日本のデジタル人材育成を担うライフイズテック、20億円の資金調達を実現
ライフイズテック株式会社は政府系ファンド「JIC VGI(JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社)」から総額20億円の資金調達を行ったと発表した。このシリーズEラウンドにおいて第三者割当増資で新たに10億円、既存株主からの株式譲渡で10億円を調達し、累計調達額は約67億円に達した。
ライフイズテックは、日本が直面する重要課題「デジタル人材不足」に取り組む企業として注目されている。同社が提供する中高生向けプログラミング教育サービス「Life is Tech ! Lesson」は、全国4,400校以上で導入され、年間135万人が利用。教育の場だけでなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)研修や地域DX推進など幅広い領域で事業を展開する。
資金調達の背景:日本の未来を切り拓くデジタル教育
日本は「課題先進国」と言われるほど多くの社会課題を抱えているが、その中でもデジタル人材育成は最優先の課題だ。しかし、進展は依然として遅れており、教育と産業界の連携が求められている。
ライフイズテックは2011年の創業以来、ITキャンプやプログラミング教材を通じて次世代デジタル人材を育成してきた。現在では中高生向けの教育だけでなく、社会人や自治体向けの研修にも事業を拡大し、中高生から大学生、社会人までをカバーする「一気通貫型」の人材育成モデルを構築している。
今回調達した資金は、既存事業の拡大、新規事業の開発、人材採用と育成に活用される予定だ。
ソリューション事例
1.学校向けクラウド教材「Life is Tech ! Lesson」
全国4,400校以上に導入されるクラウド型教材は、生徒一人ひとりの理解度に合わせた個別最適化を実現。プログラミング教育未経験の教師でも簡単に導入可能な設計が評価されている。
2.企業向けDX研修「DXレディネス研修シリーズ」
社員一人ひとりが業務の課題をデジタルで解決できるよう支援。新卒から経営層までを対象に、双方向・実践型のプログラムを提供し、DX推進力を高める組織づくりをサポートしている。
3.地域DXエコシステムの創出
山梨県では、中高生から中小企業に至るまで地域全体でDX推進を支援するエコシステムを構築。地域内でデジタル人材を育成・供給する循環型モデルが注目を集めている。
投資家の視点と期待
今回の資金提供を主導したJIC VGIの市村駿氏は、「ライフイズテックが提供する教育は単なる技術習得にとどまらず、生徒の成長や社会との接点を重視している」と評価。同社の活動が教育業界全体を活性化し、日本企業の国際競争力強化につながることが期待されている。
今後の未来への展望
ライフイズテックの代表取締役CEO、水野雄介氏は、「教育とテクノロジーの力で、次世代を育成し、より良い世界を創造する」と述べている。
今回の資金調達はライフイズテックが描く「デジタル人材育成による未来創造」の加速に向けた新たなステージとなるだろう。教育は持続的な社会変革を実現する重要な鍵であり、ライフイズテックの挑戦に、さらなる期待が寄せられている。
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(TOMORUBA編集部)