AI越境ECのSAZO、メルカリと韓国市場で協業開始 API連携と現地マーケティングで「日本の良品」を韓国へ届ける
株式会社SAZOは2025年11月20日、株式会社メルカリと韓国市場における越境販売の協業を開始したと発表した。本取り組みにより、フリマアプリ「メルカリ」に出品された日本国内の商品が、韓国ユーザーに向けてスムーズに購入・配送される仕組みが整備される。
越境EC市場の拡大と課題、SAZOとメルカリが挑む領域
世界の越境EC市場は急拡大を続けており、経済産業省の調査によると、2024年時点で市場規模は1.01兆ドル、2034年には6.72兆ドルへ成長する見込みだ。一方で、海外展開には言語・決済・物流・顧客対応・マーケティングなど多層的な障壁が存在する。
メルカリは2019年より越境取引を開始し、グローバル市場への展開を進めているが、特に韓国市場ではEC文化の成熟や日本製品への需要の高さから、販売拡大の大きな機会があると見られている。
そこで、すでに韓国で越境EC事業を展開し、独自のAI・決済基盤・物流ネットワーク・CS体制を持つSAZOがメルカリを全面支援する形で協業が実現した。
API連携・マーケティング・現地サポートの三位一体で流通を最適化
本協業では、以下の三点が提供される。
① API連携による購買体験の自動化
SAZOのシステムとメルカリをAPI連携し、決済・在庫管理・配送状況をリアルタイムで処理。
韓国ユーザーは「SAZO」上で商品を選び、国内ECと同じUXで購入できる。
② 韓国市場向けマーケティング支援
SAZOは韓国ユーザーの行動特性に基づき、以下のプロモーション施策を実施:
初回購入クーポン
既存顧客向けリピート促進施策
購入金額連動クーポン
カテゴリ別プロモーション
(※2025年10月に試験導入済)
③ 韓国現地サポートとインサイト収集
ソウルに設置されたカスタマーサポート拠点で、韓国語ネイティブが対応。 ユーザーの声や販売データを分析し、「売れる商品カテゴリ」「購入に至らない理由」「トレンド」を日本企業へフィードバックする。
韓国ユーザーは「SAZO」上でメルカリ商品を検索 し、購入。その後、SAZOが代理でメルカリ上の商品を購入し、国内拠点を経由して配送する構造。この仕組みは出品者側の作業を変えずに販路だけが海外へ拡張される点が大きな特徴だ。
SAZOは「欲しいURLを貼るだけで、海外の商品が買える世界」を掲げ、AIによる価格計算・為替反映・関税推定・物流最適化を実装。韓国だけでなく、今後さらなる国・地域への拡大も視野に入れる。
今回の協業は、単なる販売支援ではなく、日本の二次流通市場をグローバルへ接続する新しいインフラづくりだ。越境ECが日常化する未来へ向け、SAZOとメルカリの挑戦は続く。
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(TOMORUBA編集部)