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修善寺を実証実験の場に! ―森トラストアクセラレーター説明会―

修善寺を実証実験の場に! ―森トラストアクセラレーター説明会―

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不動産開発などを展開する森トラストは同社初となるアクセラレータプログラム「Future Accelerate Program」を開催する。同プログラムは静岡県伊豆市のリゾートホテル「ラフォーレ修善寺」を舞台に実証実験が行われることが大きな目玉となる。

(▲上記画像は「ラフォーレリゾート修善寺」俯瞰図/Future Accelerate ProgramのWebページより抜粋)

これに先立ち11月13日、コワーキングスペースdock-Toranomon(東京都港区)で説明会が実施され、プログラムの概要をはじめ、スケジュール、選考のポイントなどが伝えられた。司会は、プログラムをサポートする、VCのスパイラルベンチャーズの岡洋氏が務め、「リゾート施設を対象に実証実験をできるのは、他に聞いたことがない。世界初となるのではないか」と強調した。

テーマはクリエイティブリゾート、次世代型リゾートの創出を目指す。

冒頭、森トラストの専務取締役の高橋信氏が挨拶した。Creative the Futureを掲げる同社は、中長期ビジョンで200億円の投資を実施するイノベーション戦略を計画。AIやIoTなどを活用した新たなライフスタイル、多様な働き方の創出を目指している。

現在までに、先進的なベンチャー企業への出資、協業、VCへの出資、コミュニティスペースの企画運営などを推進させてきた。こうした中にあり、同プログラムは社長の肝入りと伝えられ、スタートアップとの共創によるイノベーション創出を志している。

テーマは「creative resort修善寺を実現させること」とし、次世代型のリゾートの創造が狙いだ。その一環として、「研修や開発、合宿を行うイノベーティブ企業に対し、クリエイティビティを創出するリゾートイノベーションを推進したい」と意気込みを示した。ラフォーレ修善寺は同社のホテル事業の創業地であり、「新事業を象徴するイノベーティブな土地」と語り、プログラム成功へ思いを馳せた。

引き続き、取締役で不動産開発本部を担当する増永義彦氏より、ホテル事業を中心に事業内容、会社概要が伝えられた。

同社はオフィスビルを展開しており、全体の85%が都心に集中している。近年は地方にも目を向け、伊良部島、瀬底島、白馬、奈良などで活発にホテルの新設やリノベーションを進めている。都心や地方でのホテルを通じ「日本の特徴や文化を世界に発信していきたい」と話した。増永氏は「当社は開発や運営の手法をスピード感を持って変更している。プログラムではいい案を随時、採用していく方針」と締めくくった。

人の集まる場所の未来を、共に創造。

プログラムの概要はイノベーション戦略室の木原圭一氏が伝えた。木原氏は「人の集まる場所の未来を共に創造し、誰も体験したことのない未来の風景をもたらしたい」と意気込みを語った。同社ではこれまでオフィス事業で「快適、洗練、多様、交流」をキーワードとしてイノベーションの取り組みを行ってきた。今回、オフィス事業とホテル事業を有機的に組み合わせるという。

舞台となるラフォーレリゾート修善寺は約50万坪の広大な敷地を有する。目指しているのは次の二つ。一つは「施設内のコテージを『クリエイティブコテージ』へと改修し、施設全体のシンボル的存在へ昇華」させること。木原氏は「合宿や研修を行うとしたら、どのような空間であれば集中でき、どのようなサービスがあれば利用したくなるのか。また、どうすればコミュニケーションが活発化するのかなどを楽しく想像しながら応募してほしい」と伝えた。

もう一つは「旅前・旅中・旅後の体験を含めた総合リゾート全体サービスを発展させること」。コテージのスマートルーム化や施設内の移動手段はもちろん、東京等からのアクセスに便利なライドシェア、滞在中のシェアサイクルなどのサービス、子供たちがプログラミングを学べるサービスの提案などを求めている。

担当者と打ち合わせをする、ブラッシュアップ期間を設置。

募集分野は「スマートルーム」「モビリティ」「決済、仮想通貨、マーケティング」「ウェルネス」「スポーツ」「エンターテイメント・教育」の6つ。2019年夏に開業を目指すコテージ改修計画と進行を合わせる関係上、対象を法人登記が完了しプロダクト・サービスのプロトタイプが完了している企業か、またはサービスの目途が立っている企業とした。なお、スタートアップを対象とするが、規模の大小は問わず、一定の規模を持つ企業からの応募も歓迎する。

スケジュールなどについては、スパイラルベンチャーズの岡氏が説明した。選考は一次選考(書類審査)二次選考(面談)と進む。それぞれ20社程度、6社程度が通過となり、その後、「約1カ月のブラッシュアップ期間」が設けられる。同期間では、森トラストの担当者たちと議論を行い、実施可能かどうかの検証などがされる「互いの強みを発揮される重要な期間」。岡氏は「二次審査が終わった段階でプログラムがスタートしていると考えてほしい」と伝えた。

同期間は2019年2月になるので、それまでに、プロジェクトを推進する人材を社内でアサインする必要がある。デモデイは3月に行われ、続いて、テストマーケティングが実施される。テストマーケティングでは実際の宿泊者の方に、プロダクトやサービスが使われる。

審査の基準には「新規性」「創造性」「親和性」「収益性」「実現可能性」が挙げられた。応募時のポイントとして、わかりやすいサービス名とサービス内容を一言(30字以内)で簡潔に伝えること、また、「人、もの、お金、情報の流れ」の図説も求められるが、これも非常に重要だと伝えられた。なお、応募の締め切りは11月30日。「締め切り間近だが、ぜひ応募してほしい」と参加を呼び掛けた。

取材後記

森トラストの「Future Accelerate Program」は、実証実験がリゾート施設「ラフォーレ修善寺」で行われる。プログラム中には、プロダクトやサービスが利用者に実際に使われるという、非常に珍しい特徴がある。そうした機会はなかなか持つことができない。施設を有する同社ならではプログラムということができるだろう。プロダクトやサービスを試してみたいスタートアップには絶好で、またとないチャンスだ。応募の締め切りは迫っているが、まだ十分に間に合う。少しでも興味があれば、まずはご応募いただきたい。

※「Future Accelerate Program」についての詳細情報はこちらをご覧ください。

(構成:眞田幸剛、取材・文:中谷藤士、撮影:古林洋平)

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