
地方創生プロデュースの「さとゆめ」、HISより5.6億円の資金調達を実施
全国50 エリア以上で地方創生事業のプロデュースを行う株式会社さとゆめは、株式会社エイチ・アイ・エスを引受先とした第三者割当増資等により、5.6億円の資金調達を実施した。今回の調達で、さとゆめ及び子会社・関連会社での累計資金調達額は、デット及びエクイティを合わせて、約20億円に達する。
調達の背景
さとゆめは「ふるさとの夢をかたちに」をコーポレートミッションとし、創業12年となる現在まで、全国50エリア以上で地方創生分野における伴走型コンサルティング及び、事業プロデュースを展開している。
これまで過去2回の資金調達により、地域での事業開発を加速し、8つの施設(ホテル4施設、ショップ3施設、コワーキング1施設)を開業すること等で、地域に継続的に雇用や賑わいを生み出してきた。また、伴走型コンサルティング以外にも、地域の課題解決に繋がる新たな事業として、地域での人材育成事業、ふるさと納税運営代行事業、不動産投資事業等の新規事業の開発にも着手している。

▲さとゆめ及び、子会社・関連会社が運営する施設
HISとは、2024年7月2日に資本業務提携を締結し、同社より4名の社員の出向を受け入れると共に、HISとの共同事業「Destination Create Project(※)」に関する協定をこれまでに10 地域と締結、そのうちの7地域でHISから現地に出向社員を派遣。また、新規事業開発での営業協力など、多大なる支援をいただいている。
このようなことから、両社の事業シナジーにおいて、更に強固な連携を図り、今後のさとゆめの新規事業拡大及び、組織体制の強化を進めるべく、このたびの第三者割当増資及び、普通株の一部譲渡によるHIS からの資金調達を実施するに至った。
※Destination Create Project(新・目的地創出事業):
有名観光地でのオーバーツーリズムが表面化する中で、従来の有名観光地だけでなく、これまで観光地とされていなかったような地域においても「新しい目的地」をつくり、日本が観光立国として、国内外のより多くの観光客にとって開かれた国になることを目指すプロジェクト。略称「DCP」。(https://dcpweb.jp/)
調達資金の使途と今後の展望
さとゆめは、コーポレートミッション「ふるさとの夢をかたちに」を、全国のより多くの地域で実現するため、以下の4つの要素を組み合わせた、さとゆめならではの地方創生モデル「さとゆめモデル」の確立を進めている。今回調達した資金を活用し、HISとの連携を生かしながらこのモデルを完成させ、全国約1700の地方自治体での伴走型コンサルティング及び、地域事業開発を加速していく。

①調査・計画~事業の立上げ・運営までの伴走
さとゆめは創業以来、調査・計画から商品・サービス ・事業の立上げ、さらには事業の運営まで徹底的に地域に伴走してきた。現在、50以上のエリアで事業の立上げ・運営に取り組んでいるが、HISの国内外のネットワークや旅行・観光の深いノウハウを有する人材等も活用することで、さらにエリアを広げ、地域での事業開発を加速する。
②計画・人材・資金のトータルコーディネート
地域で事業を行う上でネックになるのが人材と資金。これらの課題を解決するために、都市部の企業の社員を、地域に派遣する「越境型人材育成事業」や、地域に新しいお金の流れを生み出すための「ふるさと納税運営代行事業」の開発に着手しており、HISの支援を得ながら、今後、エリア拡大・顧客獲得等に注力していく。
③エリアマネジメントとファシリティマネジメントの両立
さとゆめは、地域全体での計画策定・推進といったエリアマネジメントに強みを持っている会社である一方で、グループ全体で8つの施設の運営を手掛けていることから、ファシリティマネジメント(施設運営)の領域をさらに強化するために、専門会社「株式会社さとのひ」を設立した。これにより、施設運営に関する専門人材の採用・育成、ノウハウの蓄積を強化し、エリアマネジメントとファシリティマネジメントを両立できる体制を構築していく。さらに今後はHISと連携し、地方自治体の指定管理施設の運営受託、地域公社の経営再建等も強化する。
④所有と運営の分離
施設系の事業が増えてくると、物件の取得や改修のために銀行等から資金を調達することで資産や負債が増え、バランスシートが重くなり、事業スピードが減退する懸念が高まる。
そうした課題を解決するために、施設を不動産投資家等に売却(オフバランス)し、不動産投資家から施設を賃貸し、運営で利益をあげる「所有と運営の分離」モデルにもチャレンジしている。2025年には 2施設のオフバランスに成功し、今後、この「所有と運営の分離」モデルにより、ホテルやレストラン等の施設系事業の開発を積極的に推進する。
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(TOMORUBA編集部)