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NTT東日本×ベーリンガーインゲルハイム×臼井農産 | 「咳音検知技術」を活用した豚の体調管理に関する実証実験を開始

NTT東日本×ベーリンガーインゲルハイム×臼井農産 | 「咳音検知技術」を活用した豚の体調管理に関する実証実験を開始

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ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社、有限会社臼井農産、および東日本電信電話株式会社神奈川事業部(NTT東日本)は、養豚業界における畜産動物の健康維持、農場の生産性向上・出荷品質向上に向けて、『咳音検知技術』を活用した飼養豚の体調管理に関する実証実験の取り組みを開始したことを発表した。実施期間は、2021年11月1日から2022年10月末まで(予定)。神奈川県厚木市にある臼井農産・豚舎で行う。

取り組みの背景

近年の養豚経営は、配合飼料価格や生産資材等の価格の上昇、生産管理を担う労働力不足、後継者確保問題など、経営を取り巻く環境は依然厳しい状況にある。最近の豚肉販売価格は堅調に推移していることから、飼養規模拡大の意欲もある反面、家畜衛生対策、優良種豚の確保による生産性の向上、担い手の確保、畜産クラスター事業等の活用による投資資金の確保などが新たな経営課題となっている。※1

近代養豚において飼養豚の健康状態は、農場巡回と検査、生産成績のスクリーニングにより確認されている。従来の手法に加え、国が進めている「スマート農業」の概念にのっとり、デジタル技術を活用し、農場での豚の健康状態を客観的かつリアルタイムに把握することが、労働力の省力化や豚の健康維持管理に与える影響は少なくないことが考えられる。

ベーリンガーインゲルハイムでは「SoundTalksTM ※2」の名称で咳音検知技術(音声モニタリングテクノロジー)をグローバルにて広く展開し、飼養豚の健康維持管理において養豚農場を支援してきた経験と知見がある。

今回、日本でも国内の養豚場において、その実地検証をすべく、養豚におけるデジタル化を推進している臼井農産、およびNTT東日本と連携して実証実験に取り組むことになったそうだ。

なお、NTT東日本では2019年より神奈川県養豚協会、神奈川県畜産技術センターとの「飼養環境の見える化」(温湿度データや豚の衛生環境等監視)実証実験を皮切りに、臼井農産と連携し、「センサーを用いた適切なCO2濃度を維持・管理方法の見極め」「AIカメラを活用した体重・体格・肉質の計測および推定算出、飼育状況のデータ活用などのシステム化」に関する実証実験を実施している。※3~5

※1 一般社団法人 全日本畜産経営者協会「養豚農業実態調査報告書」(2019年3月)

※2 SoundTalksTMはベルギーのSoundTalks社により開発され、ベーリンガーインゲルハイムが販売権を有している。

※3 NTT東日本 報道発表(2019年8月6日)

※4 NTT東日本 報道発表(2021年4月19日)

※5 NTT東日本 報道発表(2021年6月7日)

本取り組みの概要

ベーリンガーインゲルハイムが専属的に販売権を有する「SoundTalksTM」をベースにした咳音検知技術により、半径10m以内の飼養豚から発せられる咳音を24時間365日検知する。計測したデータは、クラウド上のサーバーに蓄積され、SoundTalksTMのAIにより農場独自の咳の発生状況をユーザーにスマートフォンアプリ、またはコンピューターのWebサイトを介して知らせる。また、咳音の検知と同時に、豚舎内の温度及び湿度の記録が可能だ。

システムからの通知に応じて、遠隔地にいる農場スタッフと現地にいるスタッフが連携し、豚の健康状態や飼育環境の適正さを実地検証することが可能になる。必要に応じて、飼育環境の改善に向けた検討や、管理獣医師とのコミュニケーション等の迅速なアクションが可能になる。また、ユーザーによるUI等のニーズ状況把握を行うことで、商用サービス化に向けた検討を行う。なお、ベーリンガーインゲルハイムの「SoundTalksTM」を活用した「咳音検知」の三者間での実証実験は、日本で初の試みとなる。

<実施概要イメージ>


▼モニタ(検知器)設置状況 


▼ゲートウェイ設置状況


『咳音検知技術』システムを導入した場合に想定される養豚生産者のメリット

以下の通り飼育豚の健康維持が可能になり、結果として、少ない損失で継続的に健康で美味しい豚肉の生産・提供が可能となる。

◆豚の健康状態の把握

システムが豚の咳の状況を絶え間なくリアルタイムにモニタリングすることで、状況の変化を適時通知し、可視化する。

◆豚舎環境の適正管理

システムが豚舎の温度・湿度をリアルタイムにモニタリングすることで、飼養環境の変化について適時通知し、可視化する。

◆管理獣医師との早期連携

飼養豚の咳の状況や飼養環境に変化が生じた場合に、対象となる豚群を特定し、管理獣医師との早期連携・相談が可能となるよう支援する。

◆作業の効率化

農場の情報を同時に複数人でかつ遠隔でも確認可能となることで作業の省力化を支援する。

各社の役割

◆ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン

「SoundTalksTM」の技術提供、咳音検知機器設置、システム運用・検証

◆臼井農産

実証フィールドの提供、飼養豚の体調情報提供、生産者目線でのニーズ・活用シーン情報提供

<管理獣医師>

飼養豚の定期的な健康状況確認、咳音アラート確認、獣医師目線でのニーズ提供 等

◆NTT東日本

通信機器の設置・管理、実証実験の遂行における総合的な支援

今後の予定

本取り組みにて集積したデータを活用し、臼井農産は最高品質の豚肉の提供を目指していくとともに、ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパンとNTT東日本は、養豚業へのIoT、ICTサービス導入のサポートを実施していくほか、各種連携等により養豚業の発展に向けた新たな仕組みづくりを検討していく考えだ。

※関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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