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BtoCビジネスを、もっと科学的に――ミドルエイジ女性から支持されるメーカーが挑む“知恵の協業”。「fracora OPEN INNOVATION PROGRAM」始動!

BtoCビジネスを、もっと科学的に――ミドルエイジ女性から支持されるメーカーが挑む“知恵の協業”。「fracora OPEN INNOVATION PROGRAM」始動!

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サプリメントなどへのニーズは高まり、そこには広大なビジネスチャンスがあると言える。今回新たにオープンイノベーションプログラムを開始するのは、株式会社協和。ミドルエイジの女性をターゲットに「fracora(フラコラ)」という自社ブランドの化粧品や美容健康食品を提供するメーカーだ。

70万人もの顧客データには、大きなビジネスの可能性を感じられる。また、日本国内のみならず、近年は中国やタイにもビジネスを展開している。協和は新しいテクノロジーに関心が高く、「BtoCビジネスを、もっと科学的にしたい」と意気込む。

▲「フラコラ」ブランドの原液美容液 http://www.fracora.com より

そこで今回スタートさせたのが、【fracora OPEN INNOVATION PROGRAM】だ。ミドルエイジのシニア女性に向けた、「美容・健康」の共創プロジェクト立案プログラムとして、以下7つの募集コースを用意している。

●美容・健康データ部門

●越境中国マーケティング部門

●新原液化粧品開発部門

●クロスセル商品開発部門

●販売連携部門

●マーケティングテクノロジー部門

●その他なんでも部門

協和は、共創パートナーとのオープンイノベーションによって、すべてのミドルエイジ女性が健康で輝く社会を実現する「スマートライフ・プラットフォーム構想」の実現を目指している。その真意とは?そして、共創相手にとって魅力的なポイントとは?――本プログラムにコミットする協和の代表取締役社長・堀内氏と、リクルート時代から数々の新規事業やインキュベーションを手がけ、今春には自ら起業したアルファドライブ・麻生氏による対談を実施した。

【写真右】 株式会社協和 代表取締役社長 堀内泰司氏

一橋大学経済学部卒業後、住友化学工業入社。32歳の時に同社を退社し、起業。農産物流通に革命を起こすことを目指して中間流通事業を立ち上げ、大手企業と取引を行う。その後は事業を売却し、かねてより構想を練っていた美容と健康をテーマとした通販事業に取り掛かる。現在はサプリメントのほか、プラセンタエキス原液やプロテオグリカン原液といった化粧品も展開。IT黎明期よりECビジネスの可能性を信じ、準備をしていた。AIやデータマイニングなど先端テクノロジーの導入にも意欲的に取り組む。


【写真左】 株式会社アルファドライブ 代表取締役社長 兼 CEO / ファウンダー 麻生要一氏

株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)に入社後、ファウンダー兼社長としてIT事業子会社(株式会社ニジボックス)を立ち上げ、経営者としてゼロから150人規模まで事業を拡大後、ヘッドクオーターにおけるインキュベーション部門を統括。社内事業開発プログラム「Recruit Ventures」及び、スタートアップ企業支援プログラム「TECH LAB PAAK」を立ち上げ、新規事業統括エグゼクティブとして約1500の社内プロジェクト及び約300社のベンチャー企業・スタートアップ企業のインキュベーションを支援した経験を経て、自らフルリスクを取る起業家へと転身。2018年2月に企業内インキュベーションプラットフォームを手がける株式会社アルファドライブを創業。また、2018年4月に医療レベルのゲノム・DNA解析の提供を行う株式会社ゲノムクリニックを共同創業。

“縦”ではなく“横”で組んで刺激し合わなければ、新しいことは生まれない

――サプリメントや化粧品といった美容と健康を主軸として事業を展開している協和さんですが、今回オープンイノベーションプログラム実施に至った背景を聞かせていただけますか?

協和・堀内氏 : 当社は、「持たざる経営」を経営スタイルとして掲げています。自社ブランドメーカーですが、工場やコールセンター、物流組織などは信頼できる企業にアウトソースし、私たちは商品開発とマーケティング機能のみに集中しています。変化の激しい世の中、お客様の立場で物事を考えていくには、身軽なことが一番。何かを所有すればするほど動きが鈍りますし、投資の方向性も変わってしまいます。ですから当社はあくまで“知恵だけの会社”として、研究開発と新しいテクノロジーへの投資に資源を集中しています。

アルファドライブ・麻生氏 : なるほど。

協和・堀内氏 : とはいえ協和は社員100名だけの組織。自社だけの力では何もできません。そこで、経営理念として「信頼と相互理解をもとに、協業によるネットワークを拡げ、全員参加の開かれた経営を行います。」とうたっている通り、良いパートナーと組んで仕事をする姿勢を大切にしています。特に今の時代、いろんな発想の相手と、“縦”ではなく“横”で組んで刺激し合わなければ、新しいことは生まれない。オープンイノベーションこそ、成長の源泉だと考えています。

アルファドライブ・麻生氏 : 協和さんは一般的な化粧品メーカーのイメージと、考え方や経営スタイルが大きく違いますね。特に僕が特徴的だと思うのは、「データ」や「プラットフォーム」といった言葉を堀内社長が盛んに発していらっしゃること。単に化粧品を作って売るのではなく、そこからデータを取得してプラットフォーマーになることを目指していますよね。その辺りに共創のチャンスがあると思っています。

協和・堀内氏 : 私はBtoCビジネスを、もっと科学的にしたいと考えています。これまで化粧品やサプリメント業界では、自分の売りたい商品を作って売っていました。それがヒットした・ヒットしないと一喜一憂していたのです。しかし今後はデータマイニングにより、お客様一人ひとりのライフスタイルやニーズをつかむことができるでしょう。そしてピンポイントに商品やサービスを提供すれば、お客様と長いお付き合いを続けていくことができます。そうすることで、当社はお客様と同じ価値観、同じ理念を共有する、一元論のコミュニティを作っていきたいと考えています。

アルファドライブ・麻生氏 : 業界の中では先進的な考えだと思います。いつ頃から、こうした考えを持っていらっしゃるのですか?

協和・堀内氏 : この事業を始める前(2004年以前)からですね。私たちが科学的に仕事をすれば、今まで以上にお客様に貢献できる。作りたいものを作って売るよりも、その方がずっと面白いですよね。――ですから当社はマーケットシェアの拡大や、会社を大きくすることに価値を感じていません。個々のお客様と深いコミュニケーションを取り、同じ価値観の方々と共創していきたいんです。

美と健康への意識が高いミドルエイジ女性の顧客基盤が魅力

――今回のプログラムを通じて、特にどのような技術やサービスを持つ相手と協業したいと考えていらっしゃいますか?

協和・堀内氏 : 先ほどお話した「お客様との一元論のコミュニティ」を作るために、まずはどんな情報をどう取得・分析すれば、個々のお客様の美と健康へのニーズが分かるのか。そこに対する技術やアイデアのある企業ですね。もちろん、いい商品のアイデアをお持ちの方々と、より良い商品を開発していきたいと考えています。

――中国のEC企業アリババ社との提携もしていらっしゃいますが、海外市場への展開で共創できる可能性もあるでしょうか。

協和・堀内氏 : 中国市場への展開はまだ始まったばかりで、オープンイノベーションで何かできる可能性としては未知数です。ただ、中国はマーケットが大きいので、将来的に国内売り上げを超えるのではないかと予想しています。また、中国の他にもタイにも展開しています。

アルファドライブ・麻生氏 : 僕から見て、協和さんと共創する一番の魅力は、ミドルエイジの美意識高い女性70万人の顧客基盤があることですね。この層はとてもポテンシャルのある市場であり、高いビジネス価値を秘めています。ですから、データを取得・分析することが得意な会社ならば、協和さんと組むことで今までにない価値が創出できるでしょう。他にも、「こういう素材があるが化粧品に使えないか」「中国でこんなことを一緒にできないか」など、具体的なテクノロジーやサービスがあれば、協業しやすいと思います。

協和・堀内氏 : そうですね。そういった技術・アイデアを持っている企業とはぜひ、共創したいですね。

▲「フラコラ」のユーザーは美容に関心の高いシニア女性。本プログラムでは、70万人の顧客基盤へのマーケティングチャネルの提供や、約400万人分の購買・嗜好データを保持している。 ※画像は「フラコラ」HPより http://www.fracora.com

アルファドライブ・麻生氏 : 一方で、オープンイノベーションを成功させるために重要なのが、風土です。協和さんは「開かれた経営」を標榜している通り、オープンでフラット。社外のパートナーさんも垣根なく社内に出入りして、同じテーブルを囲んで議論をしていらっしゃるんですよね。こうした雰囲気は、スタートアップ企業の方々にとって魅力的だと思いますよ。今回のプログラムで採択された企業も、自由に出入りできるんですよね。

協和・堀内氏 : もちろんです。情報もデータも、すべてオープンにしています。そもそも、会社というのは部署の集まりではなく、課題別プロジェクトチームの集まりだと考えています。何か課題があれば、それに対するスキルやアイデアがある人でチームを作るのですが、100人の組織では足りません。そこで、社外からも多様なプロフェッショナルの方々に加わっていただいています。チーム内で、社内・社外の壁は一切ありません。課題解決に向けて、お客様の立場でワイワイガヤガヤ徹底的に議論を交わしていきます。

お客様の美と健康をかなえるため、“知恵の協業”を進めていきたい

――最後に改めて、どんなマインドを持った相手と、どのような共創をしていきたいのか、メッセージをお願いします。

協和・堀内氏 : 美容と健康に関わるビジネスを展開し始めて、まだ14年。当社もまだまだスタートアップ企業です。今回、技術やアイデアをお持ちの方々と刺激し合い、イノベーションを創出していきたいですね。ぜひ、良質な“知恵の協業”を進めていきましょう。

アルファドライブ・麻生氏 : “知恵の協業”。まさにオープンイノベーションですね。

協和・堀内氏 : また、「自分だけ、自社だけが良ければいい」という考え方では共創はうまくいきません。これからの時代、自分だけではなく相手も、お客様も、全体が良くなることを考えていくことが不可欠です。そうした姿勢を持つ方々とフラットに“横”の繋がりを創り、一緒に良い仕事をしていきたいですね。

取材後記

「“知恵”の機能に特化した化粧品メーカーであり、外部との協業に壁がない」、

「ミドルエイジの美意識の高い女性を中心に、70万人の顧客基盤がある」、

「データマイニングなどテクノロジーを活用して顧客のニーズを分析し、パーソナライズされた商品・サービスを提供しようとしている」、

「オープンイノベーションに適した風土が醸成されている」――このように、商品を見るだけでは決して分からない、協和独自の魅力がこの対談で浮かび上がってきた。事業において明確な強みがあることはもちろん、「共創パートナーにとって魅力的」と麻生氏が太鼓判を押す同社のカルチャーも、特徴の一つと言えるだろう。

【fracora OPEN INNOVATION PROGRAM】の詳細・応募方法は、以下のURLから確認することが可能だ。8月末には選考を行い、9月中には採択案件が決定する予定となっている。協和と共にイノベーションをおこすチャンスをぜひ、つかんでほしい。

※fracora OPEN INNOVATION PROGRAM → https://fracora-oi.com/ 

(構成:眞田幸剛、取材・文:佐藤瑞恵、撮影:古林洋平)

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