【TECHWAVE×eiicon】OLTAと新生銀行、新会社「anew」で「借りない資金調達」を提供
イノベーターやテクノロジーにフォーカスしたニュースメディア「TECHWAVE」とeiiconによるコラボレーション企画がスタート。国内外のオープンイノベーションにまつわるトピックを紹介していきます。
金融ファクタリングサービスを展開するスタートアップOLTAは新生銀行と共同で、オンライン完結型の「クラウドファクタリング」の提供を開始した。
新会社「anew」を共同で設立、資本金はおよそ総額10億円
“ファクタリング”とは売り掛け債権(請求書)を買い取って、その回収を行う金融サービスのこと。
OLTAと新生銀行は2020年1月15日に、総額10億円規模の資金を投入して新会社「anew合同会社」を設立。中小企業の請求書を買い取り、その債権分を即日入金するという。手数料は、審査状況によって変動はあるものの2〜9%の範囲になっている。
「anew」の最大のポイントは、上のスクリーンショットにあるとおり、オンラインのサービスになっているところ。OLTAが得意分野とするAIを活用した審査の仕組みにより、書類提出や面接などの面倒なプロセスを回避し、24時間いつでも利用が可能になっている。
一方の新生銀行は、金融機関としてカバー仕切れない中小企業(SMB)の数百万円から1000万円程度の資金ニーズに対応できるとして、「anew」を資金面で支える体制だ。
中小企業・小規模事業者(SMB)に「借りない資金調達」を提供するOLTA
SMBにとって非常に重要な資金繰り。特に、請求書(売掛債権)は、売り上げが立っているのに現金が入るまで時には何ヶ月もかかることがあり、それが原因で資金ショートに直面する企業は多い。
「OLTA」はそういった短期・少額の資金ニーズに対する調達手段が少ないことが事業成長を阻害する原因であるとして2017年4月に創業されている。
「OLTA」は、AIを使った独自審査モデルを開発しているが、外部のさまざまなデータ・プラットフォーマーから得た定性・定量データによって審査モデルをアップデートし続ける計画。
すでにオービックビジネスコンサルタントの「奉行クラウド」が提供するデータの活用がスタートしているという。
【関連URL】
・anew「クラウドファクタリング」
僕はこう思ったッス by 増田(maskin)真樹 @TechWave
投資ファンドなどの投資余剰額が戦後最高レベルに到達しているとはいえ、全てのSMBがエクイティ投資にフィットした事業が行われているとは言い難い。売掛債権(請求書)の現金化は、融資でも投資でもない、将来現金化される債権の現金化サイクルを早めているに過ぎず「借りない資金調達」として注目を集めそう。
1990年代初頭から記者としてまた起業家として30年以上にわたりIT業界のハードウェアからソフトウェアの事業創出に関わる。シリコンバレーやEU等でのスタートアップを経験。日本ではネットエイジに所属、大手企業の新規事業創出に協力。ブログやSNS、LINEなどの誕生から普及成長までを最前線で見てきた生き字引として注目される。通信キャリアのニュースポータルの創業デスクとして数億PV事業に。世界最大IT系メディア(スペイン)の元日本編集長を経て現在に至る。