CTCと吉野家ファーム福島、スマート農業の共同研究「Smart Nexus Agri Project」を開始
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社と株式会社吉野家ホールディングスのグループ企業で農業事業を展開する株式会社吉野家ファーム福島は、スマート農業技術を活用した持続的な農業経営と次世代の担い手育成を目指す共同研究「Smart Nexus Agri Project(スマート ネクサス アグリ プロジェクト)」を開始した。
同研究では、水稲栽培における情報共有の効率化、作業負荷の軽減、収量の向上に関する検証を行う。期間は2026年4月から2027年3月まで。
近年、農業現場では大規模化が進む一方で、農業従事者の高齢化や担い手不足による耕作放棄の増加が深刻化している。精密機器やセンシング技術を活用したスマート農業への期待が高まる一方、多様なツールやサービスを比較・検証する時間と人員の確保が難しく、導入が十分に進んでいない状況がある。そのため、次世代の担い手がスマート農業技術を検証する機会が得られず、人材育成や技術普及の遅れにつながっている。
「Smart Nexus Agri Project」は、スマート農業技術の選定から生産性向上につながる活用方法を開発し、持続的な農業経営と次世代の担い手育成を目指す取り組み。現在、吉野家FFが福島県白河市表郷地区に保有する233枚、約50haに及ぶ広大な水田圃場を実証フィールドとして活用し、実証を進めている。
CTCは、栽培記録を管理するクラウド型サービスや水位・水温センサー、自動給水ゲートなどのスマート農業関連サービスの選定、調達、環境整備を担い、水稲栽培における情報共有の効率化、作業負荷の軽減に向けた実証試験の設計やデータ分析に取り組んでいる。
「Smart Nexus Agri Project」の概要
期間:2026年4月~2027年3月(2026年9月末に収穫予定)
対象作物:水稲(品種:こしひかり)
研究場所:吉野家ファーム福島(福島県白河市表郷地区)
研究内容:
1. 栽培記録の管理サービスを活用した生育状況や圃場情報、作業記録などの共有による情報の可視化
2. 水位・水温センサーや自動給水ゲートを活用し、作業の遠隔化による省人化の検証
「Smart Nexus Agri Project」のイメージ
吉野家ファーム福島は、2013年10月に吉野家ホールディングスと地元農家が共同出資して福島県白河市に設立した農地所有適格法人。吉野家やはなまるなどグループ各社で使用する農作物の安定調達と、日本の農業の活性化を目的に、「IT×農業」を掲げたスマート農業を推進している。情報通信技術(ICT)を活用して作業の効率化や省力化を進めることで、農業従事者の高齢化や担い手不足といった課題に挑み、次世代へ持続可能な農業をつないでいくことを目指している。
CTCは、農地における温室効果ガスの排出量の測定や、データの可視化に関する実証実験にも取り組み、農業分野での実証を進めてきた。2025年度は、水田の環境データを蓄積・可視化するシステムの構築を行い、水稲生産者との共同研究を行ってきた。
今後は、両社で取り組みを進め、実用的なスマート農業技術の導入方法を検証し、農業現場における省力化と生産性向上の両立を目指す。また、本研究を通じて得られた結果をもとに、コメの栽培支援AIエージェントの開発も進め、日本の米づくりの未来を支える新たな農業モデルの構築につなげていく。
Smart Nexus Agri Projectの様子
▲圃場に設置した水位・水温センサー
▲圃場に自動給水ゲートを設置する様子
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)