電通等がブロックチェーンを活用したコンテンツのマネタイズについて共同研究プロジェクト「n次流通プロジェクト」を開始
株式会社電通は2020年1月より、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツのマネタイズについて共同研究プロジェクト「n次流通プロジェクト」を開始する。
<共同研究の参加社>
・株式会社電通国際情報サービス(以下ISID)
・株式会社VOYAGE GROUP
・シビラ株式会社
・株式会社角川アスキー総合研究所(以下角川アスキー)
・株式会社朝日新聞社
・スタートバーン株式会社
現在、ニュース、漫画やアニメといったコンテンツでは、著作権が認められるのは基本的に作者などの原著作者(一次創作にかかる権利)のみであり、あるコンテンツを元に別の新たなコンテンツを創作する「n次創作」に関する権利は認められていない。一方、n次創作によって一次創作流通時を超えた新規ユーザーの呼び込みがなされ、ユーザー層の拡大に貢献するケースも増えている。しかし、現状の著作権や流通システムではこれらを正しく評価する仕組みが整備されていないため、「n次流通」が経済活動に組み込まれることはなかった。
そこで、電通内のR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ」は原著作者ら一次創作者と連携し、原著作者とn次創作者の双方が受け取るインセンティブについて設計を行うことで、コンテンツの新しいマネタイズ可能性を検討するべく共同研究を開始する。
各社の役割
※1 プログラマブルID技術(PID):シビラのスマートコントラクトID技術。個人がIDの利用範囲や提示範囲をコントロールできるよう定められた国際ID規格「DID」や生体情報や非対称鍵暗号を活用した国際的な認証規格である「FIDO」等の国際規格に準拠して、ヒト・モノ・コンテンツに対してアプリケーションを横断した自律的な経済活動や情報連携、契約執行を行う機能を有したIDを生成できる
※2 アートブロックチェーンネットワーク:スタートバーンが開発する、あらゆる主体が発行した作品証明書や来歴の管理を実現する情報ネットワーク
また、共同研究を進めながら、2020年3月に下記の実証実験を予定しており、角川アスキーは同社運営の、雑誌・コミックなどが読める「ePub viewer for twitter」サービスを通して協力予定という。
実証実験の目的
ブロックチェーン技術を活用して、
①「n次流通」に関与したユーザーおよび製作者への正当なインセンティブ設計
②コンテンツの価値を高めるn次創作活動の啓発
③信頼できるコンテンツとユーザーの関係性の定義
ターゲット・コンテンツ:
漫画コンテンツ(コマ単位もしくはページ単位)から開始し、次に映像コンテンツへと対象を拡大予定
実証実験で想定する漫画コンテンツのn次流通モデル
※関連リンク:プレスリリース
(eiicon編集部)