AI要件定義プラットフォーム「Acsim(アクシム)」を提供するROUTE06と生成AI活用による企業変革支援を行うグラファーが業務提携
AI要件定義プラットフォーム「Acsim(アクシム)」を提供する株式会社ROUTE06は、生成AI活用による企業変革支援を行う株式会社グラファーと業務提携を締結した。本提携により、要件定義から設計・実装・リリースまで、AIを前提とした開発プロセスを組織へ定着させる支援体制を構築する。
属人化しやすい要件定義と停滞するAI活用
DXの推進において最上流となる要件定義は、担当者の経験依存が根強く、品質のばらつきや手戻りの発生に悩む企業は多い。ROUTE06の調査では、部長職相当の約6割が「経験・スキル依存が課題」と回答し、9割以上が属人化を実感。8割超が半数以上のプロジェクトで手戻りを経験しているという。
一方、生成AIの進化により開発現場には大きな転換点が訪れているが、活用は個人・部分最適に留まり、全社浸透には至っていない。IPA調査によると、AIを業務で利用・許可する企業は16.2%と限定的。PwC調査でも「ノウハウ不足」「スキル保有者不在」が活用停滞の要因として示され、現場が前に進みづらい構造が浮き彫りになっている。
ROUTE06とグラファーには、「要件定義だけでなく設計・実装まで含め一気通貫で支援してほしい」「AI活用を組織に根付かせたい」といった声が寄せられており、こうしたニーズに応えるかたちで今回の提携が実現した。
Acsim × AI駆動開発でプロセスを標準化
両社は以下3つの支援を組み合わせ、要件定義〜開発一連のプロセスをAI前提で再構築する。
Acsim導入支援(ROUTE06)
現状把握・課題抽出から設計書生成まで、要件定義を標準化・構造化し非属人化を実現。
Acsim活用研修によるスキル定着(グラファー)
現場メンバーがAcsimを使いこなし、誰でも一定品質で要件定義できる体制を構築。
AI駆動開発プログラムの提供(グラファー)
設計〜実装〜リリースにAI活用を組み込み、バイブコーディングやAIペアプログラミングを定着。
期待される効果 リードタイム最大50%短縮、品質・再現性向上
「Acsim」による高速な要件定義と、グラファーのAI駆動開発プログラムによる効率化により、リリースまでのリードタイムは最大50%短縮が見込まれる。成果物の構造化により品質ばらつきも抑制し、属人性に頼らない再現性の高い開発体制を実現。さらに、現場だけでなくマネジメント層も含めAI前提のプロセスへ移行することで、組織全体のAI実装力を引き上げる狙いがある。
各社コメント
ROUTE06 取締役の松本氏は「要件定義の価値を開発全体に拡張し、生産性を根本から引き上げたい」と述べる。一方、グラファー 代表取締役の石井氏は「Acsim活用により上流から下流までAI統合したプロセスが可能になる」と語り、双方の技術が補完的に作用することを強調した。
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(TOMORUBA編集部)