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AIソリューション開発を手がける「HACARUS」、累計13億円の資金調達を実施、創薬支援などを強化

AIソリューション開発を手がける「HACARUS」、累計13億円の資金調達を実施、創薬支援などを強化

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医療分野・産業分野でのAIソリューション開発を手がける株式会社HACARUS(ハカルス)は、第三者割当増資により資金調達を実施したと発表した。今回の資金調達は、2020年4月に実施したシリーズBと同じラウンドで、これにより同社の累積資金調達額は約13億円になる。


第三者割当増資の引受先

第三者割当増資の引受先は、以下のとおりだ。

■株式会社MTG Ventures

■りそなキャピタル6号投資事業組合

■大原薬品工業株式会社(★)

■みやこキャピタル株式会社(★)

■株式会社PARKINSON Laboratories

■中信ベンチャーキャピタル株式会社(★)

また、今回の資金調達にあわせて、株式会社京都銀行、株式会社日本政策金融公庫からの融資も実施している。

※ (★)は既存株主による追加出資

今回調達した資金の使途

今回調達した資金をもとに、以下の3点を強化する。

(1)マテリアルズ・インフォマティクス(MI)および創薬支援のR&D強化

(2)大手企業との共同事業を推進するビジネス開発・コンサルタント人材の採用

(3)日本国内向けに開発されたAIソリューションの欧州、北米、東南アジア地域での展開

情報科学を用いた材料開発の手法であるマテリアルズ・インフォマティクスでは、近年、AIの適用が進んでいる。しかし、AIや提示した新材料の有効性を確認するには実験が必要であり、1つの実験には数ヶ月かかることから、いかに少ない実験で最適な新材料に辿り着けるかが課題となってきた。

HACARUSが注力するスパースモデリングは、このような課題に対する解決策を提供する。同社では、ヒトが持つ経験・勘とスパースモデリングを組み合わせることで、短時間で最適な新材料に辿り着くための手法の研究開発に取り組んでいるという。


※出典:Numazawa, H., Igarashi, Y., Sato, K., Imai, H. & Oaki, Y. Experiment‐Oriented Materials Informatics for Efficient Exploration

創薬分野においても上記のマテリアルズ・インフォマティクスと同様に、AIが提示した化合物の有効性・毒性を確認するには実験が必要であり、ヒトでの治験を含めると数年単位の時間がかかることから、いかに少ない実験で最適な化合物に辿り着けるかが課題だ。

さらに近年では、ゲノム創薬と呼ばれる、ゲノム情報と患者の反応性情報から、副作用の少ない薬の開発する手法が注目されている。また既存の化合物から、様々なデータベースを網羅的に探索することでターゲット疾患の候補を導き出す手法も注目されている。HACARUSは、このような分野においても、スパースモデリングを用いた独自の創薬支援の研究開発に取り組んでいく考えだ。

AI導入のためのコンサルティングを強化

これまで100社を超える企業・団体に対して、AI技術の開発や実用化を行ってきたHACARUSの知見を活かし、企業へのAI導入を支援するコンサルティング業務を強化する。AI導入前のビジネスインパクト解析、要件定義、データ解析、アノテーション、モデル開発、アプリケーションのプロトタイプ開発など、AI導入に必要な作業の全てをワンストップで提供するという。

AI導入の失敗原因の大半を占めるのが、AIを導入することによって得られるビジネスインパクトが小さすぎること(誤った課題設定)、およびAIに対する現実的ではない期待(誤った目標設定)だ。HACARUSでは、これまで培ったAI導入の成功事例のノウハウを駆使して、企業でのAI導入を成功に導いていくとのこと。

またAI導入後の運用に必要な人材の育成についても、サービスの強化を行う。企業において不足するデータサイエンス人材を、トレーニングプログラムを通じて迅速に育成する。これにより、企業はAIを自社で運用する人材を自社で持つことができるようになり、さらに企業内での他の課題に対してAIを適用できるようになる。

東京R&Dセンターの役割

HACARUSは、2020年10月に東京R&Dセンターを開設した。これまでは本社機能を京都、アプリケーション・システム開発をフィリピン子会社(マニラ市内)に持たせる2拠点体制だったが、これに加えてHACARUSが今後注力する分野の研究開発を東京にて実施する。東京R&Dセンターの所在地は、CIC Tokyo(虎ノ門ヒルズ内)だ。

東京R&Dセンターでの活動は、論文やセミナーなどを通じて発信する。加えて、CIC Tokyoに入居することで、CICグループが持つグローバルネットワークを活用し、各国企業との繋がりを構築する。さらにはCIC Tokyoという東京にいながらにグローバルビジネスが展開される環境下において、国際的な視点を持ったサービス開発に取り組み、将来的に世界進出を行う足掛かりにしていくという。

※関連リンク:プレスリリース

TOMORUBA編集部

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