
CareMaker、シリーズA 2ndクローズで資金調達完了──訪問看護の未来を支える“命のインフラ”の拡充へ
訪問看護・介護領域におけるDXを推進する株式会社CareMakerは、2025年4月、シリーズAラウンドにおける2ndクローズでの資金調達を実施した。新たな出資者としてNOBUNAGAビレッジキャピタル株式会社が加わり、既存投資家であるサイバーエージェント・キャピタル株式会社と共にCareMakerの成長を後押ししている。
現場起点で磨かれた仕組みを拡張へ
CareMakerは、訪問看護ステーション「くるむ」の多拠点展開と、業界特化SaaS「CareMaker」の開発・改良を並行して進めており、現場の実務に根差した改善を通じて、質と生産性の両立を目指す運営体制を構築してきた。今回の資金調達は、事業のさらなる拡大と、安定的かつ効率的なサービス提供体制の強化を目的としている。
「くるむ」訪問看護ステーションの運営を通じてCareMakerが構築してきたのは単なる効率化ではなく、現場スタッフが働きやすく、かつ利用者にとっても安心できるケア体制だ。支店単位での間接業務の集約や標準化により、サービス品質を損なうことなく、生産性向上に成功している。
今後は1店舗あたりの規模拡大と新規店舗の立ち上げを並行して進め、地域に根ざしたケアをより多くの人々に届けていく方針だ。そのためには、看護師やリハビリ職、本部スタッフ、そしてエンジニアといった多職種の採用が鍵を握る。今回の資金は、そうした人材の確保と組織基盤の整備に活用される。
「命のインフラ」としての訪問看護を支える投資
新たな出資者であるNOBUNAGAビレッジキャピタル株式会社のインベストメント部リーダー・太田匡紀氏は、次のように期待を語る。
「超高齢社会の中で在宅医療のニーズは急増しています。CareMakerのソリューションは、現場の人手不足という深刻な課題の解決にフィットしていると感じています。今回の調達を機に、リアルとデジタルの融合による“命のインフラ”がさらに強化されていくことを楽しみにしています。」
また、代表取締役の山村真稔氏は、創業以来の思いを次のように語っている。
「私たちは、テクノロジーと実業を融合させることで、ケアの現場に本当に意味のある仕組みをつくることを目指してきました。今回の資金調達により、“くるむ”で得たオペレーション効率化・標準化の知見をプロダクトへと展開し、ケアに関わるすべての人の“働きやすさ”と“安心”を支えるインフラを構築していきます。」
CareMakerの挑戦は、医療・介護の現場が直面する構造的課題に対し、テクノロジーの力を活用して解決策を提示するものだ。地域社会に寄り添いながら、訪問看護のあり方そのものを再定義しようとする取り組みは、今後ますます注目を集めていくだろう。
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(TOMORUBA編集部)