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AGV(自動誘導型搬送車)/AMR(自律走行搬送ロボット)とは?ロボットバンクが解説します!【第三弾】

AGV(自動誘導型搬送車)/AMR(自律走行搬送ロボット)とは?ロボットバンクが解説します!【第三弾】

趙徳鵬

◆生産性向上への貢献メカニズム:AGVとAMRの比較

AGVの生産性向上への貢献要素

AGV(自動誘導型搬送車)は、物流や製造業界で生産性を高めるための強力なツールです。その主な利点は以下の通りです。

・経路が予めプログラムされた自動運行

AGVは、マグネットテープやレーザーガイドなどを用いて設定された経路に沿って製品や材料を搬送します。そのため、人間の作業者が他のタスクに集中できるようになります。

・一貫した作業速度と正確性

人間が操作したときに発生しやすい誤差を最小限に抑え、安定した品質で作業を行うことが可能です。これにより、製品の品質が向上します。

・労働コストの削減

AGVを導入することで、移動や搬送作業にかかる人件費を削減することができます。特に単純作業の自動化は、長期的なコスト削減につながります。

・24時間稼働

AGVは休憩やシフト交代を必要とせず、24時間連続して稼働することが可能です。これは特に繁忙期や夜間作業が必要となるときに有利です。

・安全性の向上

AGVはセンサーで周囲を検知し障害物を避けるため、職場内での事故リスクを低減させます。また重量物の取り扱い時の怪我から作業員を守ります。

これらの特徴は、特定の条件下で大きなメリットがあります。例えば大量かつ定期的な材料搬送が必要な製造ラインではAGVが非常に有効です。また、配送センターでは商品を迅速かつ正確に仕分ける作業に強みを発揮します。

さらに、AGVはプログラムされた経路通りに動くため、整然とした環境で秩序ある運行をするときに有利です。これにより生産フロー全体をスムーズにし、無駄な待ち時間や混乱を減少させます。

AMRの生産性向上への貢献要素

AMRは、その特性と機能により、労働力削減と生産性向上に大いに貢献しています。その具体的なメカニズムを見ていきましょう。

・人間とロボットの共同作業

AMRは、人間との共同作業が得意です。そのため、従業員はより高度なタスクに集中でき、単純作業はAMRに任せることができます。これは労働力削減だけでなく、生産性を大幅に向上させる可能性があります。

・適応性

AMRは環境変化に対応する能力があります。製造ラインや倉庫のレイアウトが頻繁に変更される場合でも、AMRは自己位置認識システムを活用して新しいルートを生成し、迅速に適応することができます。

・自動マッピング

AMRは自動マッピング機能を備えており、これにより非反復的な作業や複雑なタスクでも人間と協働することが可能です。これは、特にピッキング作業などの生産性を向上させます。

・非接触操作

COVID-19パンデミックの影響で非接触操作の重要性が高まっています。AMRはこのニーズに応えることができ、社員の安全を確保しながら生産性を維持・向上させることが可能です。

これらの特性と機能により、AMRは製造現場や物流センターにおける生産性の向上に大いに貢献することができます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、適切な導入計画と運用管理が必要です。

◆最適な製品選びのポイント

最先端の技術を活用し、生産性向上に貢献するAGVやAMR。しかし、製品選びに迷ってしまう方も多いかと思います。このセクションでは、AGVとAMRの製品選びのポイントについて解説します。

AGV関連製品の選び方

AGVは物流や製造業界で重要な役割を果たす搬送車です。AGV関連製品の選定における重要なポイントは以下の通りです。

・耐久性

AGVは一日中、停止することなく作業を行う必要があります。そのため、長時間稼働してもパフォーマンスが低下しないような耐久性の高い製品を選択することが重要です。

・拡張性

AGVは倉庫や工場のレイアウト変更に対応できる柔軟さが求められます。そのため、新しいルートやタスクを簡単に追加できるような拡張性のある製品を選択することが必要です。

・安全性

AGVは人間と同じ作業環境で動くため、人間の安全を確保する機能が重要です。例えば、衝突防止センサーや緊急停止ボタンなどが装備されているか確認しましょう。

・保守性

AGVのトラブル時に迅速に対応できるかどうかも重要なポイントです。保守サポートや部品が入手しやすいかどうかを確認しましょう。

AGV選定では、自社のニーズと製品の特性をマッチさせることが最も重要です。より具体的な選定基準を設けるために、自社の業務内容や作業環境、作業者のスキルレベルなどを詳細に把握する必要があります。

AMR関連製品の選び方

実際にAGVやAMRを導入する際には、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか?製品選びの重要な視点をご紹介します。

安全性

・衝突回避: AMRは常に人間と共存する必要があるため、高度なセンサーやソフトウェアを搭載して周囲の環境を認識し、衝突を避ける能力が必須です。

・安全規格準拠: 国際的な安全基準や業界標準に則った製品を選択することで、作業場でのリスクを最小限に抑えます。

柔軟性

・環境適応能力: 配置変更や障害物が頻繁に生じる現場では、環境変化に柔軟に対応できるAMRが有効です。マップ生成機能を持ち、動的なルート設定が可能かどうかをチェックしましょう。

・プログラミングとカスタマイズ: 自社のニーズに合わせてプログラム可能であり、特定のタスクや操作方法にカスタマイズできるかも重要なポイントです。

これらの基準を考慮した上で、以下のような具体的な機能もチェックリストに加えてください。

・バッテリー寿命: 長時間稼働が求められる環境では、バッテリー交換の頻度や充電時間も重要です。

・ペイロード容量: 搬送する荷物の重量やサイズに応じて、十分な積載能力を持つAMRを選択することが肝心です。

・ユーザーインターフェース: 操作が直感的で理解しやすいインターフェースは、効率的な使用とトレーニングコスト削減につながります。

最終的には予算内で最大限の効果を発揮する製品を見極めることが求められます。費用対効果だけでなく、将来の拡張性やアフターサービスも検討材料としておくべきです。各企業が直面している課題解決に対してどれだけ貢献してくれるか、そのポテンシャルを見極めることが大切です。

続きは第四弾へ

https://www.robotbank.jp/2919.html

趙徳鵬ロボットバンク株式会社

静岡文化芸術大学    生産デザイン学科卒業 カーデザイン
静岡大学大学院 工学研究科  工学 修士 
2015年に北京中関村に起業、APP開発中心、その後会社は大手ECサイトに売却 
2016年36krのグローバルビジネス優秀インキュベータに選出
2017年清華大学のグローバルビジネス優秀インキュベータに選出
2019年 月間5億PVを誇る、中国最大のベンチャー/ITメディア「36kr」36krspace
(米ナスダック上場)と 共同で初の海外インキュベーション拠点を設立 (日中ハイテク企業をつなぐ)
2020年 中国最大イノベーション大学 混沌大学日本支店設立(日中ハイテクイノベーション企業をつなぐ)
2022年  RobotBank当社設立 ロボティクスで実現するモノづくりDX、幸せライフスタイルDXを促進する

ロボットバンク株式会社

CEO

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