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応用地質×千葉県市川市 | 「冠水情報管理システム」と「土砂ハザードモニタリングシステム」の実証実験を開始

応用地質×千葉県市川市 | 「冠水情報管理システム」と「土砂ハザードモニタリングシステム」の実証実験を開始

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応用地質株式会社は、千葉県市川市と「大雨等に伴う浸水対策の強化」として令和3年度に市川市内に設置された「冠水センサ」と「斜面変動監視センサ」のさらなる利活用に向け、実証実験の合意文書を取り交わし、実証実験を開始したと発表した。

本実証実験の目的は、応用地質が開発する「冠水情報管理システム」と「土砂ハザードモニタリングシステム」を実際の災害対応業務の中で試用することを通じ、市川市における情報システムを活用した新たな災害対応フローの検討、課題抽出の一助とするとともに、応用地質が開発するシステムの改善及び強化を行うことだという。

 

取り組みの背景

 気候変動等の影響により、大型台風や局地的豪雨の発生回数は全国で増加傾向にあり、市川市においても大雨等による浸水被害、土砂災害への対策強化は喫緊の課題だ。市川市では、IoT 機器等を活用することにより、豪雨に伴う道路の冠水や崖地の異常を遠隔地からリアルタイムに検知し、迅速な災害対応を実施すべく、令和3年度に「道路冠水対策」として市内の道路冠水常襲箇所(13箇所)に冠水センサを、また「崖地監視対策」として市内危険崖地箇所(4箇所)に斜面変動監視センサを設置した。この冠水センサと斜面変動監視センサは応用地質の「冠すいっち」と「クリノポール」が採用され、既に運用が開始されているという。

▼センサモニタリング画面イメージ 背景地図:国土地理院の電子地形図(淡色地図)


「冠水情報管理システム」実証実験の概要

道路冠水は、センサによってリアルタイムに検知し、初動の迅速化を図ることができる一方、その後の通行規制等の対策状況や、道路周辺の家屋・店舗の浸水状況等の情報共有・管理も重要であり、これら後継活動も含めた災害対応フロー全体の連携が不可欠となる。また、一連の防災、危機管理活動の履歴情報は、蓄積・管理することで、今後の災害対策立案等に有効活用することも可能となる。

応用地質では、自治体におけるこれらの災害対応フローをデジタル化し、共有・蓄積・管理・活用をスムーズに連携させ、道路冠水を含む様々なハザードに対する危機管理の統合プラットフォームを開発中だ。今回の市川市における実証実験では、このプラットフォームを実際の行政の管理業務の中で試験的に使用することで、自治体の災害対応フローへのフィッティング、機能改善・強化を行っていくという。

▼冠水情報管理システム画面イメージ 背景地図:国土地理院の電子地形図(淡色地図)


「土砂ハザードモニタリングシステム」実証実験の概要

応用地質が参画するSIP(※1)において実績のある「土砂ハザードモニタリングシステム」を試験導入し、土砂災害に対する災害対応フローへのフィッティング、機能改善・強化を行う。この「土砂ハザードモニタリングシステム」は、以下の3つの機能を連動させたもので、現在SIPとして7自治体で実運用による実証実験を展開中だ。

(1) 崩壊危険箇所の抽出

AI崩壊危険箇所スクリーニング(経験豊富な地質技術者の知見やノウハウを学習させたAIにより、地形及び地質等から短時間で崩壊危険箇所を抽出する仕組み)の結果に、土砂災害警戒区域情報等を加味して崩壊切迫性判断の対象となる崩壊危険箇所を抽出する。

(2)崩壊切迫性判断

個々の崩壊危険箇所に対して、雨量・土壌雨量指数・斜面変動監視センサ(クリノポール)から得られるデータ等から総合判断し危険度を判定する。

(3)崩壊影響範囲判定

崩壊危険箇所からの傾斜角・傾斜方向・集水域や水涯線の有無を考慮し、崩壊時の影響範囲とその危険度を評価する。

▼土砂ハザードモニタリングシステム画面イメージ 背景地図:国土地理院の電子地形図(淡色地図)


※1:内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)第2期。12の分野からなり、さらにそれぞれに分野で複数のテーマが進行中。応用地質は「国家レジリエンス(防災・減災)の強化-テーマVII 市町村災害対応統合システムの開発」に、九州大学、河川情報センター、防災科研等と共に参画し、土砂ハザード評価の研究開発を担当中。

※関連リンク:プレスリリース

TOMORUBA編集部

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