【JXTGホールディングス×QunaSys】 量子コンピュータ実応用事例の発掘と社会実装に向け、共同開発を本格化
石油元売り大手のJXTGホールディングス株式会社と、量子コンピュータのアプリケーション開発を行う株式会社QunaSys(キュナシス)は、量子コンピュータ実応用事例の発掘と社会実装に向け、協業を本格化すると発表した。
共同開発本格化の背景
JXTGホールディングスとQunaSysは、昨年度より共同で量子コンピュータの実応用発掘に向けた検討を行ってきた。その結果、JXTGグループの中核事業であるエネルギー、金属、石油開発の領域において、量子コンピュータが十分活用できるものであることが判明したという。
加えて、昨年10月に米Googleが量子超越を達成したことで、ハードウェア開発の見通しが一段と明確になり、世界中で次なるマイルストーンである「世界初の実応用事例の発掘」に向けた研究開発が加速している。
このような状況を踏まえ、JXTGホールディングスとQunaSysは、より包括的な共同研究契約を締結し、グループにおける実応用発掘と社会実装に本格的に取り組んでいくことを決定したという。
アクセラ採択が、共同開発のきっかけに
QunaSysは、JXTGホールディングスが実施する「2018年度アクセラレータープログラム」において採択されたスタートアップ企業だ。同プログラムは、「地球の未来を創るイノベーション」をキーワードに、世界中の人々にまだ体験したことのない未来を届け、笑顔あふれる豊かな世界を実現することをビジョンに掲げている。2018年度は、QunaSysのほか、株式会社チャレナジーやノバルス株式会社、株式会社アグリツリーなど6社を採択し、4件の実証実験(PoC)を行った。
QunaSysはその中の1社で、アクセラレータープログラムを通して、量子コンピュータを利用した「反応経路探索」に取り組み、量子コンピュータの性能をさらに引き出す新規手法の開発も達成したという。(現在特許出願中)。
今後の共同研究においては、最先端のハードウェアを活用し、世界に先駆けた実応用事例の発掘・提案を目指していくと共に、研究開発の現場で活用可能なツールを開発し、JXTGグループ全体の新たな価値創造に貢献することを目指す。
QunaSysの事業領域
QunaSysは、量子コンピュータのアルゴリズム・アプリケーション開発を行っている。量子コンピュータの新しい使い方・アルゴリズムを提案し、それらのアルゴリズムを実際の材料開発に活用するためのソフトウェアの開発などに強みを持つ。また、日本の量子コンピュータ業界のエコシステム形成にも取り組んでいる。
<QunaSysの取り組み>
・量子化学向けアルゴリズムライブラリ「QunaSys Qamuy(キュナシスカムイ)」の開発
・量子技術に関するメディア「Qmedia」の運営
・量子コンピュータ勉強のための無料教材「Quantum Native Dojo」の提供
・量子コンピュータの応用検討コミュニティ「QPARC」の運営(今春より開始)
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(eiicon編集部)