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PicoCELA×西松建設 | 通信インフラの構築が困難な山岳地のメガソーラー建設地にWi-Fi環境を構築

PicoCELA×西松建設 | 通信インフラの構築が困難な山岳地のメガソーラー建設地にWi-Fi環境を構築

2020年09月08日
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PicoCELA株式会社 (以下ピコセラ) は、西松建設株式会社が手掛ける67ヘクタールの大規模な太陽光発電 (メガソーラー) の建設地に、ピコセラ製品「PCWL-0410」および今回新たにリリースした指向性アンテナを用いて、広大なWi-Fi環境の構築を行った。これにより、土木工事の際に必要な通信環境と建設現場を監視するためのカメラシステムの導入が可能となり、現場作業の効率化および省人化を実現した。

導入の背景

西松建設はメガソーラーの建設に際して、現地をメガソーラー向けに整地する必要があった。現地は、67ヘクタール (東京ドーム約13個分) という広大な面積があることに加え、山地で崖を削り出し谷を埋めるような過酷な環境であるため、現場管理職員の見回りだけでも何時間も時間がかかり、緊急時にリアルタイムで現場の状況を把握する手段の確保が難しいなどの課題があった。

そこで、建設現場に監視カメラシステムを導入することで、見回りにかかる時間と人員の省人化およびリアルタイムの監視体制の構築が求められていた。しかし、山岳地である現場内では、電源の確保がそもそも難しく、また既存携帯キャリアの基地局もネットワークしておらず安定した通信を行うことは容易ではなかったという。

今回、この課題を解決すべく、ピコセラの建設土木・防災向け屋外無線LAN (防塵・防水) である「PCWL-0410」と、長距離通信を確保できる新たにリリースした指向性アンテナ、さらに電源供給用に単機のソーラー発電と蓄電池を組み合わせて、現地に通信インフラの構築を実現した。

実施概要

ピコセラの「PCWL-0410」は、大規模なLANケーブル配線の敷設が難しく、雨風や粉塵などにさらされる屋外の過酷な環境での無線LAN環境の構築を可能としている。 LANケーブルの配線を極限までカットし、低コストで、場所を選ばず無線LAN環境を構築でき、これまでにも工事現場、製造現場、災害発生時など、一時的かつ迅速な構築が求められるプロの現場で導入されてきた。

今回は、広大な敷地内に「PCWL-0410」を11台、長距離の通信を確保できるピコセラ新製品の指向性アンテナを10台使用して、広大な環境に置局し、最大2kmの距離をバックホール通信 (無線基地局とインターネット回線を結ぶネットワーク通信) で接続した。「PCWL-0410」に標準搭載されている無指向性アンテナは360°全方位に通信が可能なものだが、今回新たにリリースした指向性アンテナは、左右15°に絞った方射角で信号を送受信するもの。標準搭載の無指向性アンテナでは、アクセスポイント間の距離が100m程度の通信距離だが、指向性アンテナに付け替えれば、最大2km程度の長距離間での安定した通信を行うことが可能になる。

67ヘクタールという広大なエリアにLAN配線はたった2カ所のみ、「PCWL-0410」単機および専用監視システムの電気供給は、ソーラー発電と蓄電池のシステム (NETIS:KTK-170013-A) で対応している。

▲設置イメージ

今回の導入では、現場の見回りにおける省人化と低コスト化、24時間監視を実現した。専用監視システムでは、大型モニターに映し出されたマップ上をタッチすれば、簡単に各現場の様子がリアルタイムかつ複数拠点を同時に確認することができる。監視カメラの方向は、画面上で指をスライドさせるだけで遠隔操作が可能。

また、今回西松建設が導入を決めた、監視カメラシステムである、Genetec社 Security Centerではスマートフォンの位置情報と連携し、誰が何処にいるのかを監督者が事務所のモニター上で確認することが出来る。監視カメラ映像は、クオリティーが高いほど役立つ反面、大量のネットワークトラフィックを必要とする為、公衆回線を使用する際は、クオリティーを落とすことが当たり前となっていた。今回、固定カメラによる映像の確認に加え、広大な敷地内で人員の配置、現場確認の指示が的確に行えるという要件が、見事に実現された。

同システムの導入により、通信環境の設置が困難かつ広大なエリアにおいて、安定した通信網の整備に成功し、これまで大きく負担になっていた現場管理作業をはじめとする全体の作業効率が飛躍的に向上した。