
NEDO、ディープテック分野のスタートアップ11社を新たに採択
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2025年4月4日、「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業)」および「GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX事業)」の最新の採択結果を発表した。今回新たに、革新的技術で社会課題の解決を目指すスタートアップ11社が選ばれた。総助成金額は約72.7億円にのぼる。
「スタートアップ育成5か年計画」の一環として支援を強化
この取り組みは、技術確立までに長期の研究開発と大規模な資金を要する「ディープテック・スタートアップ」に対し、実用化研究開発から量産化実証までの各段階(STSフェーズ、PCAフェーズ、DMPフェーズ)で支援を行うものだ。
今回の採択は、政府が掲げる「スタートアップ育成5か年計画」や「GX実現に向けた基本方針」などの政策方針に沿ったもので、ディープテック分野のエコシステム形成とユニコーン企業創出を視野に入れた支援の強化が狙いだ。
第6回目の公募となったDTSU事業には54件の応募があり、うち10件が採択(STSフェーズ5件、PCAフェーズ4件、DMPフェーズ1件)。第3回目となるGX事業には15件の応募があり、1件(STSフェーズ)の採択となった。
支援は継続審査制、外部支援者とも連携
採択された各スタートアップは、フェーズごとに研究開発を実施し、モニタリングやステージゲート審査を経て次段階に進むこととなる。NEDOは、資金支援のみならず、パートナーVCなどの外部支援者とも連携し、事業化の実現を後押しする。
今後も同事業では複数回の公募が予定されており、日本発のディープテック・イノベーション創出が期待されている。
■別紙1:DTSU事業 採択先一覧
● STSフェーズ
Mantra株式会社
・テーマ:マンガ機械翻訳の高度化に向けた基盤技術の開発
・パートナーVC:MPower Partners GP, Limited
株式会社CrowdChem
・テーマ:素材産業における社内外データ統合材料プラットフォームの開発
・パートナーVC:PKSHAアルゴリズム2号投資事業有限責任組合
HILO株式会社
・テーマ:光診断薬の基盤技術革新と臨床展開促進のための技術開発
・パートナーVC:グリーンコア株式会社
株式会社illuminas
・テーマ:完全固溶合金ナノ粒子の実用化を加速する連続合成システムの確立
・パートナーVC:JMTCキャピタル合同会社
株式会社DigitalArchi
・テーマ:生産性を革新する資源循環型3Dプリント建築工法の開発
・パートナーVC:株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ
● PCAフェーズ
Letara株式会社
・テーマ:プラスチックを燃料としたハイブリッド化学推進の宇宙実証
・パートナーVC:インキュベイトファンド株式会社
株式会社A-SEEDS
・テーマ:革新的CAR-T細胞製品の臨床実装を目指した量産技術の開発
・パートナーVC:なし
株式会社AIメディカルサービス
・テーマ:上部消化管内視鏡AIのグローバル製品の開発
・パートナーVC:なし
EF Polymer株式会社
・テーマ:完全有機吸水性ポリマーの多拠点化及び大規模利用に向けた実証
・パートナーVC:株式会社MTG Ventures
● DMPフェーズ
リージョナルフィッシュ株式会社
・テーマ:地球沸騰時代に適応する優良な水産物品種の改良
・パートナーVC:なし
■別紙2:GX事業 採択先一覧
● STSフェーズ
株式会社フレンドマイクローブ
・テーマ:脱炭素に資する大容量油含有排水微生物処理システムの開発
・パートナーVC:株式会社ジェネシア・ベンチャーズ
※採択先の企業一覧など詳細は、以下のPDFにて確認可能です。
(別紙1)DTSU事業 採択先一覧PDF
(別紙2)GX事業 採択先一覧PDF
関連リンク:新たにディープテック分野のスタートアップ11社を採択しました | ニュース | NEDO
(TOMORUBA編集部)