スマートニュース メディア研究所、戸田市と連携し小・中学生向け「メディアリテラシー学習指導案」を開発 SNS時代の情報判断力を育成、全国の教育現場へ無償公開
スマートニュース株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:浜本階生)の社内シンクタンクであるスマートニュース メディア研究所は、埼玉県戸田市教育委員会と共同で、小・中学生向けの「メディアリテラシー学習指導案」を開発した。教材は同研究所のウェブサイト上で無償公開されており、全国の教育現場からダウンロードして活用できる。戸田市では2026年3月までに、市内すべての小・中学校での授業実施を予定している。
本指導案は、児童生徒が日常的に接するニュースやSNSなどの情報を適切に読み解き、主体的に判断する力を育てることを目的としている。2026年2月26日には、戸田市立戸田第一小学校において、開発された指導案に基づく授業が実施された。
SNS時代に求められる「情報との向き合い方」
今回の教材開発の背景には、SNS上での動画投稿や情報拡散を巡る問題の広がりがある。近年、児童生徒間の暴力行為などを撮影した動画がSNSに投稿・拡散され、被害の拡大や二次被害につながる事案が社会問題となっている。
こうした状況を受け、文部科学省は2026年1月、全国の学校に対しSNS上での動画投稿・拡散などに関する情報モラル教育を令和7年度中に実施するよう通知した。スマートフォンやSNSが普及した現在、児童生徒は情報の受け手であるだけでなく、発信者にもなり得る存在である。
戸田市ではこれまでも、情報に出会った際に「立ち止まって考え、判断する力」を育てるメディアリテラシー教育に取り組んできた。今回の指導案は、こうした社会的背景と学校現場の課題を踏まえ、同市教育委員会とスマートニュース メディア研究所が共同で開発したものだ。
45分授業で実施可能な教材を無償提供
今回提供される教材は、教育現場での再現性を重視して設計されている。主な内容は以下の3点だ。
メディア・リテラシー指導略案(授業設計を示した指導案)
授業スライド(授業で児童生徒に提示する教材)
掲示用資料(授業のポイントを教室に掲示できる資料)
いずれも45分授業で実施可能な構成となっており、小学校低学年から中学生まで、発達段階に応じた内容が用意されている。
中学校向け教材では、ニュースやSNS投稿を題材に「情報を信じてよいか」「拡散した場合にどのような影響があるか」を考える授業を実施する。情報の信頼性を検討するための視点として、「いつ」「ふく(複数の情報源)」「えび(エビデンス)」「はつ(発信元)」「ばい(バイアス)」というフレームを活用するのが特徴だ。
小学校高学年向けでは、この視点を用いながら対話形式で考えを深め、自分の判断の根拠を言語化する学習を行う。さらに、小学校低・中学年向けの教材では、「ほんとうかな?」という問いを起点に、情報を見たときに立ち止まって考える習慣を育てる内容となっている。
学校現場との連携で教材開発を継続
スマートニュース メディア研究所は、ニュースやメディアが社会にどのように役立つべきかをテーマに研究活動を行う社内シンクタンクとして2018年に設立された。メディアリテラシー教育の研究・実践のほか、世論調査なども実施している。
同研究所は戸田市教育委員会と継続的に連携しており、2025年には中学生を対象にニュース接触とメディア信頼の変化に関する学術調査も実施している。今回の学習指導案の開発は、こうした実証的な取り組みの延長線上にある。
さらに2026年2月には、総務省とプラットフォーム事業者などによる官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION(DPA)」が主催する「DIGITAL POSITIVE ACTION AWARDS 2026」において、「School賞」を受賞。アルゴリズムの仕組みを体験的に学ぶ教材「SNSのアルゴリズムを体験しよう」が教育現場から高く評価された。
スマートニュース メディア研究所は、今回の指導案を全国の教育現場に無償提供するとともに、今後も学校現場と連携しながら、児童生徒が情報と主体的に向き合い、判断する力を育むメディアリテラシー教育の普及に取り組んでいくとしている。
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(TOMORUBA編集部)