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遺伝子検査で分かる体質情報は、「誰が」「どのように」活用するべき?

遺伝子検査で分かる体質情報は、「誰が」「どのように」活用するべき?

根岸 美奈

皆様こんにちは。グリスタの斎藤です(投稿は弊社社員の根岸です)。

 

遺伝子検査では、様々な体質を推定するために必要な情報を得ることが出来ます。

 

この一文でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、

 遺伝子検査は、「おすすめの方法」や「何を食べたら良い」や「適性や向き不向き」などを調べるための検査ではありません。

受容体やホルモンの働きなど、身体にとって原始的なことを調べていて、そこから様々な研究によって体質への影響が分かってきているのが遺伝子検査の現状です。

トップアスリートの指導現場ではドクターや管理栄養士、トレーナーなどの指導者たちが体質情報を活用しはじめていますが、日本代表選手を相手に「才能」や「適性」を調べるなんてことは勿論していません。

 

前回の記事では、遺伝子検査は「才能を調べるもの」「自分にはどんなダイエット方法が良いか」「トレーニング方法は何が良いか」が分かると誤解されていることと、その理由について触れました。

では遺伝子検査で分かった体質情報は、実際のところどのように活用されているのでしょうか。

 

例えば、野球選手のトレーニング指導をしている現場で体質情報がどう役立つか、という視点で説明してみましょう。

遺伝子検査の結果、「遅筋線維が優位」ということが分かったとします。

「遅筋」や 「野球の動作と遅筋の関係性」について知識がないトレーナーさんの場合、せっかく調べたのにも関わらず、役に立たない情報になってしまいます。

 一方で知識のあるトレーナーさんの場合は、この情報を元に様々なことに考えを巡らせて、トレーニングプログラムを組む際の参考にするはずです。

 この事例から、トレーニングプログラムで遺伝子情報=体質情報を活かそうと思うと「野球と筋肉や動作」について知識のあるトレーナーさんが情報を参考にする必要があるということがよく分かります。

 

つまり体質情報は、目的に合った専門知識を持っている専門家が、指導の際に相手の体質を把握することでより良いプログラムを考えるために活用されています。

このような個別に最適化された指導やプログラムは、「個別化ヘルスケア」「パーソナライズドヘルスケア」と呼ばれています。

遺伝子情報を活用しようとする場合は大前提として「ある程度高い知識レベルを有する専門家」の存在が欠かせません。

では、「速筋」も「遅筋」も知らない一般の方は、遺伝子検査の結果をどう活用すればいいのか?

実際のところ、通販で販売されているような消費者向けの遺伝子検査キットの結果は「遅筋型の人は〇〇のスポーツに向いています」といった、知識のない方でも活用しやすい結果項目になっています。

 

しかし、「遅筋型=〇〇のスポーツが向いている」と断言できるのでしょうか?遅筋型の結果がでた人は、全員向いているスポーツが同じになるのでしょうか?

実はこういった検査結果の誇大表現は、ヘルスケア業界の問題として昨今取り上げられています。

 

今回は遺伝子情報の活用はどのようにして行われるものかを「個別化ヘルスケア」の野球指導の事例を使ってお伝えしました。

しかし、この遺伝子情報=体質情報を参考に適切な個別化ヘルスケア指導ができる専門家が極端に少なく、まだまだ個別化ヘルスケアそのものが日本では広がっていないのが現状です。

個別化ヘルスケアはフレイル予防や健康促進、美容などにも影響するため、国の課題でもある医療費・保険料削減にも期待され、次世代ヘルスケアとも言われています。

専門指導者の方々が安心して遺伝子情報を参考にできる場がなかったことが経産省などでも指摘されてきていますが、我々は少しでも安心・安全に情報を利活用していただける環境を整備していきたいと思っています。

本日は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

根岸 美奈株式会社グリスタ イデンシル事業部

株式会社グリスタ イデンシル事業部

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