丸紅ネットワークソリューションズ×富士急行 | 踏切道の安全確保にむけたAIカメラ実証実験を実施
丸紅ネットワークソリューションズ株式会社(以下、丸紅ネットワーク)は、富士急行株式会社と協力し、2020年7月より富士急行線(大月~河口湖)にある第1種踏切道及び第4種踏切道(*1)にて、AI機能を搭載したカメラ(以下、「TRASCOPE-AIカメラ」)による滞留検知システム(以下、同システム)の実証実験を進めている。
▲上写真:TRASCOPE-AIサービス構成
同システムでは、丸紅ネットワークが提供するAI分析映像監視サービス「TRASCOPE-AI」を利用し、内蔵の演算装置(GPU*2)でカメラが取得した映像データを処理する。
TRASCOPE-AIカメラでは、物体の形状を認識し滞留を検知する「物体検知」と、人物の移動・滞留を検知する「骨格検知」の複数のAIアルゴリズム(*3)を実装しており、複数のAIアルゴリズムを用いて、
・踏切道内に置かれた物体
・踏切道内に滞留した人物
を検知し、リアルタイムに遠隔にいる富士急行の運転指令所へ通知する。
(*1)踏切道第1種踏切道とは、自動遮断機、警報機が設置されている踏切道、第4種踏切道とは、踏切警標のみで列車の接近を知らせる装置の無い踏切道
(*2)GPU……リアルタイム画像処理に特化した、単純計算の大量処理を得意とする演算装置
(*3)AIアルゴリズム……「物体検知」と「骨格検知」のAIアルゴリズムは、丸紅ネットワークとTakumiVison社による共同開発
【第1種踏切道:滞留検知画像イメージ】
(画像内の人物は、検証関係者)
【第4種踏切道:滞留検知画像イメージ】
(画像内の人物は、検証関係者)
「骨格検知」は、これまで危険エリアへの人物の侵入検知で培ってきたAIアルゴリズムであり、踏切道での人物の滞留検知に応用した。
この方式は、ディープラーニングによる画像中の関節点抽出、及び各関節点の接続状態推定により、画像内の人物骨格を検知する。関節点間の繋がりの強さも学習対象とすることで、精度良く人物の検出が可能になるという。
【骨格検知 概念図】
同システムの実証実験は、2019年8月から開始し、富士急行の運転指令所において、遠隔から第4種踏切道の横断者状況を正確に把握でき、踏切道の安全性向上に効果があることを実証した。
上述の効果を踏まえ、2020年7月より第1種踏切においても実証実験を開始した。2020年10月からは、隣接する電柱にパトランプを設置し、踏切道内に滞留する人物や物体の検知を電車運転士へ直接注意喚起する実験も行い、さらなる安全性向上へ努めるという。
丸紅ネットワークと富士急行は、2020年度からの本導入を目標に、実証実験をすすめている。
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