差分をリアルタイムに分析し、作業時間のばらつきやミスを可視化することで、作業効率のアップや現場の標準作業の定着に活用できる。
Ollo Factoryによって、これまで一部の改善担当者に依存していた改善業務を、短期間で大量に実行することが可能に。
現在、約30以上(半数以上は海外工場)の作業現場にて、Ollo Factoryを活用してもらい、ほぼすべての現場にて、改善に必要な分析精度を短時間で達成しており、実際の改善業務につなげている。
■Ollo Factoryの画面イメージ
■Ollo Factoryの導入ステップ
関係者からのコメント
■川上登福⽒(株式会社先端技術共創機構(ATAC) 代表取締役、Deep30投資事業有限責任組合(運営会社:株式会社Deep30 代表取締役CEO))
Olloは、代表の川合さん、CTOの堀さんを中⼼に、⾼い技術⼒を持つ優秀なエンジニアが揃っていると感じています。創業以来Ollo Factoryの技術に磨きをかけてきており、その進化を⾒続けてきましたが、⾼い技術⼒が結集したOllo Factoryは、世界の製造現場のデジタル化を⼀気に進め、製造現場を⼤きく進化させるものと思っています。今後も、Olloと共に、世界の製造現場をどんどんバージョンアップするチャレンジを共に戦っていきたいと考えています。
■左英樹⽒ (DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合 (運営会社:株式会社ディープコア Senior Investment Director))
製造業においては人の手を用いた組立・加工が必要な部品や製品が多く存在していますが、このような製品の製造プロセスにおいては、作業員の熟練度や手技のレベルによるバラつきが大きく、カイゼン活動の余地が大きいとされています。一方で、高度な専門性が求められるカイゼン担当者は限られており、様々な工場現場まで浸透できていないという課題がありました。Ollo Factoryを通じて、過去日本の製造業発展に大きな役割を果たしてきた品質・生産性向上アプローチである「カイゼン」活動が、より多くの製造現場に広がり、生産性向上の一助となることを期待しています。今後も同社の成長をサポートしていきます。
■川合健斗氏(Ollo代表取締役CEO)
Ollo Factoryは、ここ1年で現場での活用がどんどん増えており、実際に大きな改善効果が出る現場も最近は増えてきました。いくつかの現場では必要不可欠なプロダクトとして評価していただき、Ollo Factoryを毎日使っていただいているお客様も増えてきています。今後は、海外工場を中心に、Ollo Factoryの導入台数を増やしていき、多くの現場での生産性向上に貢献していければと考えております。
■松尾豊氏(Ollo顧問)
Olloは、優秀な学生メンバーを中心に構成された技術レベルの高いスタートアップです。Ollo Factoryという製造業向けのプロダクトに特化しており、ユーザーからの声を反映しながら早いスピードで改善することで、製造現場での活用事例が着実に増えています。Ollo Factoryが日本の製造業にとって欠かせないプロダクトとして、大きく発展していくことを期待しています。
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