JAL×KDDI ｜ ドローンの社会インフラ化に向けて協業

ミューラルアートの「WALL SHARE」×JR東日本スタートアップ｜沿線の空き壁を活用したアートプロジェクトを開始

培養フォアグラ、CO2相殺アプリ。気候変動対策に挑むユニークなEUテック企業10社を紹介

成長スピードが課題。太陽光・風力発電の効果を最大化する「蓄電池」の現状とは

Now You See株式会

川嵜駿人｜Now You See株式会社 代表

日本航空株式会社(以下 JAL)、KDDI株式会社は2022年2月15日に、ドローンの社会インフラ化に向け、運航管理の体制構築やビジネスモデルの共同検討に関する基本合意書を締結した。 2022年度の法施行が予定されている「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」の解禁をきっかけに、ドローンは新しい空のインフラとして物流・点検・災害対応などのさまざまな分野で、企業や自治体による活用が期待されている。 同提携で両社は、JALの航空安全技術・知見をKDDIの<a href="https://smartdrone.kddi.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">運航管理システム</a>に活用し、デジタル社会への変革を推進していく。これにより、ドローンの社会インフラ化に貢献し、新型コロナウイルス感染症で急務となったデジタル社会への変革を推進していくほか、人口減少・高齢化が加速する地域の活性化や、日々の暮らしを豊かにする新たなサービスの創出に寄与していくという。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3299/upload/dLu6rfbIGOWAj_uXsE3pKA.webp" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> <h2>同提携の概要</h2>■全国各地で展開される複数のドローンを統合的に運航管理する体制の構築KDDIが開発した複数ドローン事業者の運航管理を行うシステムに、JALが培ってきた空の移動に関わる安全管理を含む運航管理といった航空運送事業の技術・知見を組み合わせることで、全国各地で展開される複数のドローンが飛び交う上空で衝突回避などの運航管理業務を行う体制を構築。また、ドローンの産業振興に必要な制度化、ガイドライン作りに貢献。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3299/upload/MYvvGGePysZ-WlrIWaopWQ.webp" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> ■企業・自治体向けドローン活用支援のビジネスモデル検討ドローンを活用したい企業や自治体向けに、コンサルティングやリソース提供を行うビジネスモデルの検討。2022年度内には、離島地域において小型・大型ドローンで物品を輸送するほか、 さまざまニーズに応えるべく実証を行い、実証をもとにドローン活用ビジネスを構築する。両社は、ドローンの自動・自律化、高密度・高頻度運航に向け、複数ドローンの同時実証実験、兵庫県での医薬品配送、東京都内で初めての複数の大橋をドローンで横断する実証実験を行い、知見と経験を蓄積してきた。今後も、運航管理を核に、企業や自治体によるドローンサービスを支援し、ドローンの社会インフラ化により都市や地方における「ヒト・モノ・コト」の距離を縮め、豊かでサステナブルな社会の創造を目指すという。 関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000635.000030684.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">プレスリリース</a>　（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">TOMORUBA編集部</a>）

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株式会社アドバンス 星野太郎

柏野宏輔

富田直

眞田 幸剛

JR東日本のグループ会社でベンチャーへの出資や協業を推進するJR東日本スタートアップ株式会社は、ミューラルアートに特化した事業プロデュース会社であるWALL SHARE株式会社と協業し、５月末までJR東日本横浜、大宮支社管内の神奈川・埼玉エリアの８箇所で、JR沿線の空き壁を活用したミューラルアートによる地域活性化を目指した実証実験を実施する。また、これに合わせ、横浜駅にてミューラルワンラインギャラリーも同時開催。本実証実験を通して、JR沿線の空き壁を有効活用しながら、エリアを超えて広く鉄道沿線をミューラルアートで彩っていくことで、沿線活性化を図り、地域との継続的な関係を構築するという。 <img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3300/upload/MrgED6P8wgeF-_JkGUamiA.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> <h2>ミューラルワンラインとは</h2>大宮駅から横浜駅までの鉄道沿線をミューラルアート（壁画）で彩るミューラルアートプロジェクトだ。ミューラルアートは海外ではまちづくりにおいて活躍をしているケースが多いが、日本ではまだ発展途上の段階にある。そのような中で、本プロジェクトでは『壁に絵を描く』ことに拘りを持った日本のミューラルアートシーンで活躍するアーティストが『子どもから大人まで心穏やかに落ち着けて未来に希望を持てるアート』をテーマに描き、アートをもっと身近に地域に根付いたものにしていく。まちや駅などの誰にとっても身近な公共空間そのものに存在するミューラルアートならではのエネルギーを、行き交う人たちに体感していくことが狙いだ。 <h2>実証実験概要</h2>■実施期間：2022年2月上旬より順次製作開始～2022年5月末（予定）■実施エリア：JR東日本　埼玉、横浜エリア■WEBサイト：<a href="https://www.wallshare-inc.com/muraloneline" target="_blank">https://www.wallshare-inc.com/muraloneline</a>■協賛企業：合同会社Endian（リラクゼーションドリンク CHILL OUT）■場所：JR沿線の空き壁にミューラルアート8作品を展示する。① &nbsp;大宮駅　埼京線ホーム21番線（東京方）　1箇所② &nbsp;与野本町駅　1階東口　1箇所③ &nbsp;武蔵浦和駅　1階東側 新宿方2箇所、大宮方　計３箇所④ &nbsp;横浜駅高架下　第一高島架道橋2箇所、第二高島架道橋　計３箇所■アーティスト：FATE , imaone , keeenue , KOMESENNIN , MOTAS , PHIL , SUIKO , TakahashiYohei＊アルファベット順<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3300/upload/m7K0cyBNkz26-4Olk7gKuw.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> <img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3300/upload/71BVeEHr7oWuanfz16P2XQ.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> <img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3300/upload/WzR2A9ReVkSouyjTTdoTYg.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> <h2>「ミューラルワンライン」ギャラリー</h2>本実証実験の開始に合わせ、横浜駅にてミューラルワンラインギャラリーを開催する。各拠点のミューラルアートを展示し、プロジェクト概要について発信する。 ■開催日時：2022年2月21日（月）～ ■開催場所：横浜駅　中央通路改札外イベントスペース（YOKOHAMA SEEDS）<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3300/upload/pef93I_-Y_uKvzlQJsus7Q.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> <h2>「ミューラルワンライン」スポットツアー施策</h2>本実証実験の開始に合わせ、地域の魅力を案内、12言語対応のデジタル観光ツアーアプリ「スポットツアー」内において、JR東日本沿線の回遊を促す期間限定の企画「ミューラルワンライン」を実施する。（詳細は後日、WEBサイトにて発表予定） <h2>JR東日本スタートアッププログラムとは</h2>ベンチャー企業や様々なアイデアを有する人たちから、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラムだ。2017年度に初めて開催し、これまでに計94件の提案を採択。鉄道事業やIT事業など幅広い分野の実証実験を行い、一部の取組みは実用化にいたった。なお、内閣府主催の2018年度第1回日本オープンイノベーション大賞において、経済産業大臣賞を受賞、2020年度第3回同賞において、環境大臣賞を受賞している。 ※関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000034286.html" target="_blank">プレスリリース</a>　（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank">TOMORUBA編集部</a>）

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石川康晴

青山清利　株式会社a-sense創業者

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川島大倫

中橋 圭輔

中橋圭輔

世界のスタートアップが取り組むイノベーションのシーズを紹介する連載企画。

Global Innovation Seeds

パリ協定で定められた「世界の気温上昇を産業革命前に比べ1.5度までに抑える」を達成するための指標として、先進国では「2050年までにCO2排出量をゼロにする」ことが目標になっています。これがいわゆるカーボンニュートラルですが、日本でも段階的な目標として2030年までにCO2排出量を46％削減することを目指しています。TOMORUBAの連載「カーボンニュートラル達成への道」では、各業界がどのように脱炭素に向けた取り組みをしているのか追いかけていきます。 今回取り上げるのは「蓄電池」についてです。私たちが日常的に利用しているスマートフォンやパソコンにも用いられている蓄電池は、身近な存在ですがカーボンニュートラルの文脈から語られることはまだまだ少ないのが現状です。実際、蓄電池がカーボンニュートラルに貢献するには高いハードルがありますが、いくつかのイノベーションによって期待される技術が生まれてきています。 <h2>カーボンニュートラルの再エネ成長戦略の軸となる蓄電池</h2>2050年にカーボンニュートラルを実現するには、電力部門と非電力部門の脱炭素化は大前提となります。そして電力部門が脱炭素化するにあたって、もっとも成長が必要になるカテゴリが再生エネルギーです。経済産業省のまとめた<a href="https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012-1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略</a>には、再エネについて「最大限導入。系統整備、コスト低減、周辺環境との調和、蓄電池活用。洋上風力・蓄電池産業を成長分野に」と書かれており、蓄電池は洋上風力と並んで注力する技術と位置付けられています。参照：<a href="https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012-1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2050年カーボンニュートラルに伴う グリーン成長戦略</a> <h2>蓄電できれば太陽光発電や風力発電が活きる</h2>再生可能エネルギーの中でも、太陽光発電や風力発電は（適した土地があれば）導入しやすく、コストも下がってきておりカーボンニュートラル達成の要となる技術です。しかし、太陽光発電や風力発電の弱点は発電量のコントロールがしにくいことです。発電量は季節や天候に左右されるため、電力の需要に応じて供給することが難しいというデメリットがあります。そこで、余った電力を貯めておく蓄電池に期待が集まっています。 <h2>“3倍成長”するも、性能の成長スピードが課題</h2>蓄電池は年々成長を遂げています。蓄電池の性能をはかる指標のひとつに堆積エネルギー密度がありますが、例えばスマートフォンやパソコン、電気自動車などに使われているリチウムイオン電池は、商品化されてから20年で約3倍に成長しています。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3301/upload/hRumPSmljdDixUIFx1pHQQ.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> 引用：<a href="https://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2013/201310tokusyu2.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">リチウムイオン電池総論</a> それに対して、半導体の性能の成長スピードは「18ヶ月で2倍になる」と言われており（ムーアの法則）、実際はその通りとは言えないもののリチウムイオン電池とは比較にならない速さで成長しています。蓄電池業界は成長しているものの、イノベーティブな推移ではないことが課題となっています。 <h2>電力の長期保存や短時間での蓄電が課題</h2>現状の蓄電池のスペックだと、街ひとつの電力を蓄電池でまかなおうとした場合に足りない可能性があります。地域によっては、風も吹かず日照時間も短い季節がありますが、そのような街を蓄電池でまかなうならば、大量の電力を長期間保存する必要があります。同様に、短時間で蓄電をしなければならないケースもあるため、実用化を進めて普及させるには今よりも蓄電池のスペックを上げておかねばなりません。 <h2>次世代型蓄電池として期待される「レドックスフロー電池」と「グリッドスケール蓄電池」</h2>次世代の蓄電池として期待されるのが「レドックスフロー電池」と「グリッドスケール蓄電池」です。レドックスフロー電池は、ふたつのタンクに異なる液体を蓄えておき、ポンプで循環させることで蓄電するものです。電極や電解液の劣化がほとんどなく長寿命であり、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性が高いといった特徴があります。レドックスフロー電池の市場規模は2026年に4億8,900万米ドルに到達すると見込まれています。参照：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000865.000071640.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">フロー電池の市場規模、2026年に4億8900万米ドル到達予測</a> また、グリッドスケール電池は、スマートフォンやパソコンなどの小型バッテリーとはことなり、文字通り電力網の用に供する大規模容量の蓄電池です。グリッドスケール蓄電池の市場規模は、2025年には37億8,000万米ドルまで成長すると予測されています。参照：<a href="https://www.gii.co.jp/report/infi1043375-global-grid-scale-battery-market.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">グリッドスケールバッテリーの世界市場（2021年～2025年）</a> <h2>【編集後記】レジリエンス、EV、ドローンなど多数の用途</h2>蓄電池には用途がたくさんあります。本文でも述べたように街の電源を蓄電池でまかなえるとしたら、災害時にも活用でき電力レジリエンスにも貢献できるはずです。さらに今後はEVやドローンが高性能化していくことは明白ですから、蓄電池のスペックがボトルネックになってしまうのはもったいないことです。次世代の蓄電池がイノベーションにつながることを期待しています。（TOMORUBA編集部 久野太一）<hr>■連載一覧第1回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2955" target="_blank" rel="noopener noreferrer">地球の持続可能性を占うカーボンニュートラル達成への道。各国の目標や関連分野などの基礎知識</a>第2回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2972" target="_blank" rel="noopener noreferrer">カーボンニュートラルに「全力チャレンジ」する自動車業界のマイルストーンとイノベーションの種</a>第3回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3053" target="_blank" rel="noopener noreferrer">もう改善余地がない？カーボンニュートラル達成のために産業部門に課された高いハードルとは</a>第4回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3091" target="_blank" rel="noopener noreferrer">カーボンニュートラル実現のために、家庭や業務はどう変わる？キーワードは省エネ・エネルギー転換・データ駆動型社会</a>第5回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3146" target="_blank" rel="noopener noreferrer">圧倒的なCO2排出量かつ電力構成比トップの火力発電。カーボンニュートラルに向けた戦略とは</a>第6回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3202" target="_blank" rel="noopener noreferrer">カーボンニュートラルに向けた原子力をめぐる政策と、日本独自の事情を加味した落とし所とは</a>第7回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3215" target="_blank" rel="noopener noreferrer">カーボンニュートラルに欠かせない再生可能エネルギー。国内で主軸になる二つの発電方法</a>第8回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3233" target="_blank" rel="noopener noreferrer">必ずCO2を排出してしまうコンクリート・セメントを代替する「カーボンネガティブコンクリート」とは？</a>第9回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3246" target="_blank" rel="noopener noreferrer">ポテンシャルの高い洋上風力発電がヨーロッパで主流でも日本で出遅れている理由は？</a>

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後藤繁樹

川嵜駿人｜Now You See株式会社 代表

川嵜駿人｜Now You See株式会社代表