リノベる、施工管理プロセスの遠隔化に向けたPoC(実証実験)開始
テクノロジーを活用したリノベーション・プラットフォーム事業を全国で展開し、国内No.1のワンストップ・リノベーション事業者であるリノべる株式会社は、2020年3月より、リノベーションの施工プロセスにおける遠隔管理のPoC(実証実験、以下 PoC)を開始し、2020年度中の運用開始を目指す。
▲上写真:施工管理業務の遠隔化イメージ
今回のPoCでは、テクノロジーを用いた施工管理業務の遠隔化と業務への影響把握、遠隔管理の実現に必要な諸要件の検証を行う。遠隔化の実装においては、最大5割の関連工数削減を想定しているという。
遠隔管理の実現により、よりタイムリーな現地現物の確認や意思決定を行い、担当者がさらにクリエイティブで生産性の高い業務に時間をあてることで、ユーザーへのサービス提供価値や施工品質を向上させることが可能となる。
背景
1件1件の条件が異なり、既存の躯体を活用して住まいを造るリノベーションの施工では、既存設備の制約やプロセスにおける対応事項が多く、実際の施工現場におけるタイムリーな確認や意思疎通が重要。そのため設計施工担当者は進捗状況や仕様確認のために、現場を訪問する必要がある。これは重要な業務である一方、現場への移動は人的リソースの消費要因ともなり、建築・建設業界の長時間労働や、本来価値を発揮すべきクリエイティブな業務に集中しづらいという課題の大きな要因となっている。
近年、機械学習をはじめとする画像系技術の高まりや、来たる5Gインフラの解放による技術面での発展を見越し、距離の制約を超える遠隔管理分野の機運は高まりをみせている。今回同社が取り組む施工プロセスの遠隔施工管理もまた、場所の制約を超えることで、移動時間や関係者間のコミュニケーションなどにかかる工数の削減が可能という。設計施工担当者をはじめとする関係者がより付加価値の高い業務に集中し、さらにユーザー・社会・産業への提供価値を高められると考えているという。
PoCの内容
今回のPoCでは、MR(複合現実)やAR(拡張現実)など光学技術の活用、遠隔を前提としたコミュニケーションソフトウェアや、モバイルネットワークを介したVoIP(Voice over Internet Protocol)および動画のリアルタイム通信をもとに、当領域の業務への影響と実現手段を検証する。PoCにより抽出された示唆や施策は、プロダクト・業務設計における要件へと転嫁され、次のフェーズである開発・実装のインプットとなる。将来のサービスオープン化も視野に入れ、今回のPoCと研究開発を推進していくという。
遠隔施工管理の実現は、同社だけでなく産業全体の課題を解決する可能性があり、これは同社が企業理念として掲げる「3つの約束」のうち、テクノロジーとアイデアをもって課題を解決することを謳った「産業に対する約束」の具現化の1つでもある。同社は今後も不動産、建築、金融の領域で、テクノロジーの活用とオープン化を推進するとともに、ミッションである「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」の具現化を目指していくという。
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(eiicon編集部)