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NFTによるクラウドファンディング、その可能性を探る

NFTによるクラウドファンディング、その可能性を探る

鬼塚健太郎

前回のブログ

「NFTはなぜ流行らない?-NFT市場に相場をもたらすダイナミックプライシング-」

https://tomoruba.eiicon.net/blogs/1339

において、現在一般的なNFT市場では、NFT化されたデジタルコンテンツの取引で相場ができないことをお話し、その解決策として、ダイナミックプライシングによるデジタルコンテンツの配信で、相場を形成させ、投機目的の取引を誘引することをお話しました。

今回は、そのような相場をもたらすNFT市場をクラウドファンディングに展開するとどうなるだろうか、という点について考察します。

クラウドファンディングの課題

クラウドファンディングは日本においては、金融商品取引法などの改正案が2014年(平成26年)5月23日に国会で可決後から、多くのクラウドファンディングが立ち上がり、さまざまな人々がそれを利用して、資金獲得をして事業を立ち上げてきました。

多くのクラウドファンディングでは、資金を獲得しようとする側は、資金を寄付する側に対して、返礼として、なんらかの商品などを贈ることになっています。返戻品としては、資金を獲得して事業を始めた場合の商品であったり、あるいは、オリジナルのTシャツ、さらには、寄付した人に対して、事業が成り立ったときに、御礼のメールや手紙を出す、などもあります。

しかし、基本的に、クラウドファンディングは株式会社の立ち上げなどとは大きく異ります。株式会社を設立する場合は、資本提供した人々(投資家)に対して、その資本提供額に応じた株式を発行して保有させ、また、会社が事業によって充分な利益を得た場合は、配当を渡すことになっています。また、投資家が保有する株式は、株式市場において売買が可能で、株式が値上がりすれば、売却して利益を得ることもあります(キャピタルゲイン)。

一方、クラウドファンディングでは、株式発行型のものもありますが、資金提供をした側は、返戻品を受け取る以外には、とくに利益を得る手段はありません。一般に返戻品の額は資金提供した額には及ばないことがほとんどです。よって、受け取った返戻品をどこかで売っても、資金提供額を得ることはできません。

NFT市場で事業や商品の企画書を売って資金獲得する

NFTマーケットプレイスで、自分のやりたい事業や作りたい商品の企画書(設計図や仕様)を売るのはどうでしょうか?たとえば、やりたい事業がある場合、まず、その事業企画書を書きます。すると、その事業企画書自体は、文書であり、電子化すれば(普通、作成時から電子化されているわけですが)デジタルコンテンツそのものです。そして、その企画書をNFTにして売るわけです。その際に、企画書のうちの重要な部分はNFTで購入した人だけが読めるようにすることも可能です。もちろん、この場合、企画書を買うのは一人ではなく複数ですから、予め企画書の販売数を決めておきます。売り出し当初の販売価格も決めておきます。すると、非常に有望な企画書であれば、それを購入する人が多数出てくるし、また、NFTで取引するので、その企画書は、NFT市場で販売(転売)し、売却することもできます。

非常に魅力的な企画書ならば、販売数は固定されているので、最初の販売価格で企画書が購入できなかった人は、プレミア価格で購入したい人も出て来るでしょう。すると、最初の販売価格で購入した人は、それをプレミア価格で販売(転売)することで売却利益が得られます。これは、ほぼ株式市場と同じ原理で企画書の価格は変動し、そこにNFTクラウドファンディング市場が生まれます。

このNFTクラウドファンディング市場と株式市場との違いは、以下の3点です。

1)配当金が出ないこと。

2)企画書の売上で資金を集めた人は、その企画書にかかれた事業をする義務が全くないこと。

3)企画書を購入した人が、その事業をそのまま自分でやっても良いこと。

かりに、1で配当金を出す、としたら、これは純然たる株式を発行することになりますから、それは株式会社に関する法律によって、規制されます。つまり、配当金はだせません。そして、配当金を出さないなら、配当金を出すために事業をする必要はないので、企画書にかかれた事業をする義務はなく、売れた売上を、自分の好きなことに使えるでしょう。その一方で、企画書に書かれたことを他の人が事業化することも可能です。最近のインターネット社会では、新な事業を始めるにあたって、必要な資金は非常に少ないので、面白い事業企画のアイデアを買って、それを実現することは難しくありません。これによって、さまざまなビジネスアイデアや、商品企画が、NFTによって広く流通し、イノベーションを産むでしょう。

さらに、ダイナミックプライシングを導入すると、、

ここで、前回のブログ(先頭からリンク)を導入すると、もっとダイナミックな相場を形成します。

企画書をダイナミックプライシングで販売するわけです。販売開始直後、最初に企画書を買う人は、非常に安い価格で購入できます。たとえば、100円くらいとしましょう。しかし、2回目に買う人は、160円ぐらいとします。3回目なら200円、だいたい、売れた数の対数(たとえば、売れた数が倍になるごとに100円値上がりする)くらいで価格が値上がりしていくようにします。一方で、買った人が売りに出す場合、買い手が付かない場合は、価格が下がります。この値下がりもあるダイナミックプライシングは、まさに、弊社の特許で、その件については、前回のブログ(先頭よりリンク)で書いた通りです。

この場合、たとえば、企画書が1000件売れると、価格は1000円程になり、売上は80万円を超えます。また、この場合、企画書を一度に多数買って、値上がり後に売り抜けて儲けようとする投機目的の人も出てきます。非常に魅力的な企画書であれば、たくさん売れるから、それだけ値上がりが想定できるのです。すると、買っている投機家の数は100人でも、一人あたりが100ぐらい購入すると、1万個売れます。すると売上は、1千万円を超えます。

単純にNFTで企画を売る前節での話との違いは、このダイナミックプライシングでは、価格や販売数を決定しなくてよいことです。もちろん、最初の一回目の販売価格は決めなければなりませんが、それはほとんどの場合、10円か100円かぐらいの価格にしておけばよいのです。価格が安ければ、たくさん買う人が出て来るので、その分売上があがり、元の価格がいくらでも構わないのです。実際株式市場でも、非常に株価が安い場合は、たくさん株式を買うし、高い場合は逆にあまり買わないので、株価を上げるために、株式の分割をすることもあります。同じ事で、ダイナミックプライシングの場合も、価格は10円か100円くらいにしておいたほうがたくさん売れて、トータルの売上は高い価格設定より多くなることもあります。

クラウドファンディングとは結局なんだろうか?

結局、クラウドファンディングはたんにデジタルコンテンツ(企画書)の販売そのものです。

では、よく初期のクラウドファンディングで有名になった映画制作や絵本の出版のための資金獲得にNFTによるクラウドファンディングは使えるでしょうか?

たとえば、絵本を執筆して出版するための資金獲得という話にしてみます。資金獲得をする段階では、まだ絵本自体は執筆されておらず、たんなる構想段階だとしましょう。そこで、その構想を文書にして企画書に、NFTで販売します。そして、そのNFTで企画書を買った人には、絵本が出版されたときに、絵本を無料で贈るという形が考えられます。これだと、従来のクラウドファンディングに近いですが、実はこれは、NFT市場における、先物取引になります。まだ存在しない絵本を、出版されたときに、入手できる権利です。そうすると、ダイナミックプライシングによるNFTの販売では、販売数を最初に決めておく必要がないので、売れた数だけ出版すれば良い事になります。つまり、クラウドファンディングというよりも、マーケッティングも兼ねた販売促進活動であり、かつ出版前に資金が得られるシステムでもあります。

結局、クラウドファンディングは、NFT化して取引市場を作ることで、先物取引市場そのものになるのです。

このような場では、特許などのライセンシングもできます。特許技術を含む商品の企画書(設計図や仕様書)をNFT化して販売し、それをたくさん買った人は、そのたくさん買った分だけ製造販売できるというものです。あるいは、小説などについては、小説(デジタルコンテンツ)をNFTで買った人は、買った数だけ出版して売ることができる、としたら、これは著作権をライセンシングしていることになります。

クラウドファンディングという切り口で、NFT市場を考えた場合、それは商品やサービスの先物取引市場なのだ、ということ、そして、そこでは、デジタルコンテンツにかぎらず、量産可能な製品もまた販売することができ、しかも、販売する側は、製造開始のための初期投資を、先物取引で先に得ることができます。これは、様々な商品サービスの流通、開発、販売を活性化するでしょう。

以上、長くなりましたので、今回はこのあたりにします。

長文を読んでいただき、ありがとうございました。

鬼塚健太郎テルモピレー株式会社

1990年に松下電器(現パナソニック)に入社後、旧通産省の第五世代コンピュータ技術プロジェクトの研究所ICOT、同じく新情報処理プロジェクトのRWCPにて、分子生物学分野での計算機科学応用(いわゆるバイオIT)でタンパク質構造解析、立体構造予測の分野の研究に携わり、その後、パナソニック先端技術研究所にて、医療検査などへの応用展開を図って参りました。その中で、研究開発機関において陽の目を見中っった研究成果、知財、失敗事例などを広く公開して、しかもそれが少額でもマネタイズできれば、と考えるうちに、AWExion プライシングの仕組みを思いつきました。2016年、パナソニック退職後、テルモピレー株式会社を設立し、特許登録、システム開発へて、ようやく2021年に運用を開始することができました。ただ、なかなか普及せず、何とかこちらにて、皆様と繋がりたいと思っております。

テルモピレー株式会社

代表取締役

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