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日本最大のエネルギーマーケットプレイスを運営するenechainがシリーズAラウンドで16億円を調達

日本最大のエネルギーマーケットプレイスを運営するenechainがシリーズAラウンドで16億円を調達

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日本最大のエネルギー卸取引マーケットプレイスを運営する株式会社enechainは、DCM Ventures (リードインベスター) とMinerva Growth Partnersを引受先とするシリーズAラウンドでの16億円の第三者割当増資ならびに取引銀行からの融資により、総額で約20億円の資金調達を行った。

調達した資金をもとに、今後3年間で、運営するエネルギー取引のオンラインマーケットプレイスの流動性を10倍以上に増やし、あらゆるユーザーが電力やLNGといったエネルギー商品をワンクリックで売買できる世界の実現を目指すという。

同社は、「Building energy markets coloring your life」 をミッションとして掲げ、あらゆるユーザーが、オンライン上のマーケットプレイス(eSquare)にて、電力やLNGといったエネルギー商品を、ワンクリックで自由に売買できる世界の実現を目指すスタートアップ。

2016年の電力自由化以降、数百社の小売事業者が電力事業に参入した。世間では「新電力」と呼ばれる小売企業は、従来の電力会社よりも安く電力を販売しており、東京エリアでのシェアは20%を超える。業界に競争が生まれ、社会コストが下がる。電力自由化はこの国の競争優位性を高めるという観点で、よい変化をもたらしつつある。 

一方で自由化当初には想定されていなかった、燃料市況や需給動向に応じて電力のスポット価格が1銭から250円まで乱高下※1 するなど、価格のボラティリティがとてつもなく高いという課題も浮き彫りに。このような事業環境では生産者にとっても小売企業にとっても「収益を安定化するためのヘッジ取引」が必要となるが、これまで日本のエネルギー業界には価格をヘッジするマーケットが存在していなかった。その結果、倒産や事業撤退に追い込まれるという状況が続いていた。

※1 電力スポットの30分コマ別価格を参照


このようなペインポイントを受けて、同社はこれまで、経済産業省から許認可を得て、法人ユーザー向けに電力やLNG等エネルギー商品のヘッジ取引を行うマーケットプレイスを開設し、取引のマッチングサービスを提供してきた。創業から2年半、ユーザーは電力会社やガス会社、新電力の他、欧米トレーダーなど120社を超え、流動性についても国内最大※2 のヘッジマーケットプレイスへと成長している。

※2 経産省2021年2月5日 「電力・ガス取引監視等委員会 制度設計専門会合」資料を基に、ヘッジマーケットプレイスの取扱規模を比較


今回調達した資金については、今後、採用と組織拡大、コアプロダクトであるeSquareの開発およびユーザーへの導入の加速に充てる想定だという。具体的には、今後3年間で、ソフトウェアエンジニアやコーポレート人材等を中心に社員数を150名と現状の3倍規模にまで増やす予定。また、ユーザー獲得加速に向けた投資も積極的に行い、eSquare上の流動性を10倍以上とすることを目指す。

卸電力のヘッジマーケットプレイスでの取引が活性化することで、発電・小売事業者の収益性が安定し、エンドユーザー向けにより競争力のある条件での安定的な電力小売に寄与するものと考えているという。

また、今回の調達に合わせて、2021年12月30日開催の株主総会において、社外取締役としてDCM Ventures 本多央輔氏の選任を決議したことを発表した。本多氏は、ゼネラルパートナー兼日本代表として、多くの投資を実行してきたほか、2019年に東証マザーズ市場に上場したfreee株式会社、Sansan株式会社、2020年に同市場に上場した株式会社ビザスクの社外取締役として、3社の経営に携わってきた。同社は、本多氏のこれまでの経験やグローバルの知見を経営に取り入れ、プロダクト開発および事業拡大に取り組んでいくという。

関係者のコメント

■DCM Ventures プリンシパル 原 健一郎氏

野澤さんとは10年に渡るお付き合いと、創業前から相談を頂いている中で、エネルギー業界に対する思い入れの強さ、電力業界や米国での経験を経てたどり着いた実現したい世界観/ビジョンのクリアさを何年も伺ってきました。その野澤さんの業界に対する思いと、enechainが解決しようとする「ペインポイント」と軽々しく言うにはおこがましいほどの経済的なインパクトの大きさが、創業2年で業界トップ9割を占める企業との取引を実現する期待を生んでいるのだと思います。

また野澤さんは創業初期から会社のカルチャーづくり、業界でのオピニオン形成に時間をかけており、これからも「enechainがあってよかった」、「enechainに入ってよかった」と思われる会社作りの一助に少しでもなれるように株主として出来る限りのことをしたいと思っています。

■Minerva Growth Partners 創業パートナー 長澤 啓氏、村島 健介氏

電力小売りが全面自由化された国内の電力市場において、enechainは電力価格と需給バランスの最適化を実現する新たなマーケットプレイスとして、需要・供給両面の大手プレイヤーより支持される不可欠な存在として急成長を遂げてきました。今後、当社が脱炭素社会の実現を目指す日本のエネルギー基本計画におけるキープレイヤーになると確信しています。

エネルギー業界の数十年先をも見据えた野澤CEOのビジョンに強く共感し、中長期的な視点で伴走できることを楽しみにしております。Minerva Growth Partnersが持つグローバル機関投資家としての資金・知見・ネットワークと、スタートアップにおける経営戦略・資本政策・IPO準備等に係るノウハウ・サポートの提供を通じて、enechainの成長を支援して参ります。

 

■株式会社メルカリ 上級執行役員 SVP Japan (メルカリグループ日本事業責任者) 兼 株式会社メルコイン代表取締役CEO 青柳 直樹氏

強いチームと、レガシーなエネルギー業界ながらマーケットプレイスというド直球の事業に真正面から挑戦するという野澤さんの意気込みにワクワクして、創業時にエンジェル出資をしました。社員が数人の初期からミッション・バリューへ積極的に投資し、非常に力強い組織とカルチャーを作ってきました。今後も自身のスタートアップ経営やプロダクト開発の経験を活かして、enechainの “Building energy markets coloring your life” の実現を全力で応援していきます。

■株式会社LayerX 代表取締役 CEO 福島 良典氏

野澤さんは創業初期から、手堅いビジネスを固めつつ、取るべきリスクはしっかり取るメリハリの取れた経営をいきなりできている点が本当に1回目の起業なのか? 凄まじいなと感じていました。事業の進捗とともに、課題に対する解像度がより深く・広がりもでていて、構想がどんどん大きくなっています。

学習能力が高く野心に溢れた理想的な起業家・チームです。レガシーな部分が多く、デジタルによる改善幅が大きいであろうエネルギー業界に変革をおこしていく大きな会社になっていくと確信しています。1経営者として負けないように私もがんばります。

■ラクスル株式会社 取締役CFO 永見 世央氏

野澤さんの誠実な人柄とエネルギー業界をより良くしていきたいという強い想いに共感して、創業時に出資をさせていただきました。ローンチ後初月から早速プラットフォーム上でエネルギーが取引されているのを見て驚いたことを今も覚えています。数十兆円規模の国内エネルギー業界を変えていく、そのゼロ合目に立ったenechainと野澤さんをこれからも応援していきます。

■株式会社THE GUILD 代表取締役 CEO 深津 貴之氏

enechainは、to Bのビジネスであるにも関わらず、創業初期からユーザーにフォーカスし、UI/UXデザインに強いこだわりをもっているスタートアップです。その想いに惹かれて、これまで外部メンターの立場でenechainのUI/UXデザインをサポートしてきました。世界で一番使いやすい電力マーケットプレイスになるよう、これからもenechainのUI/UXデザインをサポートして行きます!

関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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