ヘルスケアオートメーション事業展開のドリコス 3.3億円を調達、累計調達額約9.3億円
「快いを彩る」をミッションに掲げ、テクノロジーによるヘルスケアオートメーションを目指すドリコス株式会社は、プレシリーズBラウンドにて総額3.3億円の資金調達を実施した。
ファーストクローズに続き、東芝テック株式会社、AGキャピタル株式会社、株式会社エアトリを引受先とする第三者割当増資ならびに、株式会社商工組合中央金庫からの融資による資金調達となる。今回の資金調達により、累計調達額は約9.3億円に。
市場背景とドリコスの事業
テクノロジの進化や新型コロナウイルスの流行などにより、デジタルヘルス分野は世界で急速な成長をしている。株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポートでは、デジタルヘルス市場は2020年の1,833億ドルから年平均成長率20%以上が見込まれ、2025年には4,837億5,000万ドルに成長するとの予想がされている。
ドリコスは、デジタルヘルスの拡大と共に増大するヘルスケアデータを、1人ひとりの適切なヘルスケア商品に変換するヘルスケア抽出デバイスを開発、販売している。 特に、ウェアラブルデバイスや体組成計などで取得されたヘルスデータを基に、ユーザの健康目標に適した栄養素を自動的に調合するサプリメントサーバー機器は、スポーツジム、企業福利厚生サービスや、コンビニエンスストアやドラッグストアの顧客向け栄養サービスなどで活用されている。
ウェアラブルデバイスをはじめとするヘルスケアデータを取得する手段は今後も急速に拡大することが予測される。ドリコスは、データの取得だけではヘルス”ケア”ではなく、データを活用し、健康状態が改善されることではじめてヘルスケアが達成されると考えるという。データを活用した最適な栄養ケアを基軸に、ヘルスケアオートメーション事業を展開している。
事業事例: ジム継続率を3倍に引き上げる
スポーツジム向けオーダーメイドサプリメントサーバーGRANDE (グランデ)
スポーツジムに特化して開発されたGRANDEは、ジムの利用客向けのオーダーメイドサプリメントサーバーである。利用客の目標と現在の体組成に合わせ、いち早い目標達成をサポートするオーダーメイドサプリメントを自動提供するという。初期費用無料、実質のランニングコストもゼロであり、ジム店舗にとって導入リスクが限りなく低いサービスでありながら、オプション収益も上がるサービスとして急速に導入拡大が進み、100店舗以上で導入されている（設置予定含む）。
オーダーメイドサプリメントを自動抽出するだけではなく、業務用体組成機InBodyとの体組成データ自動連携や、体組成データや生活習慣を基にした配合提案、最適な目標設定など、専属のパーソナルトレーナーのようなアドバイスも行うという。結果、会員の継続モチベーションを向上させ、GRANDEを利用するユーザは、一般的なスポーツジムの会員継続率に比べ、ジムの継続率が約3倍向上しているという。
資金調達の目的
オーダーメイドサプリメントの提供だけではなく、会員の継続率向上も達成できるサービスとして導入拡大が進むGRANDEを中心に、今回の資金調達を通じた設置拡大ならびに機能拡充を行うという。また、POSシステムで国内シェア約50％の東芝テック株式会社、ライフカードなど様々な決済ソリューションを展開されているアイフルグループをはじめとする同ラウンドに参画している事業会社やグループ企業と、ヘルスケアオートメーションの価値向上に向けた共創も開始するという。具体的には、スポーツジムでの成功事例を活かし、コンビニエンスストアやドラッグストアといったリテール領域、介護領域とのシナジーも構築していくという。
設置拡大ならびに機能拡充、領域拡大に向けた営業、カスタマーサクセス、開発の採用強化も同時に推進していくという。
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