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「起業の科学」の田所氏総監修のアクセラ『B-SKET』デモデイ開催!――採択企業4社からユニコーンは生まれるか?

「起業の科学」の田所氏総監修のアクセラ『B-SKET』デモデイ開催!――採択企業4社からユニコーンは生まれるか?

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「社会のあらゆる問題を解決する」をミッションに掲げ、Webマーケティング分野とメディア分野でインターネット事業を展開するテクロジーカンパニー、株式会社ベーシック。同社は6月14日に、SaaSを開発するスタートアップを対象とした、アクセラレータープログラム「B-SKET(ビスケット)」第2期のデモデイをNagatacho GRIDにて開催した。

同プログラムは、世界で累計7万シェアされたスライド 「Startup Science」、Amazonランキング経営管理部門で81週連続1位、台湾版を含め累計9万部を突破したベストセラー書籍「起業の科学(日経BP社)」シリーズの著者である田所雅之氏が総監修を務め、徹底したハンズオンならびにメンタリングを行ってきた。さらに、総勢30名以上の専門家によるメンタリングも実施し、スタートアップの事業価値向上を支援してきたという。

デモデイでは、採択企業4社(Carat/ガラパゴス/LEARNie/WiseVine)が2月から6月の4ヶ月間にわたるアクセラレーター期間を経て開発したサービスの成果を発表。さらには、IPO経験やIPO支援の経験を持つ有識者が集まり、「IPOを目指すスタートアップに必要なもの」をテーマにしたパネルディスカッションも開催された。本記事では「B-SKET」デモデイ当日の模様を紹介していく。

■IPO、そしてユニコーン企業を目指してほしい

デモデイ開催にあたり、プログラムの総監修を務めた株式会社ベーシック チーフストラテジーオフィサー 田所雅之氏が登壇。「2019年2月にキックオフを開始してから4ヶ月間を掛けて、毎日のようにメンタリングを行いながらスタートアップの成長に寄与してきた。将来的にはIPO、そしてユニコーン企業を目指してほしい」と挨拶を行った。

▲株式会社ベーシック チーフストラテジーオフィサー 田所雅之氏

日本と米国シリコンバレーで合計5社を起業してきたシリアルアントレプレナー。米国シリコンバレーのベンチャーキャピタルのベンチャーパートナーを務めた。国内外のスタートアップ数社の戦略アドバイザーやボードメンバーを歴任する。世界で累計7万シェアされたスライド 「Startup Science」、発売後Amazonランキング経営管理部門で81週連続1位になったベストセラー書籍「起業の科学(日経BP)」の著者。

■パネルディスカッション〜IPOに必要なこととは?

続いて、「IPOを目指すスタートアップに必要なもの」と題してパネルディスカッションが行われた。パネラーとして登壇したのは、守屋実事務所 守屋実氏ライトアップ 代表取締役社長 白石崇氏日本スタートアップ支援協会 代表理事 岡隆宏氏アドライト 代表取締役 木村忠昭氏の4名で、モデレーターはグロービス・キャピタル・パートナーズ キャピタリスト/弁護士 野本遼平氏が務めた。

守屋氏は新規事業創出の専門家として活動し、ラクスルなどの上場支援などを手がけている。また、白石氏が率いるライトアップは2018年6月に東証マザーズに上場、岡氏も自身が創業した夢展望株式会社を2013年に東証マザーズに上場した経験を持つ。木村氏は、ユーグレナ、じげん、クラウドワークス、エスエルディー、マネーフォワードという上場企業5社の支援を手がけている。

<写真左→右>

●株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ キャピタリスト/弁護士 野本遼平氏<モデレーター>

●株式会社守屋実事務所 守屋実氏

●株式会社ライトアップ 代表取締役社長 白石崇氏

●一般社団法人日本スタートアップ支援協会 代表理事 岡隆宏氏

●株式会社アドライト 代表取締役 木村忠昭氏

まず、「IPO前後の大変ことは?」という野本氏の問いに対し、「2回IPOに挑戦して3回目でようやく上場できた」という白石氏は「小さくてもユニークなサービスであることが重要。他社と違うビジネスを主力にしないと、ここぞというときにいきなり競合が出てきて市場がひっくり返ることもある」と答えた。また、木村氏はIPOを果たした企業に共通していることとして「みんなに応援されている、社外を含め巻き込んでいける」という点を指摘した。

さらに守屋氏は、「起業当初は道なき道を進む、基本的には個人戦の集合体。ただ、上場に近づくと個人戦から団体戦に移行する。仮説だけではダメで、再現性のあるスケールするためのモデルが必要。単なる仮説からモデルへ転換しなければならない」と話した。

一方、「上場準備に入ったときに作らないといけない制度は?」という問いに対し、岡氏は「何と言っても人事・評価制度。私の場合はそれが無く、社員30人くらいの時に組織がごたごたとしてしまった。コンサルを入れて人事評価制度を整備したがうまくワークせず、自分たちで作り、社内に浸透するまでに2年かかった。社員20名くらいになったら人事評価制度を導入した方が、優秀な人材は残る」と自身の経験を語った。

最後にメッセージとして守屋氏は、「IPOすれば、会社は社会の公器となる。経営者はそこに自分のモチベーションを持っていってほしい」と語り、岡氏は「IPOのメリットは、リクルート(採用)」にあると話した。さらに木村氏は「IPOはあくまでプロセスですが、自社の応援団を一気に増やすことができ、事業をレバレッジすることが可能となる」と語った。

■SaaS領域の採択スタートアップ4社によるピッチ

パネルディスカッション後は、スタートアップ4社(Carat/ガラパゴス/LEARNie/WiseVine)によるサービスの成果を発表するピッチが開催された。

●株式会社Carat https://www.caratinc.jp/

プレゼンテーションしたサービスは「GLIT」。 これは、求職者へ相性の高そうな求人情報をレコメンドし、その求人情報を興味あり・興味なしにスワイプするだけで、興味ありにした企業からスカウトが届く求人検索不要なレコメンド型転職アプリ。求人企業にとっては運用工数が低く、自社に興味を持ってくれている方へスカウトを送るため開封率・返信率が非常に高い求職者検索不要なスカウトサービスとなっている。

▲株式会社Carat 代表取締役兼CEO  松本直樹氏

●株式会社ガラパゴス https://www.glpgs.com 

プレゼンテーションしたサービスは「AIR Design」。これは、「デザインを空気のように当たり前に、AIを使って。」というビジョンのもと、”AIR Design”というデザイナーのAIを作り、運用している。ロゴ生成で人間の生産性の1,200倍を実証し、その技術をマーケティングクリエイティブ(バナーやLPなど)に展開。SaaS月額サブスクリプション型BPO事業から開始し、RPA/AI化してより多くのユーザーに使われる事を目指しているという。

▲株式会社ガラパゴス 代表取締役社長 中平健太氏

●株式会社LEARNie  https://www.learnie-inc.com/company 

プレゼンテーションしたサービスは、人材・組織開発に特化したオンラインコミュケーションルーム(特化型のWeb会議システム)である「LEARNie」。動画学習やSkype英会話などのこれまでのオンライン人材開発ソリューションは、移動の削減など一定の効果は見られるものの継続性や効果に課題を抱えている。そこで「LEARNie」は、行動・感情データを可視化できるオンラインコミュニケーションルームを提供することで、継続性や効果の課題を解決。企業の人材・組織開発におけるROIを最大化する。

▲株式会社LEARNie 代表取締役社長 南部洋志氏

●株式会社Weldrow https://www.weldrow.co.jp 

(特許出願中のためサービス内容等の情報公開は差し控えます)

▲株式会社Weldrow 代表取締役 吉本翔生氏

■各賞の発表&クロージング

スタートアップ4社のプレゼンテーション終了後に投票が行われ、「MVT(Most Valuable Team)賞」・「Basic賞」・「B-SKET賞」という3つの賞が発表された。その結果は以下の通りだ。

▲「MVT賞」 株式会社ガラパゴス

▲「Basic賞」 株式会社Weldrow

▲「B-SKET賞」 株式会社LEARNie

そしてデモデイのクロージングとして、「B-SKET」を主催する株式会社ベーシックの代表・秋山氏が登壇。「採択企業4社のプレゼンテーションを聞いて、事業が磨かれたと実感した。この4ヶ月でこんなにも変わるものだと驚いた。――また、今回のプログラム第2期は、採択企業にチームで参加することをお願いした。これは、チームでプログラムに参加する方が、ディスカッションが生まれるため。そのように徹底的に磨かれる状況を作ることで、4社とも素晴らしい提案内容になったと思う」と話した。

また、田所氏も登壇し、「ユニコーン企業は新しい産業・領域を作る。それは、矢面に立つということで、辛いこともあると思うが、その先に道を切り開くことになる。――このプログラムがキッカケになって“ユニコーン企業”が生まれることを期待している」とデモデイを締めくくった。

▲株式会社ベーシック 代表取締役 秋山勝氏

■取材後記

田所氏によるベストセラー「起業の科学」のノウハウはもちろん、起業家・経営者、投資家(VC/エンジェル投資家)、事業会社の経営陣/幹部などがメンターとして関わっている点が大きな特徴とも言える「B-SKET」。同プログラムには、スタートアップが事業をスケールさせるのに十分な支援が揃っている。第2期で採択されたスタートアップ4社が、今後IPOを果たし、社会にインパクトをもたらす事業を展開していくのかーー。引き続き、注目していきたい。

(構成・文:眞田幸剛、取材・撮影:中谷藤士)

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コメント3件

  • Ayuko Nakamura

    Ayuko Nakamura

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    「起業当初は道なき道を進む、基本的には個人戦の集合体。ただ、上場に近づくと個人戦から団体戦に移行する。仮説だけではダメで、再現性のあるスケールするためのモデルが必要。単なる仮説からモデルへ転換しなければならない」