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【連載/4コマ漫画コラム(43)】 新規事業・オープンイノベーションの部署立ち上げ時に必ずやっておきたいこと

【連載/4コマ漫画コラム(43)】 新規事業・オープンイノベーションの部署立ち上げ時に必ずやっておきたいこと

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山ほどあるよ

新規事業やオープンイノベーションの部署には大別して2種類あります。

1.「この(新規)事業をやるぞ」と既に決まった事業をやる部門

2.「様々な新規事業をこれから生み出すぞ」という部門

 (どちらにもオープンイノベーションは強力な武器・手段になります(が、目的にはなりません))

今回は2のタイプの部署(「あれこれやるぞ!」)の立ち上げ時にやるべきことについて書きます。沢山あります。

●予算枠の確保(お金がなくては活動できません)(参考:第8回

●チームビルディング

●メンバーの既存事業で染みついた垢落とし(参考:第33回

●新規事業立ち上げのプロセス作り

●邪魔になる社内ルール/慣習の洗い出しと新ルールの制定/新文化の醸成

●部署の愛称やロゴ(^o^;)

………などなど山ほど色々ありますが、今回は「狙いの新規事業領域の設定」と「部署を創ったおエライさんの意向の確認」の二つのポイントに絞ってお話しをします。

1-1. 狙いの新規事業領域:適切な大きさで

「なんでもいいから新規事業を創ろう」というのは実はとても難しい。メンバーも戸惑うばかりで、力も分散されてしまいます。「こういう領域の新規事業を狙おう」という領域を複数(多くても5つくらいまで)設定する必要があります。

その際、大事なのは「(領域が)大きすぎず、小さすぎず、適切なサイズであること」です。「AI」「環境」「エネルギー」などでは大きすぎます。大きすぎて、結局何を狙っていくのかのイメージが湧きません。

一方、「保育園用の幼児見守りロボット」「間伐材を用いたバイオガス発電」などは「領域」としては狭すぎます。これらは「領域」というより「新規事業の事業候補」として推進すべき類で、それら個別の新規事業候補が複数包含される「具体的であり適切な大きさを持った新規事業領域」の表現を考えなければなりません。

コツのひとつは、「~技術」とかではなく「~サービス事業」として「顧客に提供する価値を表現する」ようにすることです。そうすると、単に一つだけのハードウエアや技術に捉われず、さまざまな商品・事業に思いを致せるようになります。

実際に作るのはなかなか難しいですが、頭から汗をかいて考えればなんとかなります。

(具体的な事例を書こうかと思ったのですが、どうしても昔作った本当の「狙いの領域」になってしまうので守秘義務のため割愛します(ごめんなさい))

1-2. 狙いの新規事業領域:すぐver.1を

よくある(本当によくある)ダメなケースは、部署ができ、「それでは、狙いの新規事業領域案を検討するためのスケジュールを検討しましょう」と「検討のための検討」をやってしまって(事前ネゴのための事前ネゴみたい………)、実際に「領域案」ができるのが3か月後とか半年後(ひどい場合は1年後とか)になってしまうことです。

これではダメです。

遅くても部署発足から1週間以内には方針発表をやって、その中で「狙いの新規事業領域 ver.1(バージョン1)」を発表しちゃいましょう。

「いやいや『発表しちゃいましょう』でいいのか?あまり出来がよくない内容だったらメンバーが不幸になるのではないのか」と思われる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。新規事業の基本的な態度である「やってみて、学習して、ダメだったら明確に変えていく」ことをこの「領域の設定」でもやればいいのです。「何も決めない」方がよっぽど不幸な結果を招きます。

ちょっと「ファーストチェス理論(チェスの次の手を5秒で考えたのと30秒かけて考えたのを比べても実は86%は同じ答え)」にも似ています。もちろん、そのためには新規事業の部署ができる前から自分の現在の業務以外のあれこれにいつも好奇心を持って、自分で物事を考える毎日を送っていることが肝要です(仕事と関係なくても人生を豊かにするためにも)。

2-1. 誰の肝いりか

二つ目のポイントは部署ができるという話がアナタ(その部署のリーダーとします)に内示のような形でやってきた時にすぐ開始することです。それは「誰の意向でその部署ができて、その人はどういう期待を持っているのか」を明らかにすることです。

新部署設立がまだ公にはされていないことが多いので、なかなか動きづらいこともありますが、それでも隠密や忍者のようにしてなんとかまず「誰の意向」の「誰」を探し出し、「期待」を聞きに行きましょう。かなりの上位職(社長や役員)がその発信源であることが多いです。直属の上司からの内示であったとしても、その発信源(震源)の方と直接話をしましょう。

2-2. 使える期待にする

その人が明確に「期待」や「意向」を持っていてアナタに伝えてくれれば最高ですが、そうでもない「ぼんやり」している場合も多々あります。でも、「なんだ、はっきりしていないのか………残念。勝手にやるしかないな」とは思わずに、これを機会にその「ぼんやり」を何回もの対話を通じて磨き、昇華して、明確な言葉を引き出しましょう。

「引き出す」と言っても、アナタが考えている方向への「誘導尋問」に近い形でOKです。ただし、あくまで「押し付ける」のではなくて「そういえば、そう思っていたよ」と自分が考えていたような気にさせる(失礼な言い方ですが)のが肝要です。

「毎年2つくらいの新規事業が立ち上がってほしい」「自社で培ってきたXX技術を生かして農業領域に乗り出して欲しい」など、なんでも構いません。沢山あればあるほど、その「言語化」された「期待」をあれこれ使って、具体的な活動の方向性を決めたりすることや、予算確保や人員確保がやりやすくなります。

スタートダッシュでその後の勢いは大きく変わります。楽しく頑張ってください。


■漫画・コラム/瀬川 秀樹

32年半リコーで勤めた後、新規事業のコンサルティングや若手育成などを行うCreable(クリエイブル)を設立。新エネルギーや技術開発を推進する国立研究開発法人「NEDO」などでメンターやゲストスピーカーを務めるなど、オープンイノベーションの先駆的存在として知られる。

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