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オープンイノベーションで成功した5つの事例から成功要因を読み解く

オープンイノベーションで成功した5つの事例から成功要因を読み解く

大久保由依

オープンイノベーションとは、企業が自社内のリソースや知識だけでなく、外部のリソースや知識も活用し、新しいアイデアや技術を取り入れて革新的な製品やサービスを生み出すアプローチのことです。

2003年にヘンリー・チェスブロウ教授によって提唱された概念ですが、今でも重要視されています。それどころか、変化の速い現代ではさらにその重要性が高まりました。

今回は、オープンイノベーションを利用して成功した企業の事例を挙げていきます。事例を元に成功要因を分析していきますので、あなたのビジネスに役立てられるよう最後まで読んでいってください。

オープンイノベーションで成功した5つの企業

まずは、オープンイノベーションを積極的に活用して成功した企業の事例を紹介します。事例に触れることで、実際にどのようにオープンイノベーションの考え方が利用されているかを想像してみてください。

Procter & Gamble (P&G)

P&Gは、オープンイノベーションの先駆者として知られています。同社は「Connect + Develop」というプログラムを通じて、外部の発明家や企業と協力し、新製品の開発を進めています。このプログラムは、P&Gのイノベーションの約50%を外部からのアイデアに依存しているとされています。

具体的な事例として、P&Gは歯ブラシ「Oral-B CrossAction」を外部の技術を取り入れて開発しました。この製品は、特許技術を持つ小規模企業との協力によって実現し、従来の歯ブラシよりも効果的に歯垢を除去することができ、世界中でヒット商品となりました。P&Gは、市場のニーズに迅速に対応するために外部の技術を取り入れ、競争力を維持しています。

LEGO

LEGOは、顧客やファンコミュニティと積極的に関わりを持つことで新しい発想を生み出しています。LEGO Ideasというプラットフォームでは、ファンが自分のアイデアを投稿することができるようになっています。そこで出されたアイデアは商品化されることもあるため、利用者も楽しくアイデアを出すことができます。

実際にファンのアイデアから作られた商品はいくつもあり、オープンイノベーションを活用して魅力的な商品を生み出すことに成功しています。さらに、LEGO Ideasを通じて得られたアイデアは、他の製品ラインにも応用されているようで、LEGOの製品開発にとって必要不可欠なものとなっています。

General Electric (GE)

GEは、「GE Garages」というオープンイノベーションプログラムを運営しています。ここでは、スタートアップや個人発明家がGEの技術や設備を利用して、新しい製品やサービスを開発することができます。例えば、3Dプリンティングやレーザーカッティングなどの最先端技術を提供し、自由にアイデアを試すことができる環境を整えています。

GE Garagesの一例として、フィリップスなどと共同で開発された「3Dプリンティングによる航空機エンジン部品」があります。このプロジェクトによって、従来の製造方法では実現できなかった複雑な部品を効率的に製造することが可能になりました。さらに、GEはこのプログラムを通じて多くのスタートアップとパートナーシップを結び、新たなビジネス機会を創出しています。

IBM

IBMは、オープンイノベーションの一環として「IBM Watson Ecosystem」を展開しています。これは、スタートアップや企業がIBMの人工知能(AI)プラットフォームであるWatsonを利用して、自社のアプリケーションやサービスを開発できるようにするものです。

これを利用した成功事例の一つに、医療分野のアプリケーション「Pathway Genomics」があります。このアプリケーションは、WatsonのAI技術を活用して個々の患者の遺伝情報を解析し、それぞれに最適な治療法を提案するものです。IBMはオープンイノベーションを通して、医療に限らないさまざまな分野にAI技術を普及させています。教育や金融、製造業など幅広い業界でのAI活用を推進し、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。

NASA

NASAは、オープンイノベーションを活用して宇宙探査の課題解決に取り組んでいます。NASAは「NASA Tournament Lab」を通じて、外部の研究者や企業に対してチャレンジを提供し、最先端の技術やアイデアを集めています。

例えば、「Astrobee Robot Challenge」は、宇宙ステーション内で作業を行う自律ロボットの設計を競うものでした。このチャレンジでは多くのアイデアが集まり、NASAは効率的なロボット設計を実現することができました。NASAは、オープンイノベーションを利用することで限られたリソースを最大限に活用し、宇宙探査の技術革新を進めています。

成功事例に見られる4つの共通要因

オープンイノベーションを活用して成功した5つの事例を見てきましたが、これらには共通点があります。この共通点を応用することで、今後のオープンイノベーションの利用をよりよいものにできるはずですので、ぜひここで紹介する共通要因について深く考えてみてください。

明確なビジョンと目標

企業は、オープンイノベーションの取り組みを通じて達成したい具体的な目標を持つことが重要です。例えば、P&Gの「Connect + Develop」プログラムは、新製品開発を目的とした明確なビジョンに基づいています。

ビジョンと目的が明確であることにより、誰と協力関係を結ぶかも明確になります。目指すべきものがない状態でオープンイノベーションの形式をとったとしても、意味のあるものにはならないため注意が必要です。

効果的なプラットフォームの提供

LEGO IdeasやIBM Watson Ecosystemのように、外部のアイデアや技術を取り入れるための効果的なプラットフォームを提供することも大きな成功要因です。顧客や他企業から多くのアイデアが集まり、それを自社の技術と融合させることで新しいプロジェクトにすることができます。プラットフォームの提供は、オープンイノベーションの成功に不可欠であり、企業が外部の知識を活用しやすくする役割を果たしています。

多様なパートナーシップの構築

外部の企業、スタートアップ、個人発明家、研究機関など、多様なパートナーとの協力を通じて、新しい視点や技術を取り入れることが可能になります。

GEは、フィリップスに限らず、小規模なスタートアップ企業、大学の研究機関と協力して3Dプリンティング技術を活用した航空機エンジン部品の開発を進めました。このプロジェクトでは、フィリップスの製造技術、スタートアップの革新的なアイデア、大学の最先端研究成果が融合され、従来の製造方法では実現できなかった複雑な部品を効率的に製造できるようになりました。

複数の相手と協力関係を結ぶことで、より複雑な問題に対処できるようになります。

オープンで協力的な文化の育成

組織内部にオープンで協力的な文化を育成することで、外部からのアイデアを受け入れやすくし、イノベーションを推進します。

例えば、IBMはオープンな文化を育むことで、Watson Ecosystemを成功に導いています。従業員と外部パートナーがともにアイデアを出し合うワークショップなどが定期的に開催されるなど、外部と協力する機会をつくることでオープンな文化を作っています。

企業文化がオープンで協力的であることは、従業員が外部のアイデアに対して前向きな態度を持ち、新しいコンセプトを積極的に採用することに繋がります。

オープンイノベーションは単なる技術導入ではない

オープンイノベーションは、企業が外部の知識やリソースを活用することで、革新的な製品やサービスを生み出す強力な手段です。今回紹介した5つの企業は、オープンイノベーションを活用してさらなる成長を遂げました。

オープンイノベーションを成功させるためには、外部の技術を導入するだけでなく、組織文化の変革や戦略的なパートナーシップの構築も必要となります。考えるべきことは少なくないとはいえ、成功したときのリターンは計り知れません。より多くの技術を組み合わせ、新しい価値を創り出していくために、今後もオープンイノベーションが活用されることが期待されています。

大久保由依株式会社クレスト

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