NTTコミュニケーションズ×東京ロボティクス×NHN テコラス×E-MARK|リアルタイム遠隔制御ロボットの実証実験を開始
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)、東京ロボティクス株式会社(以下 東ロボ)、NHN テコラス株式会社およびE-MARK株式会社は、リアルタイム遠隔制御ロボット(以下 テレプレゼンスロボット)を活用したデータセンターのIT機器運用保守業務に関する実証実験を2023年10月より開始。
同実証ではNHNテコラスが商用環境として利用するデータセンターのIT機器を対象とし、運用保守業務におけるテレプレゼンスロボットの有効性を検証する。
商用環境でIT機器を対象とし、テレプレゼンスロボットを活用した運用保守業務の実証実験を行うのは世界初の取り組み。
1.背景
クラウドサービスやビッグデータ、人工知能、IoTなどのテクノロジーの発展により、データセンターはこれまで以上に社会を支えるインフラとして重要な役割を果たす存在となっている。
データセンターにおける運用保守業務では高品質な保守・点検作業と、故障が発生した際に迅速な復旧作業ができる体制構築が重要。一方で急激な需要増加、運用保守業務に求められる専門知識の高度化に伴い人材確保が困難な状況が課題となっている。
そこでNTT Comと東ロボはエンジニアが遠隔からデータセンター内で保守運用作業を行うことができるテレプレゼンスロボットを開発。テレプレゼンスロボットを活用することで、エンジニアが自宅やオフィスから遠隔地にあるデータセンター内での保守運用作業を行うことが可能となる。高度な専門知識を持ったエンジニアを働く場所、地域の制約なく採用することを可能とすることで、データセンターにおける高品質な運用保守の提供体制構築をめざすという。
2.同実証の概要
NHN テコラスが商用環境で利用しているデータセンターにて、E-MARKが NTT Comと東ロボが開発したテレプレゼンスロボットを用いて保守運用作業の一部を実施。
<同実証の実施期間>
2023年10月〜2024年3月予定
<実施内容>
以下の内容について検証。
(1)故障・トラブル発生時の駆け付け
システムに故障・トラブルが発生した際に、従来の駆けつけに代わり、保守拠点からデータセンターへ配置したテレプレゼンスロボットへアクセスし、遠隔操作することにより一次切り分け業務を実施。また、一次切り分け業務実施時の映像を録画データとしてクラウド上に保管する。
(2)現地作業の事前事後確認
メンテナンス作業実施の前後で行っている確認作業を、テレプレゼンスロボットを用いて行う。
(3)遠隔からのサポート作業
現地作業において、熟練作業者のサポートが急遽必要となった場合に、保守拠点の熟練作業者がテレプレゼンスロボット経由で現地とコミュニケーションを図り、対応の迅速化を実現する。
(4)定期巡回
ロボットへの巡回予約設定により、早朝、夜間帯などに自動で監視対象の機器を確認。
3.テレプレゼンスロボットの概要
主な機能:搭載カメラによるサーバーの状態監視機能
ロボットアームによる撮影位置・角度の調整機能
地図機能と連携した自律移動
アイルコンテインメント入出口開閉機能
自動巡回機能
遠隔操作に必要なセキュアな通信機能
オペレータ用操作に特化したGUI
<テレプレゼンスロボット、操作画面 イメージ>
<運用保守業務中のテレプレゼンスロボット イメージ>
4.各社の役割
NTT Com
・同実証の全体統括
・テレプレゼンスロボットを活用した運用保守ソリューションの提供とビジネスモデルの構築
・通信環境配備などの支援
東ロボ
・テレプレゼンスロボットの開発
・テレプレゼンスロボット操作用ソフトウェアの開発
NHN テコラス
・実証フィールドの提供
・テレプレゼンスロボットを活用した運用保守ソリューションのユーザビリティに関するアドバイス
・テレプレゼンスロボットを活用した運用保守ソリューションの評価
E-MARK
・ロボットオペレーターの育成、提供
・データセンターオペレーションの業務整理
・ロボット操作ソフトウェアのユーザビリティ評価
5.今後の展開
今後はNTTグループで提供するIOWN構想のオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を活用し、より低遅延なネットワーク環境を活かした遠隔からの操作性向上と機能の拡充を実現する。
また、NTT Comは、同実証の成果をもとに、テレプレゼンスロボットを活用したデータセンターの運用保守サービスの提供をめざしていくという。
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