
IPO準備の「見えないリスク」を解決──アイスリーとオープンが業務提携、反社チェック体制を強化
IPO支援ツール「はじめのIPO」を展開するアイスリー株式会社は、反社チェックサービス「RoboRoboコンプライアンスチェック」を提供するオープン株式会社と業務提携を開始した。急増するIPO準備企業において、コンプライアンス体制の整備は“避けて通れない壁”となっており、今回の提携はその中でも最重要とされる「反社チェック体制の構築」を支援する狙いがある。
IPOのノックアウトファクター──反社チェックの重要性
近年、IPO審査におけるコンプライアンス要件の厳格化が進む中、反社会的勢力との関係遮断は「ノックアウトファクター」とも言える要素だ。どれだけ成長性や収益性が認められていても、ガバナンス体制に疑義があれば審査は通らない。そのため、反社チェックの徹底は、もはや“形式的な通過儀礼”ではなく、戦略的な企業価値の一部となっている。
「はじめのIPO」×「RoboRobo」で準備の標準化を加速
「はじめのIPO」は、IPOプロセスにおける提出ドキュメントの作成管理を支援するSaaSツール。証券取引所や監査法人、証券会社など複数のステークホルダーとのやりとりの中で、「いつ・何を・どう作成すべきか」が分からないという実務担当者の悩みに応える設計となっている。
一方、「RoboRoboコンプライアンスチェック」は、取引先に違法性や反社会的な関係がないかを、生成AIによって記事分析・要約するクラウド型の反社チェックツール。実務者の判断負担を軽減しつつ、網羅性とスピードを両立させている。
アイスリーは、IPO準備を行う企業向けに、プロジェクト管理SaaS「はじめのIPO」を提供している。特に「ショートレビュー前後」のフェーズにある企業を対象に、内部統制の構築や管理体制の整備といった“初期段階からの伴走支援”に強みを持つ。一方のオープンは、独自の生成AI技術を活用し、網羅的かつ効率的に反社情報をチェックできるクラウドサービス「RoboRoboコンプライアンスチェック」を展開している。
今後の展望
今回の提携により、「はじめのIPO」導入企業は、反社チェック体制をスムーズに構築できるようになる。これまで属人的だった確認作業や、情報収集の曖昧さをAIによって標準化することで、IPO準備の「再現性」を高める効果が期待される。
両社は今後、「RoboRoboコンプライアンスチェック」の導入推進を通じて、IPO準備企業の反社チェックの“標準化”を目指す。また、アイスリーは「IPO準備のスタートと言えば『はじめのIPO』」というブランドイメージの確立に向け、他社との連携や機能拡充も進める考えだ。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)