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大塚倉庫とIoTプラットフォームを展開するソラコム、生成AIを活用した倉庫の侵入検知システムを共同開発

大塚倉庫とIoTプラットフォームを展開するソラコム、生成AIを活用した倉庫の侵入検知システムを共同開発

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株式会社大塚倉庫とIoTプラットフォームを展開する株式会社ソラコムは、生成AIとカメラを活用した新たな倉庫向け侵入検知システムを共同開発した。従来型の監視カメラを進化させ、より高度なセキュリティ体制の構築を目指すこの取り組みは、「経験と勘」に頼らない物流オペレーションを掲げる大塚倉庫の「コネクテッド物流」戦略の一環として位置づけられる。

「コネクテッド物流」の実現に向けた第一歩

医薬品・食品・日用品などの物流を担う大塚倉庫は、「コネクテッド物流」の実現を掲げ、現場の見える化やデジタル活用による効率化を推進している。2025年春からは、全国に展開する物流拠点を東京本部でリアルタイムに可視化・一元管理する体制づくりに着手。その一環として、侵入検知に生成AIを活用した新システムの導入が進められている。

本システムでは、複数のカメラが定期的に倉庫内の静止画を取得し、その画像を生成AIが分析。不審者の可能性がある状況を検出すると、即座に管理担当者へ通知が届く。これにより、従来のように録画映像を後から確認する方式に比べ、即応性とセキュリティが大幅に向上。現場の安心と業務品質の向上に寄与する。

SORACOM Fluxで生成AIの現場導入をスピード実現

開発の要となったのが、ソラコムが提供するローコードIoTアプリケーション開発サービス「SORACOM Flux」だ。生成AIモデルとの連携により、検知条件は自然言語で柔軟に定義・変更が可能。たとえば、「ヘルメット未着用」や「作業区域外での人影」など、詳細な状況設定を簡単に生成AIに渡すことができる。

生成AIにはGoogleの「Gemini」を採用。強化学習やファインチューニングといった事前学習を必要とせず、汎用モデルでも十分な検知性能を発揮したことがPoC(概念実証)で確認された。開発開始からわずか1ヶ月でPoCを開始できたスピード感も、Fluxの柔軟性と直感的な操作性によるものだ。

大塚倉庫テクノロジー本部 最高技術責任者・関谷清氏は、「倉庫の現場では日々状況が変化するため、それに柔軟に対応できる仕組みが重要」と語る。生成AIを活用することで、例えば「ヘルメット未着用」などの条件を自然言語で簡単に設定変更でき、現場ごとのニーズに即した対応が可能となったという。

出荷ミス防止などへの応用も視野に

今後は侵入検知にとどまらず、生成AIとカメラ画像を組み合わせた出荷作業の分析にも取り組む予定で将来的には、作業工程の記録やミスの予兆検知など、倉庫内のさらなる効率化・品質向上にもつなげていく考えだ。

倉庫業界は荷物の多様化・業務の複雑化が加速することが予想される中、大塚倉庫とソラコムによる今回の取り組みは、先進技術で現場課題に挑む新たなモデルケースといえる。生成AIとIoTを組み合わせた「つながる物流」の可能性が、いま大きく広がろうとしている。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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  • 岩倉 哲也

    岩倉 哲也

    • 通信サービス会社
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