
建設機械レンタル業界のDXを推進するSORABITO、約10億円を調達。ENEOSやゼンリンと共に「はたらく機械のエコシステム」構築を加速
建設機械レンタル業界のDXを推進するSORABITO株式会社は、ENEOSイノベーションパートナーズ合同会社、株式会社ゼンリンフューチャーパートナーズ、株式会社インスパイアを引受先とした第三者割当増資と、日本政策金融公庫からの融資を通じて、総額約10億円の資金調達を実施した。今回の調達により、創業以来の累計資金調達額は約47億円に達する。
業界横断で共創する「はたらく機械のエコシステム」
SORABITOが掲げるビジョンは、「はたらく機械のエコシステムを共創する」こと。建設業界や建機レンタル業界を中心に、業種や地域を超えたステークホルダーと協力し、機械の貸し借りをスムーズにする仕組みの構築を目指している。その核にあるのは、「必要な機械を、必要なときに、必要な場所で」活用できる世界の実現だ。
ENEOSグループは、全国に展開するサービスステーションというリアルな接点を活かし、エネルギートランジション時代の新たなサービス提供に取り組んでおり、今回の出資を通じてSORABITOとの将来的な連携に期待を寄せている。
一方、ゼンリンフューチャーパートナーズは、グループが保有する位置情報データを活用した新たな価値創造を目指しており、建設機械の稼働や配置に関する情報連携などを視野に、SORABITOとの協業を進めていく構えだ。
投資家の声──現場志向と未来志向の融合に期待
ENEOSイノベーションパートナーズの社長・島貫将司氏は、「SORABITO社の持つ建設機械レンタルプラットフォームと、弊社ブランドのサービスステーションを組み合わせることで、将来的な協業の可能性が広がる」と述べ、SORABITOのビジョンと業界知見への高い期待を表明。
ゼンリンフューチャーパートナーズのプリンシパル・立花拓紀氏も、「SORABITO社の現場に寄り添ったサービス開発力と経営陣の先見性を高く評価している」とし、グループのアセットと融合させることで、業界の未来像をともに描いていく意志を示した。
DX支援サービス「i-Rentalシリーズ」で業界を変革
SORABITOは、建設機械レンタル業務のオンライン化を推進するSaaS「i-Rentalシリーズ」を展開しており、「i-Rental 注文」「i-Rental 点検」などを通じて、業務の効率化と省人化を実現してきた。また、建設会社向けには「GENBAx点検」サービスも提供しており、機械や足場、安全設備などの点検業務をペーパーレス化することで、現場の負担軽減と安全性向上に貢献している。
地域や規模を問わず、全国の建設会社への導入が進んでおり、SORABITOの提供するソリューションはすでに業界のインフラとなりつつある。
今後の展望──デジタルとリアルをつなぐ共創モデルへ
今回の資金調達を機に、SORABITOは単なる資金の確保にとどまらず、ENEOSやゼンリンといった異業種との連携を通じて、新たな共創モデルの実現を目指す。デジタルとリアル、データと現場が融合することで、「はたらく機械」の価値は一層高まり、建設業界全体の生産性向上とサステナビリティに貢献することが期待されている。
SORABITOの挑戦は、機械を巡る人・モノ・情報の流れを変革する「エコシステム」の未来へと続いていく。
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(TOMORUBA編集部)