A.L.I. Technologies×エアロダインジャパン | 業務提携し、ドローン・オペレーション・システムのアライアンスを組成
株式会社A.L.I. Technologies(以下「A.L.I.」)とエアロダインジャパン株式会社(以下、「エアロダイン」)は、今回、全世界向けに本格的なドローンサービスを展開するため、両社の持つドローンオペレーターネットワークとUAS(ドローンシステム)の連携に向けたアライアンスを組成した。世界35カ国で展開する豊富なドローン点検実績を持つエアロダインと、国内最大のドローンソリューション事業を展開するA.L.I.による、高い品質のサービスを国内外に向けて推進する取り組みとなる。
A.L.I. の課題と構想
A.L.I.では将来的なドローン市場拡大を見越して、創業初期よりサービス運用に向けたUAV(ドローンを含む無人航空機)の開発や、クラウド型のドローン管制システムの開発を行なっていた。
想定通り、国内においても、ドローンソリューションのニーズは大きく拡大しているというが、優秀なドローン操縦士不足という課題と、機体やシステムの海外製の台頭によるルールや安全品質のありかたに関する課題があるという。
こうした課題に対応するため、A.L.I.では、各業界の現場に合わせた独自の研修制度によって卓越した操縦技術を持つドローン操縦士を育成し、さらに、ドローン機材、システム情報等を、一元的に管理することが可能なクラウドシステム”C.O.S.M.O.S”(コスモス)を独自開発している。
これらの取組みに加え、世界的にドローンサービスを展開しているエアロダインとの連携によって、国内外問わず、より一層、品質の高いサービスを提供し、ドローンの社会実装を加速化させることを目指すという。
【A.L.I.開発に係るドローン管制システム “C.O.S.M.O.S”(コスモス)】
▲操縦士の点検情報
▲自動点検飛行
エアロダインの課題と構想
エアロダイン社は、世界35か国で、30万件以上のドローンアセット点検の実績を有しており、Asia-Pacific Best Practices Awards 2019(*1)のUAVサービス部門でアジアNo.1にランクインするなど、世界のドローンサービスを牽引するグローバル企業。
現在、エアロダイングループが提供するドローン点検を必要とする多くの業務が、既存のインフラ構造物の点検の代替手法となっている。そのため、ドローンオペレーターにかかるコストについては、既存の点検コストと比べて同程度かそれよりも安価な料金が望ましいとされるのが一般的だという。2018年の日本進出以来、海外での実績を高く評価され、日本でも多くの引き合いをもらっていたというが、国内においては、産業に必要な卓越したドローン操縦技術を持つ操縦士が不足しているため、限られた熟練オペレーターの調整が日増しに難しくなってきている現実に直面しているという。今回の取り組みを通じて、両社の持つノウハウを統合することで国内外相互乗り入れ可能なオペレーション品質の均一化とクライアントへのサービスを向上させることを目指すという。
【エアロダイン社のグローバル展開状況】
今後の展望
A.L.I.は、昨年11月に23億円以上の資金調達を実施しており、出資した多くの事業会社とオペレーションが始まっている。
社内にて機体の開発・カスタム対応を行う体制を有しており、顧客のフィードバックを元に独自の機体開発にも力をいれている。広く市場に流通している汎用機だけでなく、自社開発のメイド・イン・ジャパンの機体や関連システムと共に、官民のさまざまな課題を解決できるドローンオペレーションを実施していきたいと考えているという。
加えて、A.L.I.では、FAI(*1)公認国際ドローンレースや各業界での研修ルールを推進する過程において国際基準に適合するドローンのルール策定にも積極的に取り組んでおり、グローバルでのドローンオペレーション知見を豊富に有するエアロダインとの連携によって、ドローンサービスにおける規格をはじめとした基準のデファクトスタンダードを作っていきたいと考えているという。
*1 Fédération Aéronautique International(国際航空連盟)
※関連リンク:プレスリリース