メドピア×PKSHA | 製薬企業に特化したアルゴリズムソリューションを展開する合弁会社の設立を合意
メドピア株式会社(以下同社)は、株式会社PKSHA Technologyと合弁会社「メドクロス株式会社」の設立に関する契約を2020年10月28日に締結した。合弁会社では同社が保有するデータベースやPKSHAのアルゴリズム技術など、デジタルを起点とした両社の強みを掛け合わせ、製薬企業や医療機器メーカーなどに対し課題解決およびマーケティング成果の最大化を図るべく、サポートを行っていく。
合弁会社設立の背景・目的
PKSHAは、「アルゴリズムサプライヤー」として自社開発した機械学習/深層学習領域のアルゴリズムを用い、既存のソフトウェアや各種ハードウェア端末向けのソリューションを提供している。アルゴリズムを軸に近未来のデジタル情報社会に対し価値を創造すべく、様々な企業・サービスと積極的に連携し事業を展開している。
同社は “Supporting Doctors, Helping Patients.”をミッションに、医師12万人(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を中心に事業を展開し、薬剤や症例相談など、多様なテーマで医師同士が経験・知見を共有する場を提供している。中でも医師同士で薬剤の処方実感を共有する「薬剤評価掲示板」では、口コミ数が累計60万件以上となるなど全国の医師によるナレッジをデータとして保有している。
また、同社子会社である株式会社Mediplatがスギ薬局との共同事業として展開する歩数記録アプリ「スギサポwalk」が、100万ダウンロードを突破するとともに、一日あたりのアプリ起動回数が約3回※とアクティビティの高いサービスに成長している。さらに、2020年9月より新たに搭載した「ミッション機能」では、ちょっとしたクイズなどエンターテイメント性の高いコンテンツに加え、生活者の健康増進につながるミッションの提示や、ヘルスケアに関する簡単なリサーチをゲーミフィケーションをベースに展開するなど、生活者のヘルスケアに関するアクションデータを蓄積している。
※1日平均起動回数
昨今、COVID-19の影響で、MRが医師を直接訪問するという従来の営業活動が変容してきている。また、医師、一人一人に快適なコミュニケーションチャンネルの選択やパーソナライズされたコンテンツの提供が求められているが、現存のサービスでは十分に対応できていないのが実情だという。
今回、新たに設立する合弁会社では、メドピアグループが保有する医師や生活者のデータベースとPKSHAが有する技術力という両社の強みを掛け合わせ、製薬企業や医療機器メーカーなどのより効率的かつ効果的な課題解決やマーケティングを実施可能にすべく、プロダクトの開発や「医師コミュニケーションデータ」と「患者コミュニケーションデータ」双方のデータ解析を基盤としたコンサルティングなどを提供していくという。
MRのコミュニケーションツールやマーケティング戦略策定のニーズが拡大し、製薬業界などにおいてもデジタルシフトが加速していくことが予想されるというが、同社とPKSHA、両社の協力体制のもと、医療関連企業におけるデジタルトランスフォーメーションの牽引と市場の活性化を図っていくという。
設立合弁会社の概要
(1) 合弁会社の概要
会社名:メドクロス株式会社
所在地:東京都中央区銀座6-18-2 野村不動産銀座ビル11階
設立:2020年11月(予定)
代表者:代表取締役 七久保 卓郎
資本金:10百万円(資本準備金含む)
出資比率:メドピア 51%、PKSHA 49%
(2) 主な事業内容
①医師コミュニケーションデータを活用したアルゴリズムソリューションの提供
同社のドクタープラットフォームから得られるデータとPKSHAのアルゴリズム技術を活用し、医師の薬剤選定における思考法や優先度の分析、製薬企業における売上予測などを進め企業のマーケティング活動の実践を支援。
②患者コミュニケーションデータを活用したアルゴリズムソリューションの提供
同社のライフログやヘルスケアデータベースとPKSHAのアルゴリズム技術を活用し、各患者のペイシェント・ジャーニー(Patient Journey)※の作成などを通し、効果的なマーケティングやソリューションを提案。
※患者が疾患や症状を認識し、最終的に病院での受診や服薬など、治療するまでの患者の「行動」、「思考」、「感情」などの一連の行動を可視化したもの。なお、上記事業は、2020年11月頃からのサービスの開始を予定している。
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