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アークエッジ・スペース、超小型衛星「AE1c」でPale Blueの水蒸気式推進機を実証――スタートアップ同士の共創が実を結ぶ

アークエッジ・スペース、超小型衛星「AE1c」でPale Blueの水蒸気式推進機を実証――スタートアップ同士の共創が実を結ぶ

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2025年6月11日、超小型の人工衛星を開発する株式会社アークエッジ・スペースは、自社開発の超小型衛星「AE1c」によるホステッドペイロードの軌道上運用を完了し、所定のミッションをすべて達成したと発表した。今回の成功は、同社が提供するホステッドペイロードサービスにおける運用実績を大きく前進させるものであり、顧客の多様なニーズに対応する技術的基盤を強化する重要な成果となった。

ホステッドペイロードとは?宇宙利用のハードルを下げる仕組み

ホステッドペイロードサービスは、顧客が開発した推進機やセンサーなどの機器を、アークエッジ・スペースが開発・運用する衛星に搭載し、宇宙空間での技術実証の場を提供するものだ。これにより、顧客は自ら衛星を打ち上げ・運用する負担を大幅に軽減でき、よりスピーディかつ低コストで宇宙環境下での試験が可能になる。宇宙産業の裾野を広げる新たなインフラとして注目を集めている。

Pale Blue製「PBR-10」を搭載、データ取得と健全性確認に成功

今回のミッションでは、千葉県柏市のスタートアップ・Pale Blueが開発した水蒸気式の超小型推進機「PBR-10」がホステッドペイロードとして搭載された。アークエッジ・スペースは、衛星バスの開発からミッション運用計画の策定、実際の運用支援まで一貫して担った。衛星・推進機ともに正常に作動し、軌道上でのデータ取得やシステム健全性の確認といった目的をすべて達成している。

経産省・NEDOの支援で推進、標準衛星バスの実証も

本プロジェクトは、2021年度に経済産業省の支援対象事業としてスタート。2023年度以降はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業」の一環として推進されている。アークエッジ・スペースは、6Uサイズの標準汎用バスの開発とその量産・運用システムの実証を通じ、迅速かつ効率的な超小型衛星コンステレーションの構築を目指している。

代表取締役CEOの福代孝良氏は、今回の成果について「Pale Blue様のPBR-10の運用をご支援できたことを大変嬉しく思います。今後もホステッドペイロードサービスを通じて、世界中のお客様の軌道上実証・運用を支えていきます」とコメントを寄せた。

アークエッジ・スペース、次の目標は「より柔軟な宇宙インフラ構築」

2018年設立のアークエッジ・スペースは、地球観測や光通信、低軌道衛星測位、さらには月面活動や深宇宙探査といった多様なミッションを視野に入れた宇宙スタートアップ企業だ。今回の成果は、単なる一衛星の運用成功にとどまらず、宇宙をより「使える場」に変えるインフラ整備の一環である。同社は、今後もホステッドペイロードをはじめとした柔軟な宇宙利用モデルの普及を通じて、安全で豊かな未来の実現に貢献していくとしている。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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