コーセー日本橋本社のイノベーション創出拠点「KoCoLabo」が本格稼動
株式会社コーセーは、日本橋本社の一部改装に際し、社内外のコミュニケーションやコラボレーションの活性化によって、柔軟な発想によるアイデア創出やセレンディピティ（※1）を誘発させることで、新たな価値創出を狙う多目的スペース「KoCoLabo（ココラボ）」を本格稼動させた。
※1 予測していなかった偶然によってもたらされた幸運・発見
同社は、これまで“コトづくり”の本社（日本橋）、“モノづくり”の研究所（王子）、“ヒトづくり”の研修センター（王子）を東京都内に配置し、有機的かつ機動的に連携してきた。今後、グローバル戦略を支える多様性を育み、社内外の幅広い知見を活かすオープンイノベーションを加速させると共に、常識に囚われない柔軟な発想による顧客提供価値の創出を狙い、その推進拠点として、新たに本年3月、日本橋本社7階に「KoCoLabo」を開設。「KoCoLabo」は、KOSÉ Collaboration Laboratoryの頭文字をとり命名され、社員のリフレッシュや情報交換の場、セミナーの開催、試作品の評価や新ビジネスのPoC（実証実験）の場として活用していくという。
そして、コロナ禍による働き方の変化で不足しがちな社員のコミュニケーションを補う役割も担いながら、社内外の幅広い情報や知識、スキルの習得に繋がるコンテンツの集積および社員の成長を促すイベントなどを実施することで、様々な部署の社員が集まり、その交流の中から多様なコラボレーションが生まれること、さらには偶然の出会いから生じるセレンディピティも期待し、新たなひらめきや気付き、ヒントやアイデアが生まれる場となることを目指している。
今回、その「KoCoLabo」のさらなる活用の一環として11月24日～27日に「モノづくりウィーク」を開催。25日は、これまで長年に亘り実施してきた、個々の研究員の独自のアイデアを形にして提案し、企画や開発をはじめとした部門のインスピレーションを刺激する「研究アイデア提案会議」、26日～27日は、協力パートナーである取引先の技術と同社のアイデアを結びつける「外注フェスタ」を実施。これまで別々に実施してきたこの2つのイベントを、一週間の中に集約し、また日本橋本社「KoCoLabo」にて行うことで、今までイベントに参加していなかった社員も集まり、例年以上に双方向の情報交換が行われた。
▲「KoCoLabo」全体像
研究アイデア提案会議
研究アイデア提案会議は、年2回のペースで開催されており、通常の業務から離れ、制約の壁を取り払い、各個人の自由な発想で個性を活かした斬新なアイデアを試作品やプレゼンテーションの形で展示している。
今年は、約120点の独創的なアイデアが並び、研究所員と同社内の様々な部門の社員が意見交換、時には熱い議論を交わしながら、製品化への実現性や利用者への提供価値を探った。
例えば、口紅の上から塗ることで色落ちや色移りを防ぐという新機能を提案し、口紅コートという新たなジャンルを確立した「リップ ジェルマジック EX」や、クリームとしては珍しいホイップのような独特の感触を持つ「雪肌精 クリアウエルネス ホイップ シールドクリーム」など、独自性の高い特長・感触を持った商品が、研究所員の新発想・新技術から数多く生まれているという。
▲研究員と本社社員が意見交換する様子
▲試作品を試している様子
外注フェスタ
外注フェスタは、取引先の独自の技術と同社のアイデアを結びつける機会創出の場として、毎年2回のペースで開催されている。取引先各社が見本品を並べ、社内の担当者が話を聞き、議論することもできる見本市さながらの雰囲気。
今年も、原料から容器、また海外から取り寄せられたアイデアなど、同社にはない数々の新規性のある技術などが並んだ。今回は、コロナ禍にも関わらず国内外20社以上の取引先から約200品の技術が集まり、同社の企画をはじめとした様々な部門の社員が新たな製品の種を探った。
▲美容開発部の評価を放映
今回は、コロナ禍ということもあり、取引先が事前に収録したプレゼンテーションや社内の美容開発部の試用テストおよびその評価を放映するなど、工夫が行われた。
一方で、在宅勤務中の社員が視聴できるよう社内のイントラネット上でオンライン配信も行い、幅広い社員へ誘発の機会を提供した。
▲オンライン配信の様子
同社は、1946年の創業時に取引先との「取引協約規定趣意書」にも、「益々商品の優良化に専念する」ことを挙げ、商品の差別化を競争力の源泉と位置づけ、モノづくりを大きな事業の柱として取り組んできた。その結果、革新的なヒット商品や世代を超えて愛される『雪肌精』を代表としたロングセラー商品を世に送り出し、また、プレスト型のファンデーションや美容液の上市をはじめ、業界の先駆けとなるイノベーションを起こしてきた。部門の垣根を超えた社員間での意見交換、原料・資材メーカーをはじめとした取引先など、社外パートナーのアイデアとの融合もその原動力になっているという。今後も、「KoCoLabo」をはじめとした様々なイノベーションを誘発できる取り組みを強化し、多様な人、情報、アイデアの融合により、利用者の期待を超えるモノづくり、コトづくりを進めるとともに、その基盤となるヒトづくりを推進していく。
※関連リンク：プレスリリース
