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東大IPC、「微細加工用レーザ」の開発・製造・販売をするスペクトロニクスに出資

東大IPC、「微細加工用レーザ」の開発・製造・販売をするスペクトロニクスに出資

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東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下「東大IPC」)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(以下「協創1号ファンド」)は、東京大学関連ベンチャーで「微細加工用レーザ」の開発・製造・販売をするスペクトロニクス株式会社(以下「SPX社」)に対して、約3億円の出資を行うことを決定した。

東京大学関連ベンチャーの育成促進を目指す協創1号ファンド

協創1号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実、を中心に据えて運用を行うことで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のベンチャー創出拠点の一つとなることに寄与することを目的としている。具体的な運用として、今までに6つのベンチャーキャピタルへのLP出資(ファンド オブ ファンズ)と、15社の東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行い、現在も積極的に東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行っている。

ピコ秒レーザを高出力で長時間発振可能。唯一のグローバル商品

SPX社は、セラミックスやCFRP、樹脂などのハイテク材料への超微細加工を実現する、産業用パルスレーザ発振器、及びその応用機器を製造・販売する企業。今後、自動車・半導体・医療機器などの産業において高性能化・コンパクト化が求められ、それに伴い部品の小型化が求められる。そこでは多様な材料向けに数十ミクロンオーダーの微細加工が求められる。SPX社はその課題に対し、独自性のある構造をもったピコ秒レーザ発振器の企画・開発を実現した。特に技術的に難易度の高い深紫外266nmのレーザ光を高出力で長時間、安定的に発振可能な製品をグローバルで唯一実現している。

また東京大学物性研究所の小林洋平教授がリードする産学連携「TACMIコンソーシアム」(Consortium for Technological Approaches toward Cool laser Manufacturing with Intelligence)のコアメンバー企業として、東京大学との連携を通じて、加工データ蓄積・加工AI技術開発に取り組んでいる。今回の資金調達により、SPX社は深紫外266nmのレーザ発振器の製品化・量産化を行い、微細加工が求められる多様な分野にグローバル展開していくことを目指すという。

各社コメント

SPX社 代表取締役社長CEO 岡田穰治氏

当社は2004年の創業以来、一貫してレーザ技術の産業応用をテーマに活動して参りました。

様々な事業活動をする中で、特に日本が強みとする機能性材料を応用した先端モノづくり現場では“困り事”が多く、市場も継続的に成長していることから、当社は微細レーザ加工の分野を新事業領域としております。特にスマートフォンの構成部品などの小型化要求の著しい領域では、加工の高品質化と高速性の両立が重要になって来ています。

この様な生産現場の困り事を解決するため、(1)信頼性が高く、(2)高出力化によって高速加工に対応でき、(3)加工の高品質化のためピコ秒レベルの短いパルス幅を持ち、(4)加工の微細化と更なる高品質化のため非常に短い波長(深紫外線域)のレーザを発生させる事、を可能とする当社独自のレーザ発生方法の開発に成功し、産業用レーザを製品化して参りました。

この事業に合わせて、この度東大IPCから出資して頂いた資金を活用して世界初の深紫外(波長266nm)高出力ピコ秒パルスレーザを実用化し、東京大学の知見を生かしながら、世界に先駆けて新しい微細レーザ加工の事業領域を開拓して参りたいと考えております。

東大IPC パートナー 福島彰一郎氏

微細加工向けレーザ加工発振器は海外の競合が存在しますが、SPX社は深紫外レーザ製品を世界で初めて実現するなど独自の強みを有しています。日本発のブレークスルーがグローバルに広がるよう、全力で支援します。


東大IPCは、SPX社の技術・製品の独自性、グローバル市場のポテンシャルの大きさ、レーザ加工という産業的意義の大きさに共感し、これを支援すべく、この度の出資を決定した。

東大IPCは、イノベーション・エコシステムの発展のため、ベンチャーキャピタルや企業との連携とともに、東京大学関連ベンチャーへの直接投資による育成促進を更に進めていくという。

<スペクトロニクス株式会社について>

概要:微細加工用レーザの開発・製造・販売

 <東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について>

概要:東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社

※関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部)

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