POLとPUiPが業務提携、国家予算270億円超の産学連携を加速する第一歩に
企業の研究開発における産学連携のパートナー探しをサポートする『LabBase X(ラボベース クロス)』を提供する株式会社POLは、 国内22大学・機関のネットワークをもつ任意団体である大学知財群活用プラットフォーム(Platform of University Intellectual Property、略称:PUiP)と提携したことを発表した。
■産学連携における課題
経済産業省は、産学連携における目標として以下を掲げ、国内において企業・大学等が連携するオープンイノベーションの推進が重要であると提起している。
「2025年度までに企業から大学・国立研究開発法人への『投資3倍増』を実現するため、産学官による集中的な取組によるガイドラインの実効性確保と共同研究の拡大・深化を目指す。(出典:経済産業省「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン概要」より)」
さらに、2019年度の産学連携の推進に対する国家予算は270億円以上に上っていることからも産学連携の重要性の高まりが感じられる。(国立研究開発法人科学技術振興機構「産学連携に関する2019年度予算」を元に算出)
しかしながら、産学連携には以下のような大きな機会損失やマッチング効率の悪さなどの課題があり、十分に成果が出ているとは言い難い状況となっている。
●企業側の課題
多くの企業は自社のニーズに適した研究者に出会うことに苦労している。ネット上の膨大な情報から研究者を探すのにかかる探索コストや学会などの人的ネットワークに依存した旧式の探索手段、自社事業へ適用できるかどうかの判断の難しさが産学連携を阻害する要因となっている。
●研究者側の課題
一部の著名な研究者に案件が集中し、多くの意欲ある研究者は共同研究の機会に恵まれていない。シーズとなる研究データを持っていても、それを企業や社会へ発信する方法がわからない、時間的なコストがかかって発信できない研究者が多く存在している。
■提携により実現する主な内容
国内22大学・機関のPUiPが有するシーズ(知財・研究ノウハウ)群を共有し、LabBase Xによって企業側との接点を増やすことで、世の中に眠っている研究シーズの活用率向上を目指す。
●LabBase X側のメリット
国内22大学・機関のPUiPが有するシーズを掲載することで、LabBase Xのデータベース上にある研究者・研究シーズ情報を増やし、より多くの企業様の連携ニーズの充足が可能になる。
●PUiP側のメリット
LabBase Xにシーズ群を掲載することで、企業に情報を伝えるチャネルが増え、シーズ群の利用候補企業へのリーチ増加が可能になる。
<株式会社POL 会社概要>
「研究者の可能性を最大化するプラットフォームを創造する」をミッションに掲げるLab Tech企業。両親が大学勤務者というアカデミアのバックグラウンドを持ち、自身も東京大学工学部在学中である代表加茂が、「研究者の可能性を最大化し、科学と社会の発展を加速したい」との想いから2016年9月に創業。理系学生に特化したダイレクトリクルーティングサービス『LabBase』、産学連携を加速する研究者データベース『LabBase X』などのLab Tech(研究×Technology)事業を展開中。
<LabBase X サービス概要>
国内約29万件の研究者・研究シーズ情報を集約し、企業のニーズに適した研究者を効率的にリサーチできる研究開発に特化したデータベース。詳細はこちらから。https://material.labbase.jp/x/business/
<PUiP団体概要>
任意団体「大学知財群活用プラットフォーム(Platform of University Intellectual Property)」。「知財群※」を形成し,ニーズに対して具体的な解決アプローチを迅速に提供する活動を実施。関係大学・機関、企業との「Face to Faceのワーキング」を基本とした効率的な活動を展開中。
※知財群:複数大学・機関の特許や研究ノウハウを、社会ニーズ、企業ニーズに対応しポートフォリオ化したもの。
会員機関:宇都宮大学、神奈川大学、埼玉大学、芝浦工業大学、(公)首都大学東京、(株)信州TLO(信州大学)、筑波大学、東京電機大学、東京理科大学、日本原子力研究開発機構、山梨大学、横浜国立大学、群馬大学、静岡大学、上智大学、千葉大学、中央大学、東洋大学、鳥取大学、日本大学、明治大学、早稲田大学
詳細はこちらから。https://www.chizaigun.org/
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(eiicon編集部)