ストーリーライン×小川珈琲、高品質デカフェの研究開発・事業化に向けてMOUを締結
ストーリーライン株式会社は、小川珈琲株式会社と、高品質デカフェコーヒーの研究開発および将来的な事業化を見据えた業務提携覚書(MOU)を締結した。東北大学との共同研究で開発を進める独自技術を軸に、研究開発から市場性評価までを一体で推進し、製品の完成度と事業性の両立を目指す。
拡大するデカフェ市場と品質課題
近年、健康志向の高まりやライフスタイルの多様化を背景に、デカフェコーヒー市場は国内外で拡大している。カフェイン摂取を控えたいニーズは妊娠中・授乳中の人々にとどまらず、睡眠の質や体調管理を重視する層にも広がっている。
一方で、従来のデカフェ製品は「風味が劣る」というイメージが根強く、高付加価値市場の形成は限定的だった。こうした背景のもと、本提携は“おいしさ”と“機能性”を両立する新たなデカフェの基準づくりを狙う。
独自技術「ZEN Craft Decaf Process™」を核に協業
ストーリーラインは、東北大学との共同研究により、超臨界CO₂流体技術を活用した独自のカフェイン除去技術「ZEN Craft Decaf Process™」を開発している。この技術は、コーヒー本来の香味成分への影響を最小限に抑えつつ、効率的にカフェインを除去できる点が特徴だ。
本提携により両社は、以下の領域で連携を進める。
デカフェコーヒー豆の試作開発と品質・官能評価の共同実施
原材料の提供および共有
市場性および事業化に関する情報交換
特に注目されるのは、研究開発段階から市場性評価までを一体で進める点だ。技術起点に偏りがちなディープテック領域において、早期から顧客価値と事業性を検証することで、実装確度の高いプロダクト開発を実現する。
「おいしいデカフェ」の再定義へ
今回の協業は、単なる技術開発にとどまらない。ストーリーラインが持つ先端技術と、小川珈琲が長年培ってきた品質評価・焙煎・商品開発の知見を掛け合わせることで、「デカフェ=妥協」という従来の認識を覆すことを目指す。
ストーリーライン代表取締役CEOの岩井順子氏は、「研究開発にとどまらず、市場実装までを見据えた重要な一歩」とコメント。一方、小川珈琲の宇田吉範社長も「デカフェでも変わらないおいしさを届けたい」とし、両社の価値観の一致が今回の提携を後押ししたことがうかがえる。
量産化と市場展開を見据えた次のステップ
今後は、本取り組みで得られる検証成果をもとに、量産体制の構築および国内市場での展開可能性を検討していく。将来的には、コーヒー生産国での加工・供給体制の確立や、グローバル市場への展開も視野に入れる。
また、ストーリーラインは実証店舗「CHOOZE COFFEE」において、カフェイン量を選択できるメニューを提供するなど、市場啓蒙にも取り組んできた。今回の提携により、こうした取り組みが製品として結実するフェーズに入る。
デカフェはこれまで「代替品」として語られることが多かった。しかし、本協業が目指すのは、嗜好品としての価値を持つ“新しい選択肢”の創出である。技術と品質の融合によって、コーヒーの楽しみ方そのものを拡張する挑戦が始まる。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)