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医療DXを推進する横浜市大発ベンチャー・CROSS SYNC、シリーズA2エクステンションのサードクローズを完了

医療DXを推進する横浜市大発ベンチャー・CROSS SYNC、シリーズA2エクステンションのサードクローズを完了

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医療DXを推進する横浜市立大学発ベンチャーの株式会社CROSS SYNCは、シリーズA2エクステンションのサードクローズを完了した。今回のラウンドでは、パラマウントベッド株式会社、SBI新生企業投資株式会社、株式会社アルムを新たな引受先とし、総額2.3億円を調達。累計調達額は5.2億円に到達した。医療現場のリアルタイム監視と遠隔支援を可能にする「iBSEN DX(イプセン ディーエックス)」の開発・普及を軸に、遠隔ICUの社会実装と医療の質向上を目指す。

医療の現場を変革する「iBSEN DX」

CROSS SYNCが開発する「iBSEN DX」は、重症系病床に入院する患者の生体情報を集中的に管理し、離れた場所からでもリアルタイムにモニタリングできるアプリケーションだ。2024年3月に医療機器認証を取得し、同年6月には遠隔ICU用途での保険収載を実現。これにより、専門医が常駐しない地域病院でも高度な集中治療を遠隔で支援することが可能となった。今回の調達資金は、「iBSEN DX」の全国展開やAI機能の研究開発、さらには海外進出を見据えた新規事業領域への投資に充てられる。

出資者からのコメント

パラマウントベッド株式会社 専務執行役員 営業本部長 宮嶋謙次氏は、「生体センシング技術とCROSS SYNC社のAI・遠隔医療技術の融合は、医療の安全性と効率性をさらに高める。『ICU Anywhere』という理念は、地域医療の未来に通じる構想だ」とコメント。

SBI新生企業投資株式会社 エグゼクティブアドバイザー 松原一平氏は、 「ICUの専門医不足や働き方改革などの課題に対し、『iBSEN DX』は信頼性と実用性を兼ね備えた革新的な解決策。日本のICU運営モデルを変えるポテンシャルを持つ」と評価した。

また、株式会社アルム 代表取締役社長兼CEO 大谷駿明氏は、「CROSS SYNC社の“防ぎ得た死をゼロに”という理念に強く共感する。遠隔医療とデータ解析の融合が、医療従事者と患者の双方に安心をもたらす」と述べ、今回の出資が技術革新を加速させる転機になると期待を寄せた。

「ICU Anywhere」構想——すべての病床を集中治療室に

CROSS SYNCは、「集中治療室という概念をなくし、あらゆる病床にICU並みの医療環境を提供する」ことをビジョンに掲げる。テクノロジーと医療ビッグデータを駆使し、医療従事者がより的確な判断を行える環境を整えることで、患者と現場双方に新しい価値をもたらすことを目指す。

髙木代表は、「医療の最前線で起きる“判断の遅れ”をなくすために、現場とテクノロジーの橋渡しを行う。それが私たちの使命だ」と語る。遠隔ICUの普及は、地域格差の是正や医療人材不足への対応にも直結する取り組みであり、日本の医療システムの持続可能性を高める挑戦ともいえる。

医療の“今”を変える、次なる一手へ

横浜市立大学の臨床研究棟を拠点とするCROSS SYNCは、学術的知見と現場ニーズの両面から医療DXを推進してきた。今後はAIを活用した予測アルゴリズムや、海外展開を視野に入れたプロダクト開発を進める構えだ。

医療の限界を技術で超える——その挑戦の歩みを支える今回の資本提携は、「ICU Anywhere」という構想の実現に向けた大きな一歩となるだろう。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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