新江ノ島水族館×FullDepth | 小型水中ドローンによる深海1,000m域の生物共同研究を実施
株式会社新江ノ島水族館と株式会社FullDepthは小型水中ドローンを活用した深海1,000m域の生物共同研究「シロウリガイ探査プロジェクト」を実施することを発表した。
同プロジェクトでは、新江ノ島水族館の持つ深海と深海生物に関する豊富な知見やノウハウと、FullDepthが開発した深海調査用小型水中ドローン(ROV)技術、それぞれが得意とする分野を組み合わせることで、民間レベルでの新たな深海調査手段の確立を目指している。
これまでの深海調査は大掛かりな機材と専門的な知識を有する人員が必要となり、コスト面からも民間レベルで手軽に行うことは難しい状況が続いていた。FullDepthは、2018年6月に世界で初めて、小型水中ドローンによる深海1,000m域の調査を成功させ、深海調査の新しい手段として注目されている。また、深海生物の展示・飼育で豊富な実績のある新江ノ島水族館と共同プロジェクト実施することで、未だそのほとんどが未知とされている深海の世界やそこに棲む生物たちの生態の解明に貢献していくという。
■目的
2020年に、小型ROVによる深海探査の手段を確立し、中深層(水深200~1,000m)付近に棲息する、深海生物及び化学合成生態系に属する生物(例:シロウリガイ、サガミハオリムシなど)を採集する。
■概要
神奈川県・相模湾エリアを中心に、小型水中ドローン(ROV)を用いた継続的な深海調査を行い、その過程を含む映像・写真・データを研究資料として発表する。また、深海生物のより詳細な研究を行うための生物採集の方法も検討しており、実施に必要なアームなどの機器の開発など、今後の深海調査の新たなスタンダードの確立を目指す。
■想定される成果物
1.調査過程で得られる映像や写真など海洋環境データなど、深海研究に有意義な情報
2.上記、調査過程に得られた情報をウェブやイベントなどを通じて、定期的な成果発表の実施
3.採集した深海生物を新江ノ島水族館で飼育しながら一般公開する
<参考:FullDepth社調査記録映像(2018年6月相模湾沖・深海約1,000m)>
■調査記録写真
小型水中ドローン「TripodFinder」
船上での運用の様子
PCによるドローン操作
※関連リンク:プレスリリース
(eiicon編集部)