AGRI SMILE×三菱総合研究所×THE PAN GROUP JOINT STOCK COMPANYがベトナムでバイオスティミュラント活用のコメ増収実証を完了 農業残渣由来資材で収量43%増
株式会社AGRI SMILEは、株式会社三菱総合研究所およびベトナムの農業・食品企業THE PAN GROUP JOINT STOCK COMPANYと連携し、ベトナム北部フンイエン省において実施していたバイオスティミュラント資材を活用したコメ生産の実証を完了した。2025年6月から10月までの約5カ月間にわたる取り組みの結果、資材を散布した圃場ではコメの収量が43%増加し、気候変動下でも安定した生産性向上が期待できることが確認された。
本実証は、農業残渣を原料とする日本製バイオスティミュラント資材の効果検証を通じて、低肥料・高収量の持続可能な稲作モデルの確立を目指すもの。経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」を活用し、日本企業の農業技術の海外展開と現地課題解決を両立する共創プロジェクトとして実施された。
気候変動と肥料問題が稲作に影響、低投入型農業への転換が課題
実証は、PANが管理する約12アールの圃場で実施され、資材散布区と非散布区を比較する対照試験方式を採用した。施肥・防除・水管理条件や土壌条件を揃えた上で評価した結果、資材散布区ではイネの高温耐性や根張りの改善が確認され、収量は10アールあたり482.8kgから688.7kgへ増加。非散布区比で205.9kgの増収となり、収量は約1.43倍となった。
経済面でも効果が確認されており、1ヘクタール換算で約4,020万VND(約24万円)の利益増加に相当。費用対効果比率は6.1倍と試算され、農家にとって導入メリットの高い技術であることが示された。
ベトナム展開と作物拡張へ、持続可能農業の実装を加速
3社は今回の成果を踏まえ、ベトナム国内での資材流通に向けた準備を進めるとともに、他作物への適用可能性も検討していく方針だ。熱帯・亜熱帯地域における気候変動適応型農業技術としての展開を視野に入れ、農業生産性向上と環境負荷低減の両立を目指す。
日本企業のバイオテクノロジーと現地農業事業者の圃場運営力、さらにシンクタンクの分析力を組み合わせた本プロジェクトは、グローバルサウスにおける農業共創の一例といえる。気候変動対応と食料安定供給という世界的課題に対し、実証成果を起点とした社会実装の進展が注目される。
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(TOMORUBA編集部)